近年、金価格の歴史的な高騰が続いています。この熱狂は、中国の「00後」、いわゆる2000年代生まれのZ世代をも巻き込み、彼らの投資熱に火をつけています。特に中国のテックハブである深センでは、若者たちが貯蓄を元手に、金やファンド、株式といった少額投資に次々と挑戦し、「不労所得」を夢見るようになりました。しかし、彼らが直面するのは、理想と現実のギャップ。この記事では、金価格に一喜一憂する林依夢(リン・イーメン)さんの例や、友人からの成功談に触発されて投資デビューを果たした陸苑(ルー・ユエン)さんのエピソードを通じて、中国Z世代が初めての資産運用で体験する「投資第一課」のリアルな姿を深掘りします。
中国Z世代、金投資に熱視線
「歴史的瞬間だ、金価格がまたも最高値を更新!」――このようなニュースが、林依夢さんのスマートフォンの画面を連日埋め尽くしています。金価格の急騰は彼女のアドレナリンを刺激し、約5分おきに金の購入ページを覗き見るほど。まるで自分のちょっとした動きで金価格が変動するのを恐れるかのように、そっとトレンドを追いかけ、関連する分析記事を読み漁っています。
「皆さん、金について大胆なアイデアがあります。私はこれを『大儲け計画』と呼んでいます。きっと皆さん、私が狂ったと思うでしょうが……」
彼女は金相場が連日高騰する中で、「今日の市場は参入のチャンスなのか?」と自問自答します。結局、彼女が理解できることは限られ、実際に投資に大きな影響を与えるほどではありませんでした。というのも、投資初心者である彼女が購入したのは、わずか8グラム相当の金ファンドに過ぎなかったからです。しかし、これは彼女が資産運用に真剣に向き合い始め、受動的な収入源を模索し始めた証拠でもあります。
最近、林依夢さんは深センの多くの2000年代生まれの間で、資産運用が新たなソーシャルアクティビティになっていることに気づきました。彼らは働きながら得た「人生の最初のバケツ金」(最初のまとまったお金)を元手に、金、ファンド、株式などに少額投資し、比較的楽に収入を得ようとしています。
「投資第一課」の現実:理想とギャップ
しかし、投資と利益獲得は全く別の話です。関連調査によると、中国のZ世代が理想とする投資収益率と現実には大きな乖離があるといいます。投資をしながら損をする経験こそが、彼らにとっての「お金を稼ぐのは難しい」という人生の第二の教訓、すなわち「投資第一課」なのです。
「高値掴み、安値売り」の罠
3年前、江西省を卒業した陸苑(ルー・ユエン)さんは、深センで月給6,000元(約12万円)の越境ECの仕事に就きました。会社近くの都市部に住む人との相部屋で家賃800元(約1.6万円)を節約し、自炊もして毎月3,000〜4,000元(約6〜8万円)を貯めていました。彼の金銭観は常に「地道に働いてお金を稼ぐ、近道はしない」というものでした。
しかし、ある同窓会が彼の考えを変えました。友人たちが資産運用の話を始め、ほとんどの人が詳しくないにもかかわらず、身近な成功例やネット上の情報を取り上げていたのです。その中の一人の男性友人は、経験豊富な同僚のアドバイスに従ってファンドを購入し、最近は「日に1,000〜2,000元(約2〜4万円)稼いでいる」と話しました。当時の出席者のほとんどは月給1万元(約20万円)にも満たない中で、手軽にそれだけの利益を得られるという話は、大きな誘惑でした。その友人は「最近の市場は好調で、何か良いことが起こる予兆だ。今買えば必ず儲かるし、少し利益が出たらすぐに逃げれば損はしない」と分析しました。
当初、陸苑さんは懐疑的で、「どうすればそんなにずっと儲かるんだ?損失が出たら逃げ遅れるだけだ」と思っていました。しかし、その友人がその後5日間連続で、ファンドの運用成績をグループチャットに報告し、平均して1日1,500元(約3万円)を稼いでいるのを見て、陸苑さんの心のガードは徐々に崩れていきました。友人が数日の間に稼いだ金額は、彼が汗水たらして1ヶ月働いて得る給料に相当したのです。
「追い風が吹けば豚でさえ飛ぶ」「今参入しなければ、もう利益の分け前すらもらえない」という言葉に背中を押され、陸苑さんはついに誘惑に抗えませんでした。彼は連日高騰していた市場に半月遅れで参入し、6,000元を投じて、その日も上昇中だった3つのファンドを購入しました。
まとめ:日本にも通じるZ世代の投資観
中国のZ世代、特に深センの若者たちが経験している「投資第一課」は、金価格高騰という時流に乗じた、彼らなりの資産形成への挑戦です。手元資金を元手に「不労所得」を夢見る彼らの行動は、デジタルネイティブ世代ならではの情報収集力と行動力を示しています。しかし、陸苑さんのエピソードが示唆するように、投資は常に利益を生むものではなく、高騰期に飛び込むリスクも伴います。
彼らが直面する「高値掴み、安値売り」の現実や「お金を稼ぐのは難しい」という学びは、国の違いを超えて、日本の若者を含む世界中の投資初心者にも通じる普遍的なテーマではないでしょうか。中国Z世代のリアルな投資体験は、私たちに冷静な情報分析と長期的な視点を持つことの重要性を改めて教えてくれます。今後、彼らがこの「投資第一課」から何を学び、どのように資産運用を成熟させていくのか、その動向は中国経済の未来を占う上でも注視すべきポイントとなるでしょう。
元記事: pedaily
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