23歳にしてOpenAIを追放された若き天才が、わずか1年でウォール街を震撼させる存在となりました。彼が立ち上げたAI特化型ファンド「Situational Awareness」は、半年で驚異の47%というリターンを達成。これはウォール街の平均を700%も上回る数字です。
なぜ彼はこれほどの成功を収められたのか?彼の壮大なAIビジョンと、OpenAI追放の真相、そしてAI時代の新たな投資の形を探ります。
若き天才、OpenAI追放からの逆襲
2000年代生まれのLeopold Aschenbrenner(レオポルド・アシェンブレナー)氏、弱冠23歳。かつてはAI研究の最前線、OpenAIの「Superalignment(超アライメント)」チームに所属し、Ilya Sutskever氏の指導の下でAIの安全性に取り組んでいました。
しかし、2024年4月、OpenAI内部のセキュリティ脆弱性に関する情報漏洩を理由に、彼は会社を追放されることになります。失意のどん底に突き落とされたかに見えたこの若者は、しかしそこから劇的な「逆襲」を始めました。
解雇からわずか1ヶ月後、Leopold氏はサンフランシスコでAI特化型ヘッジファンド「Situational Awareness」を設立。そして、その設立からわずか半年で、ファンド規模は15億ドル(約2,300億円)を突破。さらに驚くべきは、今年上半期のリターン率が47%に達したことです。これは同期のS&P500指数(配当込み)の約6%、ハイテク特化型ヘッジファンドの平均7%と比較しても桁違いであり、ウォール街の平均を実に700%も上回る驚異的な数字です。
「ALL in AI」:AGIを見据えた壮大な投資戦略
Leopold氏のファンドがこれほどのリターンを叩き出した背景には、極めてシンプルかつ大胆な投資戦略があります。それは文字通り「ALL in AI」。
彼の投資ポートフォリオは、AI半導体、AIインフラ、AI関連エネルギー企業に集中。さらに、Anthropicのような将来性のあるAIスタートアップ企業にも少数投資を行っています。AIが世界を根本的に変革するという確固たる信念に基づき、その進化の恩恵を最大限に享受する企業群に資金を投じているのです。
リスクヘッジとしてのショートベット
また、Leopold氏は単なるAIへの「買い」だけでなく、巧妙なリスクヘッジも計画しています。AIの進化によって淘汰される可能性のある一部の産業に対しては、小規模な空売り(ショートベット)を行うことで、潜在的なリスクを相殺しようとしています。
豪華な支援者たち
彼のファンドには、数々の著名な投資家が名を連ねています。決済大手Stripeの創業者であるPatrick Collison氏とJohn Collison氏の兄弟、MetaのAIチームを率いるDaniel Gross氏、そして元GitHub CEOのNat Friedman氏といった、錚々たる大物たちがLeopold氏のビジョンに賛同し、出資しています。Peter Thiel氏が設立したファンドの元研究責任者であるCarl Shulman氏も、研究統括としてファンドに参加しており、その陣容はまさに「AIの頭脳集団」と言えるでしょう。
「2027年AGI実現」:未来を見通すビジョン
ファンド名である「Situational Awareness」は、Leopold氏がOpenAI追放後に発表した、165ページにわたるレポートのタイトルでもあります。このレポートの中で彼は、「AGI(汎用人工知能)は2027年までに実現する」と豪語し、世界に衝撃を与えました。
この自信に満ちたビジョンこそが、彼の投資戦略の根幹をなしています。彼はかつて、「我々はニューヨークの資金運用者よりも優れた『状況認識』(Situational Awarenessの同義語)を持っている。投資において我々は非常に優れた成果を出すだろう」と公言しており、その言葉通り、彼のファンドは目覚ましい成功を収めているのです。
OpenAIとIlya Sutskeverとの因縁
Leopold氏の経歴は、その大胆な発言だけでなく、OpenAIとの深い因縁も注目されます。ドイツ出身の彼はコロンビア大学で数学、統計学、経済学の3つの学位を取得後、OpenAIに入社。AIの安全性確保を目指すSuperalignmentチームで、OpenAIの共同創業者でありチーフサイエンティストであったIlya Sutskever氏の指導を受けていました。
しかし、彼の解雇後、Superalignmentチームは解散。そして、彼を指導していたIlya Sutskever氏もOpenAIを退社するという、一連の動きが続きました。Leopold氏の「Situational Awareness」レポートの最後には、Ilya Sutskever氏への献辞が記されており、二人の間に特別な絆があったことを示唆しています。
まとめ:AI時代の新たな投資とリーダーシップ
OpenAIを追放された若き天才、Leopold Aschenbrenner氏の物語は、単なる逆転劇に留まりません。彼の成功は、AGIの到来を確信し、その未来に賭ける大胆なビジョンと、それを実現する実行力がいかに重要であるかを示しています。
彼の「ALL in AI」戦略は、AIがもたらす産業構造の変革を捉え、既存のウォール街の常識を打ち破る可能性を秘めています。今後、AI技術が社会に与える影響が拡大するにつれて、Leopold氏のような若手リーダーや、彼のファンドのようなAI特化型投資が、世界の経済とテクノロジーの未来を形作っていくことは間違いありません。
元記事: pedaily
Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels












