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中国小売業界大変革!プライベートブランドが主役に躍り出るワケ

Private label products Chinese supermarket - 中国小売業界大変革!プライベートブランドが主役に躍り出るワケ

日本のスーパーでもおなじみのプライベートブランド(PB)商品。高品質なのに手頃な価格で、すっかり私たちの生活に欠かせない存在となりました。今、このPB商品が中国の小売業界で棚の脇役から主役へと大躍進を遂げています。かつては隅っこに追いやられていたPBが、なぜこれほどまでに存在感を増し、業界の勢力図を塗り替えつつあるのでしょうか?その背景にある驚きのビジネスモデル変革と、各社のユニークな戦略を深掘りし、日本市場への示唆も探ります。

PB商品が主役へ!中国小売業界の「ブランド革命」

中国のチェーンスーパーに入ると、かつては目立たなかったPB商品が、今や独立した山積みや専用棚、さらには店舗の入口という「ゴールデンポジション」を堂々と占拠しています。米、麺、食用油、日用品といった伝統的なカテゴリーでも、有名ブランドとPB商品が隣り合い、「抱き合わせ販売」のような形で展開されることも珍しくありません。これは、メーカー主導だったこれまでの市場を、チャネル(小売店)主導の「ブランド革命」が根本から再構築している証拠と言えるでしょう。

この変革は突然始まったわけではありません。現代小売業の先駆者とされるA&P社が1882年にPBコーヒーを導入したのがその始まりです。中国でも1990年代、ウォルマートやカルフールといった外資系企業が進出した際にPBモデルが芽生えました。しかし、当時の消費者はブランド広告に熱狂し、小売業も「二番手」(メーカーの流通を担う存在)という位置づけだったため、PB商品は長らく傍流に甘んじていました。データによると、2010年の中国小売企業のPB比率は平均2%未満で、その多くも外資系スーパーによるものでした。

新小売の台頭とサムズクラブの成功が牽引

状況が大きく変わったのは2017年です。「新小売」の旗手である盒马鲜生(フーマフレッシュ)が急速に事業を拡大する中で、「盒马工坊」や「日日鲜」といったPB商品を短期間で次々に展開。生鮮食品からベーカリー、ミールキットまで幅広いカテゴリーをカバーしました。同年、永輝超市(ヨンホイスーパー)も米国企業との提携を通じて「永輝優選」を本格展開し、取り扱い商品(SKU)は1000種類を突破しました。中国連鎖経営協会(CCFA)のデータでは、2017年の全国スーパーのPB販売比率は2.8%に上昇し、翌年には3%を突破。これは、PB商品が歴史的な節目を迎えたことを示しています。

もう一つの重要な推進力となったのが、会員制倉庫型店舗のサムズクラブ(山姆会員店)の拡大です。2018年前後、「Member’s Mark」ブランドのスイスロールやローストチキンなどがオンラインで大きな話題を呼び、中間層の家庭や若い世代が「大手ブランドと同じ工場で製造され、高コストパフォーマンス」というPBの価値観を次第に受け入れるようになりました。

現在、盒马鲜生、胖東来(パンドンライ)、サムズクラブなどの有力小売企業のPB販売比率は30%以上を安定して維持しています。特に胖東来は3年以内に50%突破という目標を掲げ、この「PBブランド争奪戦」が白熱化していることを示しています。

「利益モデルの転換」がPB推進の原動力

この大規模な変革の核心にあるのは、小売企業の利益モデルの根本的な転換です。従来のスーパーは、メーカーからの「入店料」や「バーコード使用料」といったチャネル収入に大きく依存していました。しかし、eコマースの台頭や実店舗への客足減少により、この収益構造は限界を迎えました。企業は「自社で利益を生み出す(造血)」必要に迫られ、PB商品がその最も強力な切り札となったのです。

ニールセンIQのレポートによると、2023年の中国PB販売比率は約10%に達しています。国際市場の平均30%にはまだ開きがあるものの、その成長トレンドは非常に顕著です。

各社が繰り出す「差別化戦略」

各小売企業は、独自のPB戦略で差別化を図っています。

  • サムズクラブ: 商品数を厳選(SKUの簡素化)し、規模の経済を活かした大量仕入れを行うことで、資源を「リピート率の高い商品」に集中。消費者が「ブランドよりも品質」に注目するよう促し、「品質と価格のバランスが取れた爆売れ商品」という深い認識を形成しました。
  • 胖東来: サービスと品質を最重要視しています。サプライチェーン全体の履歴追跡、毎日の抜き打ち検査、当日売れ残り商品の廃棄など、非常に厳格な品質管理体制を敷くことで、「DL大月餅」や「黒豆醤油」といったヒット商品を開発しました。于東来董事長は、2024年のPB売上が11億元に達し、4品目が1億元を超えると公表。特に「DL精醸ビール」は1缶3元(約60円)未満という価格で、市場のハイエンド製品に匹敵する品質と人気を誇ります。
  • 奥乐齐(Aldiの中国版): PB比率を90%まで高めるという極端な戦略を採用。「貧乏人の楽園」と称されることもあります。箱陳列や簡素なピッキングプロセスによってコストを極限まで抑制し、顧客がPBの価格優位性を理解し、購入習慣を形成するよう促しています。

まとめ:日本にも波及する「PB革命」の可能性

中国小売業界で巻き起こるPBの台頭は、単なる商品トレンドではなく、小売業のビジネスモデルそのものを変革する「ブランド革命」です。eコマースの進展や消費者の価値観の変化は日本も同様であり、この中国の動向は日本の小売業界にとっても重要な示唆を与えます。

高品質・高コスパを追求するPB戦略は、消費者の購買行動に大きな影響を与えつつあります。今後、日本のスーパーやドラッグストアも、独自のPB戦略をさらに強化し、より消費者に寄り添った商品展開を進めることで、新たな競争軸が生まれるかもしれません。中国の事例から目が離せません。

元記事: pcd

Photo by Paul Stam on Pexels

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