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AIが拓く新時代!「AI実写ショートドラマ」が中国で急成長

AI film production AI generated video - AIが拓く新時代!「AI実写ショートドラマ」が中国で急成長

近年、中国のエンターテインメント業界でAIGC(AI生成コンテンツ)技術が大きな波を起こしています。特に注目を集めているのが、役者も撮影クルーも不要でAIが制作する「AI実写ショートドラマ」です。まだ発展途上の分野ながら、短期間で数億回再生される作品が登場するなど、その潜在力は計り知れません。既存の映像制作の常識を根底から覆す可能性を秘めた、この画期的な動きの現状と未来を深掘りしていきましょう。

AIが変える映像制作の常識:役者不要の制作現場

「AI実写ショートドラマ」とは、その名の通り、AIGC技術を駆使して作られる実写風の短編ドラマのことです。驚くべきはその制作プロセスにあります。従来のドラマ制作では欠かせなかった俳優陣はもちろんのこと、照明や撮影技師といった専門スタッフも不要。さらには「監督」も数日間のトレーニングで就任できる、という時代が到来しているのです。

これは、AIが脚本から登場人物の生成、演技、背景、映像の編集までを一貫して行うことで実現します。人件費や機材費、時間といった制作にかかる膨大なコストが大幅に削減され、より手軽に、そしてスピーディーに映像コンテンツを生み出せるようになったのです。

ヒット作続々!数字が語るAI実写の衝撃

驚異の再生回数と有料コンテンツの成功

AI実写ショートドラマは、既に具体的な成果を上げています。短編動画プラットフォーム上では、『奶奶太后三岁半』(おばあちゃん皇太后3歳半)『九尾狐男妖爱上我』(九尾の狐男が私に恋した)といった作品が大きな話題を呼び、それぞれ累計再生回数2億回を突破しました。これは多くの実写ショートドラマの再生回数を凌駕する数字です。

さらに、『兴安岭诡事』(興安嶺の奇妙な出来事)という作品は、中国の人気ショート動画アプリ「Douyin(抖音)」だけで30万元(日本円で約600万円以上)もの有料収益を上げています。これらの成功作には共通して「AI生成実写ショートドラマ」というタグが付けられており、その革新性が広く認知され始めています。

視聴者の反応と現在の課題

これらのAI実写ショートドラマに対する視聴者の反応は非常に好意的です。「これならもう俳優はいらない、失業するぞ」「口の動きが少し不自然な点を除けば、他の部分はテレビドラマを代替できる」「すごい、どんなツールで作ったんだ?」といったコメントが多数寄せられています。

しかし、技術的な課題もまだ残されています。制作を担当した「雪宝」氏(短編ドラマの監督兼脚本家で、今年2月からAI実写ドラマに参入)によると、当時はAIモデルの技術的な制約から、口元の同期のズレや感情表現の硬さといった点が課題だったそうです。それでも、2億回を超える再生数や有料収益の成功は、現在のAI実写ショートドラマが「職場の人間関係」や「宮廷闘争」といった人気テーマを扱うには十分なレベルに達していることを示唆しています。

AI実写ショートドラマの未来:業界を根底から変える可能性

AIが生成する漫画(AIコミック)が注目を集めていますが、AIコミックが「新しいコンテンツの道」を切り開いたのに対し、AI実写ショートドラマは既存の映像制作のあり方を根底から覆す巨大な潜在力を秘めています。テーマの適合性においても、AIコミックをはるかに凌駕すると見られています。

この大きな可能性にいち早く気づき、多くのプレイヤーが市場に参入しています。中国の主要な動画プラットフォームである愛奇芸(iQiyi)や騰訊視頻(Tencent Video)に加え、香港のテレビ局TVB、さらには百度(Baidu)や昆侖万維(Kunlun Wanwei)といったテクノロジー企業も続々とAI実写ショートドラマ分野への投資を進めています。感度の高いショートドラマクリエイターたちも、この新しい波に乗り遅れまいと参戦しています。

AI実写ショートドラマは、AIコミックのように短期間で爆発的なブームになるというよりは、むしろ静かに、しかし着実にショートドラマ業界のコンテンツエコシステムを変化させていくでしょう。将来的には、ユーザーはAIの関与度が高い人気ショートドラマに対し、当初の驚きや好奇心から「当たり前」と感じるようになり、最終的には人間が作ったものとAIが作ったものの区別がますます難しくなるかもしれません。

まとめ

中国で急速に台頭するAI実写ショートドラマは、まだ技術的な課題を抱える探索段階にありますが、その革新性と市場での成功は、映像制作業界に大きな変革をもたらす可能性を示しています。制作コストの削減、スピードアップ、そしてクリエイターの裾野拡大は、日本の映像制作業界にとっても見過ごせないトレンドとなるでしょう。

単なる技術的な進歩にとどまらず、コンテンツのあり方、クリエイターの役割、そして視聴体験そのものを再定義するこの動きは、今後のエンターテインメントの未来を占う上で非常に重要です。人間とAIが協創する、あるいは競合する新たな映像制作の時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。

元記事: pedaily

Photo by Kyle Loftus on Pexels

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