中国で電気自動車(EV)の普及が急速に進む中、新たな社会問題が浮上しています。EVはガソリン車よりも重量がある傾向にあり、道路への負荷が増大。その一方で、EVは燃料税の対象外であるため、道路維持費の財源が深刻な危機に瀕しているのです。現在、中国の有料道路全体で6000億元(約12兆円)を超える赤字が出ており、この財源不足を解消すべく、ガソリン車とEV、双方に公平な新たな課税システムの導入が喫緊の課題となっています。
EV普及が招く道路維持費の財源問題
中国では過去12年間で、新エネルギー車の平均重量が約400kg増加しました。EVの大型化は世界的なトレンドですが、これは道路への負担増を意味します。しかし、ガソリン車が燃料税を通じて道路維持に貢献する一方、EVはこの税制の枠外にあり、公道を利用しながらも維持管理費への貢献がほとんどないのが現状です。
国内メディアの最新データによると、現在中国の有料道路全体の収支は、すでに6000億元(約12兆円)以上の赤字を抱えています。このうち、道路維持部門の資金不足が全体の50%を占めるという深刻な状況です。現行の通行料収入だけでは、有料道路の全ライフサイクルに必要な支出の半分にも満たず、累積する債務と利息が、元々逼迫していた道路維持資金をさらに圧迫しています。
中国が模索する新たな課税モデル
この問題にいち早く直面し、対策を講じているのが海南省です。海南省は中国で初めて全ての有料道路料金所を撤廃し、燃料附加税(ガソリン税に相当)方式を導入しました。しかし、EVの普及率が全国トップである同省では、燃料車が減少したことで燃料附加税の税基盤が急速に縮小。道路維持資金の確保が大きな課題となっています。
これに対し海南省は、走行距離課金モデルに類似した自由流動型課金技術の応用実証プロジェクトを進め、新たな資金調達方法を模索しています。業界全体でも、ガソリン車とEVに対する「二元課金」、走行距離に応じた課税、さらには「走行距離と車両重量」を組み合わせた総合課税メカニズムの導入を求める声が強まっています。全ての道路利用者を対象とする新しい課金制度の導入は、もはや避けられない潮流となっています。
まとめ:日本への示唆と今後の展望
今回の中国の道路維持資金問題は、EVの急速な普及に伴う社会インフラへの影響という点で、日本を含む世界各国が直面しうる共通の課題と言えるでしょう。単なる増税ではなく、異なる車種間の公平性を確保し、持続可能な交通インフラを維持するための制度改革が求められています。
特に日本では、EV普及の本格化に先立ち、このような財源問題や課税の公平性について議論を深めることが重要です。中国がどのような解決策を見出すか、その動向は日本のモビリティ社会の未来を考える上で、貴重な示唆を与えてくれるはずです。
元記事: mydrivers
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