中国の大手EC企業「京東(JD.com)」傘下のフードデリバリーサービス「京東外売(Jingdong Waimai)」が、冬季の低温環境下でも料理を温かいまま届ける画期的な新サービスを正式に開始しました。プロの配達員向けに「加熱保温弁当箱」を導入し、サービス第一弾として北京の「七鮮小厨(7FRESH KITCHEN)」の全デリバリー注文に適用されます。約1ヶ月の試験運用を経て導入されたこの技術は、冬の寒さで料理が冷めてしまうという顧客の悩みを解消し、最適な温度で食事を提供するというデリバリー体験の向上を目指します。
「温かい」を届ける新デリバリーサービス、その仕組みとは?
京東外売が挑む「冬季保温」の課題
フードデリバリーにおいて、料理の温度は顧客満足度に直結する重要な要素です。特に冬場や寒冷地では、配達中に料理が冷めてしまうことが大きな課題となっていました。京東外売は、この長年の課題に対し、革新的な技術で解決策を提示しました。
スマート温度制御と多層保温材の組み合わせ
今回導入された特注の加熱保温弁当箱は、スマート温度制御技術を搭載しています。多層の保温材と恒温装置を組み合わせることで、精密な温度管理を実現しています。このシステムにより、料理が提供時に適切な温度を保つことが可能になります。技術チームによると、この設計は、極端な低温環境下(例えば-10℃)でも安定して稼働するよう、厳格な模擬テストをクリアしているとのことです。
実証実験で証明された驚異の保温性能
20分後も70℃をキープ!その実力
北京の七鮮小厨店舗で行われた比較テストでは、その性能が明確に示されました。初期温度70℃の辛味炒め肉を、それぞれ通常の弁当箱と加熱保温弁当箱に入れて20分間配達しました。結果、通常の弁当箱内の温度は50℃まで低下したのに対し、加熱保温弁当箱内の料理は変わらず70℃を維持。さらに、60分を超える長距離配達のシナリオでも、弁当箱内部の温度は55℃以上を安定して保てることを確認しています。
配達員にも優しい「無料装備」モデル
このサービスは「配達員への無料装備 + 店舗定点配置」というモデルで提供されています。これにより、配達員が加熱保温弁当箱を無料で利用できるようになり、サービスの質の均一化にも繋がります。今月中には、東北地方や西北地方といった冬季に特に気温が下がる地域へとサービス範囲を拡大する予定です。
未来のデリバリー:リアルタイム監視と多様な料理への対応
利用者の安心感を高める温度監視機能
京東外売は、ユーザー体験をさらに向上させるため、弁当箱内の温度リアルタイム監視機能を開発中です。この機能が実装されれば、ユーザーは注文後、配達状況ページで料理の現在の温度データを確認できるようになります。この機能は、サービス範囲の拡大と同時に順次リリースされる見込みです。
料理の特性に合わせたきめ細やかな保温設定
技術チームはまた、加熱保温弁当箱がモジュール化設計を採用していることを明らかにしました。これにより、将来的には料理の種類に応じて保温パラメーターを調整できるようになります。温かさを保ちたい揚げ物や、特定の温度で提供したい飲み物など、多様な料理のデリバリーニーズに、よりきめ細かく対応できるようになるでしょう。
まとめ
京東外売が導入したこの加熱保温弁当箱サービスは、単なる配達手段の進化に留まらず、フードデリバリーの顧客体験を根本から変える可能性を秘めています。特に冬季の低温環境下での顧客満足度向上に大きく貢献するでしょう。中国で先行するこの先進的な取り組みは、日本のフードデリバリーサービスにも大きな示唆を与え、同様の技術導入やサービス改善への動きを加速させるかもしれません。ユーザーの「温かいものを温かいうちに食べたい」というシンプルなニーズに応える京東外売の挑戦は、今後のデリバリー体験を大きく変えることになるでしょう。
元記事: pcd
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