東京オリンピックで金メダルを獲得した中国の飛び込み選手、張家斉(ジャン・ジアチー)選手が、引退後に始めたライブコマース(生放送販売)が、中国国内で大きな議論を呼んでいます。ネットユーザーからは「品格を落とした」「金儲けに走っている」といった厳しい批判が寄せられる一方、張家斉選手は「私も生活していかなければならない」と苦しい胸の内を明かしました。かつての栄光を背負うアスリートが直面する現実と、現代中国の社会状況を浮き彫りにするこの出来事について掘り下げます。
金メダリストのセカンドキャリア、ライブコマースへの挑戦
東京オリンピックの飛び込み女子で金メダルに輝いた張家斉選手は、現役引退後、人気のライブコマースの世界へと足を踏み入れました。しかし、この新たな挑戦は、一部のネットユーザーから「品格を落とした」「オリンピック金メダリストとしての栄光を忘れた」さらには「急いで金儲けに走っている」といった辛辣な批判に晒されることとなります。
彼女の初のライブコマースは順調とは言えませんでした。スキンケア商品の紹介台本を読み上げる際も明らかに緊張した様子で、そのぎこちなさは視聴者にも伝わったようです。データによると、ライブ配信のピーク時の視聴者数はわずか2000人余り。その後は数百人まで落ち込むなど、スタートは厳しいものとなりました。
そんな中、彼女と同じ飛び込みの金メダリストである全紅嬋(チュエン・ホンチャン)選手が、自身のライブ配信中に張家斉選手のライブコマースルームに現れ、ギフトを贈って友人として応援するという一幕もありました。
「私も生活がある」アスリートの本音と中国社会の反応
相次ぐ批判に対し、張家斉選手は最近出演したある番組の中で、自身のライブコマースについて率直な思いを語りました。「皆さんの私に対する批判は受け入れます。しかし、私も生活していかなければなりません。」この切実な言葉は、アスリートが引退後に直面する厳しい現実を物語っています。
この発言に対し、ネットユーザーの間では賛否両論が巻き起こりました。「アスリートも皆同じ人間だ。インターネットでお金を稼ぐことは何も悪いことではない、ただ一生懸命に生きているだけだ」と、張家斉選手に共感し擁護する声が多く寄せられています。
一方で、「金メダリストという輝かしい身分とのギャップが大きすぎる」「あまりにも体面が良くない」といった否定的な意見も依然として存在します。第三者機関のデータによると、張家斉選手は最近30日間で5回のライブ配信を行い、25万〜50万元(日本円で約500万円〜1000万円)の売上を記録したとされています。
まとめ:中国アスリートの新たな挑戦と日本への示唆
東京オリンピックの金メダリストが、引退後にライブコマースという形で生計を立てようとし、賛否両論を巻き起こしている今回のケースは、中国社会におけるアスリートのセカンドキャリア問題、そして栄光と現実のギャップを鮮明に示しています。かつては国家の英雄として称えられたアスリートも、競技を離れれば「ただの人」として生活のために働く必要があるという現実を、世論はどのように受け止めていくのでしょうか。
日本においても、多くのアスリートが引退後のキャリア形成に苦労しています。中国のトップアスリートが選んだ道と、それに伴う社会の反応は、日本のスポーツ界や社会全体にとっても、アスリートの多様なセカンドキャリア支援のあり方を考える上で重要な示唆を与えてくれるかもしれません。
元記事: gamersky
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