中国のAIアプリ市場が熱い競争を繰り広げています。調査機関Quest Mobileが発表した最新レポート「2025年下半期AIアプリケーションインタラクション革新とエコシステム着地レポート」によると、週次アクティブユーザー数(WAU)ランキングで、汎用AIと垂直(専門)AIが並び立つ新たな勢力図が明らかになりました。
特に注目すべきは、ByteDance傘下の汎用AIアプリ「豆包(Doubao)」が、驚異的な1.55億WAUを記録し、業界トップに君臨したことです。また、Ant Group(アントグループ)も新たに投入した汎用AIアシスタント「霊光(Lingguang)」が初めてトップ10入りを果たし、その存在感を増しています。このランキングは、中国におけるAI技術の急速な浸透と、大手テック企業の熾烈な競争戦略を浮き彫りにしています。
中国AIアプリ市場の最新勢力図:ByteDance「豆包」が圧倒的トップ!
Quest Mobileの最新レポートは、2025年12月8日から14日までの期間を対象とした、AIネイティブアプリケーションのWAUランキングを発表しました。トップ10には、汎用型AIアプリが6つ、特定の分野に特化した垂直型AIアプリが4つランクインし、市場が多様化している現状を示しています。
汎用AIの巨人、ByteDance「豆包」の驚異的な成長
ランキングの絶対的王者となったのは、ByteDanceが手掛ける汎用AIアプリ「豆包」です。その週次アクティブユーザー数は1.55億人に達し、業界全体を大きくリードしています。これは、2位の「DeepSeek」(8156万人)と3位の「元宝(Yuanbao)」(2084万人)の合計WAUを上回る規模であり、ByteDanceのエコシステム内で強力な競争優位性を確立していることが伺えます。
ByteDanceは、トップ10に3つの汎用AI製品を送り込み、ランキングの3割を占める最大の勝者となりました。これは同社が汎用AI分野で圧倒的なユーザーベースを築き上げていることを示しています。
Ant Group「霊光」の躍進と垂直AIの台頭
一方、Ant Groupも汎用AIと垂直AIの両面で存在感を示しました。特に注目すべきは、昨年11月にリリースされたばかりの汎用AIアシスタント「霊光」が、初めてトップ10にランクインしたことです。これは後発製品としては異例の成長ぶりであり、Ant Groupの技術力と市場投入戦略の成功を物語っています。
垂直AI分野では、Ant Group傘下のAIヘルスケアアシスタント「螞蚁阿福(Ant Afu)」が、週次アクティブユーザー数1000万人を突破し、垂直型AI部門のチャンピオンとなりました。その他の専門アプリも教育、金融、企業サービスといった特定のシナリオに焦点を当てており、ユーザーのニーズが汎用的な機能から専門的なサービスへと移行しているトレンドが読み取れます。これにより、専門型製品が特定の分野でユーザーのロイヤルティを高め、強固なユーザー基盤を構築しつつあることが示唆されます。
競争戦略と今後の展望
中国のAI市場では、大手インターネット企業が多角的な製品戦略を展開し、市場での地位を固めています。ByteDanceは汎用AIに強みを持つ製品群で市場をリードし、Ant Groupは汎用AIと垂直AIの組み合わせで差別化戦略を図っています。このような競争環境の中で、アリババのEC系AIアプリケーション「千問(Qianwen)」が587万WAUで5位にランクインしたことも注目に値します。これは、ECプラットフォームがAI技術を活用して新たなビジネスチャンスを創出する潜在力を示しています。
中国のAI市場は、ユーザーニーズの多様化と技術革新によって急速に進化しています。汎用AIは広範なユーザーを獲得し、垂直AIは特定の分野で専門的な価値を提供することで、それぞれが独自の市場を形成しつつあります。この動向は、日本企業が中国市場を理解し、AI戦略を構築する上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。技術の進化だけでなく、ユーザーニーズに応える「きめ細やかな」AIサービス設計が、今後の成功の鍵を握ると言えそうです。
元記事: pcd
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