2025年の世界テレビ市場に激震が走っています。市場調査会社AVC Revoが発表した最新レポートによると、出荷台数全体は前年比微減ながら、その勢力図は劇的に変化。これまで世界のテレビ市場を牽引してきたブランドの牙城が揺らぎ、代わって中国ブランドが圧倒的な存在感を示し始めています。特に注目すべきは、中国を代表する家電メーカーTCLの躍進。長年の王者であるサムスン電子との差を急速に縮め、ついに月間出荷台数で世界トップに躍り出るという歴史的快挙を達成しました。この動きは、日本の家電市場にも少なからぬ影響を与える可能性があります。
世界テレビ市場の勢力図が激変!中国ブランドの台頭とTCLの躍進
市場全体の動向と中国ブランドの存在感
AVC Revoの最新年次レポートによれば、2025年の世界テレビ出荷台数は2.64億台となり、前年をわずか0.1%下回る見込みです。しかし、この数字の裏側では、市場の構造が根本から変わりつつあります。最大の変化は、中国ブランドが初めて、世界のテレビ出荷台数トップ10の半分を占めるに至ったこと。これは、世界のテレビ産業における中国勢の確固たる地位を象徴する出来事であり、業界で最も注目されるトレンドとなっています。
TCLがサムスンの牙城に迫る!月間出荷台数で歴史的逆転
ブランド別の競争を見ると、サムスン電子は3530万台の出荷で20年連続の世界トップを維持しています。しかし、そのリードは急速に縮小しています。TCLは3040万台で猛追し、2番手の座を確保。2024年には800万台あった両者の差は、2025年にはわずか490万台にまで縮まりました。そして、さらに驚くべきは、TCLが2025年12月の月間出荷台数で、初めてサムスンを上回ったという事実です。これは、中国ブランドが月間で世界トップに立った史上初の記録であり、歴史的な瞬間として記憶されるでしょう。
また、Hisense(ハイセンス)も2990万台で3位にランクインし、TCLとはわずか50万台の差。まさにTCLとHisenseが協力してサムスンを「両面から挟み撃ち」するような構図が形成されています。他にもXiaomi(シャオミ)が980万台で5位、Skyworth(スカイワース)が930万台で6位を占め、Changhong(長虹)やHaier(ハイアール)などのブランドもトップ10に名を連ね、まさに「中国ブランド連合軍」が世界市場を席巻している状況です。
技術革新と市場戦略:ハイエンド化の波
中国ブランドのシェア拡大とハイエンド市場への挑戦
中国ブランドの世界市場におけるシェアは、2020年の32%から2025年には48%へと急上昇しています。この成長は、単なる低価格戦略にとどまらず、ハイエンド市場への本格的な参入を意味します。特に、OLED(有機EL)テレビの分野では成長が顕著で、2025年のOLEDテレビ出荷台数は前年比6.9%増の650万台に達する見込みです。
LCDから次世代技術へ、各社の戦略
技術面でも激しい競争が繰り広げられています。LCD(液晶)テレビは依然として主流であり、2025年の出荷台数は1.99億台と予測されています。しかし、OLEDやMini LED(ミニLED)といった次世代ディスプレイ技術の成長も目覚ましいものがあります。サムスンはQD-OLED(量子ドット有機EL)分野で引き続きリードを保っていますが、中国ブランドは「LCD+Mini LED」という独自の差別化戦略を通じて、中高級市場で着実にシェアを拡大しています。
まとめ:世界テレビ産業は「日中韓三国鼎立」の新時代へ
AVC Revoのアナリストは、現在の中国ブランドが「規模拡大」から「価値競争」へと戦略を転換していると指摘しています。これにより、世界のカラーテレビ産業は、「中国主導の技術世代交代、日中韓三国鼎立」という新たな段階に突入したと分析しています。かつて日本企業がリードし、その後韓国企業が台頭したテレビ市場において、今や中国勢がその技術力と市場戦略で新たな潮流を生み出しています。日本の家電メーカーも、この変化の波を注視し、今後の戦略を再構築していく必要がありそうです。
元記事: pcd
Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels












