中国のゲーム・エンタメ系メディア「触乐(chuapp)」のコラム「触乐怪話」で、ユニークな試みが話題になっています。なんとAIを使って、サッカー中国代表(国足)が将来的にワールドカップ(W杯)に出場できる確率、さらには優勝できる確率まで計算したというのです。2002年の日韓W杯以来、本大会出場から遠ざかっている中国代表ですが、AIは驚くほど高い確率でその未来を予測しました。SNSで飛び交う自虐的なジョークから、かつての国民的な熱狂、そしてAIが示す意外な希望まで、中国サッカーの今と未来に迫ります。
SNSで話題の中国サッカー、現状と自虐ジョーク
4年に一度のサッカーW杯は、世界中で一大イベントとなりますが、中国のソーシャルメディア上では、中国国家男子サッカーチーム、通称「国足」に関する自虐的なジョークが多く見られます。サッカーに詳しい方にとっては不快に感じるかもしれませんが、2002年の日韓W杯以降、国足が本大会出場を果たせていないのは紛れもない事実です。広大な国土と人口を誇る大国でありながら、代表チームの成績が振るわないため、国内外で揶揄されることも少なくありません。
例えば、海外の留学生がW杯でどの国を応援するか聞かれた際、まず「中国は出場していない」と説明する必要がある、という話はよく聞かれます。さらに「なぜ出場できないのか」と問われれば、「不当な制裁を受けているわけではない」と釈明しなければならない、といった苦労も。また、中国で広く知られているジョークに「W杯に備えている中国人はたった二人。一人は審判の馬寧、もう一人は『戒社』だ」というものがあります。
馬寧氏は、実際にFIFA国際審判員としてW杯の主要試合で主審を務めるほどのトップレベルの審判です(実際には複数名の中国人審判がW杯に参加しますが、ジョークとしては誇張が含まれます)。一方の戒社氏は、ネット賭博や消費者金融の危険性を実際の事例を通して訴え、人々を戒める(戒めるという意味で「戒社」というアカウント名)活動をしている人気配信者です。W杯のような大規模なイベントでは、一攫千金を夢見て安易にネット賭博に手を出してしまう人が後を絶たず、財産を失うケースも多いため、彼のような配信者の存在が社会的な関心を集めています。
国民が熱狂した2002年W杯:輝かしい過去
現在の若い世代の中にはご存じない方もいるかもしれませんが、中国サッカーにも国民を熱狂させた輝かしい時代がありました。筆者自身、1980年代生まれとして、国足が唯一W杯本大会に出場した2002年の興奮を肌で感じています。
当時のアジア予選で、中国はアラブ首長国連邦、オマーン、カタール、ウズベキスタンといった強豪国と戦い、特に重要な一戦となったのは2001年10月7日、瀋陽五里河体育場で行われたオマーン戦でした。この試合で中国は1対0で勝利を収め、2試合を残して日韓W杯本大会への出場権を初めて獲得したのです。当時のテレビ中継の画面には、大きな赤い文字で「我们出线了(我々が出場を決めた!)」と表示され、その瞬間の感動は忘れられません。
当時中学生だった筆者の記憶では、受験を控えた学生や都市機能維持に必須の人々を除けば、瀋陽市内、いや、中国全土がその試合に釘付けだったと言っても過言ではありません。学校の放送から中国勝利の知らせが流れるやいなや、校内だけでなく、近隣の学校や住宅地、職場からも割れんばかりの歓声が上がりました。多くの人々が街頭に繰り出し、紅旗を振って喜びを分かち合う様子は、「街中が歓喜の海と化した」という表現がまさにぴったりでした。この予選で中国は6勝1分け1敗という成績でグループ首位通過を果たしたのです。
本大会では残念ながら1点も取れずに敗退しましたが、人々は「私たちのチームがゼロの壁を突破した」と誇りに思い、この勢いを維持すればW杯の常連になり、経験を積めば本大会での勝利やグループリーグ突破も夢ではないと信じていました。もちろん、その後の展開は皆さんがご存じの通りですが、中国サッカーが希望を見せる成績を残せば、国民は惜しみない情熱で応援する、ということをこの経験は証明しています。
AIが予測する中国代表の未来:驚きのW杯出場・優勝確率
「生きているうちに、もう一度中国代表がW杯に出場するのを見られるだろうか?」という筆者の問いに対し、同僚の熊宇氏は「次のW杯ではほぼ確実に出場する。たとえ無理でもその次には確実に」と自信満々に答えたそうです。しかし、この「確実」という言葉に半信半疑だった筆者は、AIに協力を仰ぎました。
ChatGPT、Gemini、Claude、DeepSeek、豆包、千問という複数のAIに対し、「今後60年以内(筆者の想定寿命)に、中国代表がW杯に出場する、および優勝する確率」を計算してもらったところ、次のような驚きの結果が示されました。
- ChatGPTの予測:
- 今後60年以内に少なくとも一度W杯に出場する確率:97.9743%
- 今後60年以内に少なくとも一度W杯で優勝する確率:0.1107%(直感的には約903分の1)
- 今後60年間の予想出場回数:3.41回
- Geminiの予測:
- 今後60年以内に少なくとも一度W杯に出場する総確率:94.35%
- 今後60年以内に少なくとも一度W杯で優勝する総確率:0.0326%(約3000分の1)
これらのAIは、中国代表のW杯出場に対し、かなり高い「自信」を持っているようです。優勝確率こそ低いものの、今後60年でほぼ確実にW杯出場を果たすという予測は、多くの中国サッカーファンに希望を与えるかもしれません。
まとめ:AIが示す希望と日本サッカーへの示唆
AIが予測する中国代表のW杯出場確率は、驚くべき高さを示しました。これは、中国のサッカー投資や若手育成、あるいはAIが分析した潜在的な要因に基づいているのかもしれません。SNSでの自虐的なジョークの裏には、やはり「もう一度、あの熱狂を」と願う国民の強い思いがあることを、2002年の経験が物語っています。
もしAIの予測通り、中国がW杯常連となれば、アジアサッカー全体のレベル向上にも繋がり、日本代表にとっても新たなライバルの登場として刺激になるでしょう。技術の進化と共に、AIがスポーツの未来予測にどう影響を与えるか、そして中国サッカーが再び輝きを取り戻す日は来るのか、今後の動向から目が離せません。
元記事: chuapp
Photo by Omar Ramadan on Pexels












