中国で旧正月を前に、新年を祝う商業施設の広告が思わぬ騒動を巻き起こしました。南京にある商業施設「吾悦広場」がSNSに投稿した「您踢馬來了(Nín tī mǎ lái le)」という午年(うまどし)テーマの言葉が、一部で不適切な表現と解釈され、ネット上で物議を醸したのです。施設側は問題発覚後、すぐに当該広告を撤去しましたが、この背景には中国特有の「諧音梗(同音異義語を用いたジョーク)」という文化と、その解釈の難しさがあります。ユーモアを狙った表現がなぜ炎上につながったのか、その詳細を追ってみましょう。
中国「午年」広告、ユーモアが裏目に?SNSで炎上した「踢馬」の真相
旧正月「午年」が間近に迫る中国では、多くの商業施設が「諧音梗(同音異義語ジョーク)」を使ったプロモーションを展開し、新年の雰囲気を盛り上げていました。その中で、南京鼓楼吾悦広場が公開した午年テーマのクリエイティブポスター「您踢馬來了」が注目を集めます。
この「踢馬(tī mǎ)」という言葉が、一部のネットユーザーによって文字通り「馬を蹴る」と解釈されたり、その発音が特定の「不文明用語(非文明的、または不適切な言葉)」を連想させるとの指摘が上がり、議論となりました。一方で、「面白い」「ユーモアがある」と評価する声もあり、SNS上では賛否両論が飛び交う事態に。
事態を重く見た吾悦広場は、問題のポスターを迅速に撤去する対応を取りました。
「踢馬而上」の意図と、広告表現の難しさ
1月29日、記者が現地を訪れて確認したところ、エレベーター付近に貼られていた問題の「您踢馬來了」ポスターは既に撤去されていました。
商業施設のスタッフは、当初の意図について次のように説明しています。「この言葉は、元々『踢馬而上(tī mǎ ér shàng:馬に乗って駆け上がる、勢いよく進む)』という慣用句の『踢馬』と、新年に前倒しで良いことが訪れることを意味する『提前(tí qián:前倒し)』の『tí』を組み合わせた『諧音梗』でした。軽快で楽しい祝祭の雰囲気を演出する狙いがあったのです。」しかし、ポスター掲示後に議論を呼ぶ可能性に気付き、すぐに撤去を決定したとのことです。
この事例は、ユーモアを狙った広告表現が、受け取り手によっては意図しない形で解釈され、物議を醸す可能性があることを浮き彫りにしました。文化的な背景や言葉のニュアンスの違いが、広告効果に大きく影響することを改めて示しています。
他地域の「吾悦広場」にも波及?広がる「諧音梗」広告
記者の調査によると、江蘇省内の他の「吾悦広場」でも、南京と同様の「諧音梗」を使ったプロモーションが展開されていたことが判明しました。例えば、張家港吾悦広場では、大型スクリーンに「馬年 我踢馬來了」という広告が現在も表示されています。同施設の担当者は記者に対し、「関連する撤去の通知は受けていない」と回答しました。
一方で、興化吾悦広場では、以前掲示されていた「2026 我踢馬來啦」という広告が既に撤去されていることが確認されています。同じ商業施設チェーンであっても、各店舗で対応が異なる状況が明らかになりました。
まとめ
今回の中国における「午年」広告炎上騒動は、中国の広告文化で一般的な「諧音梗(同音異義語ジョーク)」が、時に意図しない物議を醸すことを示しました。特にSNSが普及した現代では、情報の拡散が瞬時に行われ、企業の対応が迅速に問われる時代となっています。
日本企業が中国市場へ参入する際も、現地の言葉遊びや文化的背景を深く理解し、多角的な視点から広告表現を吟味する重要性が再確認されたと言えるでしょう。意図したメッセージが正しく消費者に伝わり、好意的に受け入れられるための、より繊細なコミュニケーション戦略が不可欠となるはずです。
元記事: gamersky
Photo by Tamanna Rumee on Pexels












