カプコンが開発中の注目SFアクション大作『Pragmata(プラグマタ)』が、先日専門メディアによる性能テストを受けました。REエンジンを極限までチューニングし、従来のラスタライズ処理を全面的にパス・トレーシング(全経路レイトレーシング)に置き換えた本作は、物理法則に基づいた超リアルな光影表現を実現。しかし、その圧倒的な美しさの代償として、現行最高のハードウェアをもってしても、ネイティブ4K環境では驚くべき低フレームレートを記録したことが明らかになりました。この結果は、今後のゲームグラフィックの進化と、それに伴うハードウェア要件について、重要な示唆を与えています。
『Pragmata』が示す次世代グラフィックと「ハードウェアのブラックホール」
『Pragmata』は、カプコンが満を持して送り出すSFアクション大作として、発表当初から注目を集めてきました。特にそのグラフィック表現においては、REエンジンを徹底的に最適化し、これまでのゲームエンジンで主流だったラスタライズ処理を完全に廃止。物理的な光の挙動をシミュレートするパス・トレーシング(Path Tracing)を全面的に採用している点が革新的です。
この技術により、ゲーム内で描かれる月面基地の光影効果は、まさに「物理レベルのリアルさ」と評されるほどの完成度を誇ります。しかし、その信じられないほど美しい映像は、同時に膨大な計算リソースを要求する「ハードウェアのブラックホール」とも化していることが、今回のテストで浮き彫りになりました。
最強PC構成でも苦戦!ネイティブ4Kは平均38fps
一体どれほどの「ブラックホール」なのか、専門メディアの性能テストデータは衝撃的なものでした。
現時点で市場に存在する最高のフラッグシップPC構成、すなわちGeForce RTX 5090グラフィックカードとAMD Ryzen 7 9800X3Dプロセッサという組み合わせをもってしても、ネイティブ4K(3840×2160)解像度、そして「最高パス・トレーシング」設定の下では、平均フレームレートはわずか38fpsに留まったのです。最低フレームレートに至っては、31fpsまで落ち込む場面もあったといいます。
この高負荷な処理により、グラフィックカードの消費電力は600Wを軽々と突破。まさに次世代のゲームが要求する、途方もない計算能力を垣間見ることができます。
DLSS 4が示す未来:アップスケーリングはもはや「必須」技術へ
では、最高のグラフィック設定で『Pragmata』を快適にプレイすることは不可能なのでしょうか?
テストデータは、この課題に対する明確な解決策を示しています。それは、NVIDIAのディープラーニング超解像技術DLSS 4(Deep Learning Super Sampling 4)の活用です。DLSS 4の品質モードと、さらにフレームレートを向上させる4倍フレーム生成(MFG 4X)を有効にしたところ、衝撃的なパフォーマンスの改善が確認されました。
平均フレームレートは、ネイティブ状態の38fpsから一気に239fpsへと跳ね上がり、最低フレームレートも198fps以上で安定。これにより、ネイティブでのパフォーマンスボトルネックは完全に解消され、滑らかなゲーム体験が可能となるのです。
この結果は、もはやグラフィックカードの生パフォーマンスだけでは、パス・トレーシングのような最先端のレンダリング技術を支えきれない時代が来たことを意味します。DLSSやFSRといったアップスケーリング技術は、もはや「あれば便利」なオプションではなく、「高画質でゲームをプレイするための必須機能」へとその立ち位置を変えたと言えるでしょう。
まとめ:未来のゲーム体験を形作る技術トレンド
『Pragmata』の性能テスト結果は、カプコンが数年先のグラフィックの限界を見据え、妥協のない技術目標を掲げていることを雄弁に物語っています。ネイティブ4Kで60fpsを達成できないという事実は、現代の最先端ハードウェアをもってしても、まだその要求に応えきれないほどの未来志向のグラフィックを実現している証拠です。
これにより、ゲーマーにとって、DLSSやFSRのようなディープラーニング超解像技術の重要性はますます高まります。これらの技術は、未来のゲームが提供する圧倒的なビジュアルと、快適なプレイ体験の両立を可能にする架け橋となるでしょう。
今後のPCゲーム市場では、単なるハードウェアの性能向上だけでなく、AIを活用したレンダリング技術の進化が、ゲーマーの体験を大きく左右する鍵となることは間違いありません。日本のゲーマーにとっても、新たなPC購入やアップグレードを検討する際に、DLSS/FSRへの対応がより重要な選択基準となるかもしれませんね。
元記事: gamersky












