中国で絶大な人気を誇る動画共有プラットフォーム「Bilibili(ビリビリ、通称:Bステーション)」が、2025年の「百大UP主(ハンドレッド・トップ・クリエイター)」リストを正式発表しました。毎年恒例のこの発表は、中国の動画コンテンツ界におけるトップクリエイターの顔ぶれを示すものとして大きな注目を集めますが、今年は特に「80%は聞いたことがない」という声が上がるなど、選考基準や結果に対して様々な議論が巻き起こっています。古参のベテランから新進気鋭のバーチャルクリエイター、さらには女優の参入まで、多様化するBilibiliのエコシステムを紐解きます。
中国動画プラットフォーム「Bilibili」と「百大UP主」とは?
Bilibiliは、若年層を中心に絶大な支持を得ている中国の動画共有サイトです。日本のニコニコ動画に似た弾幕(コメントが動画上に流れる)機能が特徴で、アニメ、ゲーム、エンターテインメント、知識系など、幅広いジャンルのコンテンツが日々投稿されています。「UP主」とはBilibiliにおける動画投稿者、つまりクリエイターを指します。
「百大UP主」は、Bilibiliが毎年選出するその年の最も影響力があり、評価された100名のクリエイターのこと。プラットフォーム内での活動実績、コンテンツの質、コミュニティへの貢献度などを総合的に評価し、その年のトレンドを反映する指標ともなっています。
新旧交代と多様化:今年の顔ぶれに見るトレンド
ベテラン勢の健在と若き才能の台頭
2025年のリストには、長年にわたりプラットフォームを支えてきたベテラン勢が多数名を連ねています。ラオ・ファンチェ(老番茄)やファン・シー(泛式)など4名のUP主は、なんと8年連続での選出を果たすという快挙を達成しました。また、法律解説で人気のルオ・シアン(羅翔)は6年連続、テクノロジー系動画で知られるホー・トンシュエ(何同学)は5年ぶりの復帰を果たし、その影響力の大きさを改めて示しました。
バーチャルクリエイターの躍進と異業種からの参入
特筆すべきは、バーチャルYouTuber(中国語では「虚拟赛道」)からの入選者の増加です。アザ(阿萨Aza)やジアー・ラン(嘉然)といった実力派バーチャルUP主が選ばれ、バーチャルコンテンツの存在感がBilibili内で一層高まっていることを示しています。
さらに異色の存在として注目されたのが、女優のシェン・ユエ(沈月)です。彼女はVlog活動を通じて、プロのパフォーマーとしては初めて「百大UP主」に選出されました。これは、個人のライフスタイルを発信するVlogコンテンツが、Bilibili上で新たな人気ジャンルとして確立されつつあることを物語っています。
賛否両論を巻き起こす選考結果とコミュニティの反応
一方で、今年の「百大UP主」リストは多くの議論を巻き起こしています。ネットユーザーからは「80%は聞いたこともないUP主だ」といった率直な意見が多数寄せられ、選出された一部のクリエイターに対しては「質の低いコンテンツなのに選ばれた」「商品紹介ばかりで、他に見るべき点がない」といった厳しい声も上がりました。
また、一部の人気UP主がリストから漏れたことについても、「なぜあの人が落選したのか理解できない」という不満の声や、選考基準そのものへの疑問が呈されています。これらの反応は、Bilibiliのコミュニティがリストに対して大きな関心を持ちつつも、公平性や透明性に対する期待値が高いことを示唆していると言えるでしょう。
まとめ
今年のBilibili「百大UP主」の発表は、単なるクリエイター表彰に留まらず、中国の動画コンテンツ市場の現状と課題を浮き彫りにしました。プラットフォームの成長に伴いコンテンツが多様化し、新たな才能やジャンルが生まれる一方で、古参のファンが慣れ親しんだ顔ぶれとのギャップも生じています。
新たな才能の発掘と既存コミュニティの納得感をいかに両立させるかという、運営側の難しい舵取りが求められていると言えるでしょう。日本でも動画コンテンツが日常生活に深く浸透する中、中国の巨大プラットフォームにおけるこうした動向は、今後のクリエイターエコシステムのあり方を考える上で示唆に富むものと言えるでしょう。
元記事: gamersky
Photo by Héctor Berganza on Pexels












