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マセラティが中国で「破格EV」を販売!老舗ブランドは復活の道を歩めるのか?

Maserati EV Maserati China - マセラティが中国で「破格EV」を販売!老舗ブランドは復活の道を歩めるのか?

イタリアの高級車ブランド、マセラティが中国市場で驚きの販売戦略を展開しています。純電動SUV「グレカーレ」が破格の35万元台(日本円で約700万円台後半、※1元=約20円で換算)で販売され、わずか数日で数十台が完売寸前となるほどの人気を集めました。この一時的な販売好調は、高級ブランドのEVシフトにおける新たな成功事例となるのでしょうか?それとも、その背後にはブランドが抱える深い苦悩と、アイデンティティを巡る長い歴史があるのでしょうか。本記事では、このニュースの背景を深掘りし、マセラティの現在地と未来の展望を考察します。

中国市場でマセラティが「復活」の兆し?破格のEV販売戦略

純電動グレカーレ、まさかの30万元台で大ヒット

最近、中国のマセラティディーラーから、純電動SUV「グレカーレ」の破格のプロモーションが発表され、自動車業界で大きな話題となりました。価格はなんと35.88万元からというもので、これは通常の高級EVと比較しても非常に挑戦的な価格設定です。例えば、アウディe-tronやメルセデス・ベンツEQシリーズといった同価格帯の純電動車は、そのデザインが「従来の豪華ブランドの気品を失っている」と評されることも少なくありません。

一方で、ポルシェ・マカンEVのように比較的一般的なデザインのモデルでも、市場投入価格は50万元以上となります。また、中国国内の新興EVメーカーの車両と比べても、マセラティのような独特の識別度を持つ外観デザインのEVは稀有です。純電動グレカーレのプラットフォームは旧世代の400Vアーキテクチャではあるものの、中国のことわざで言うところの「痩せてもラクダは馬より大きい」(=たとえ落ちぶれても、元々の格は高い)という心理が働き、消費者はこのチャンスに飛びつきました。

マセラティの販売情報によると、この数日の間に、限定70〜80台の特価車両がすでに半分以上売れており、地元だけでなく遠方からの顧客も多く注文しているとのこと。ディーラー側は喜びを隠せない様子です。

「微商」は本当にマセラティを傷つけたのか?

しかし、筆者はこの一時的な熱狂に冷静に水を差します。「マセラティが好転する可能性はあるが、マセラティのブランド全体が好転するのは難しい」と指摘しています。元記事のタイトルにある「微商がマセラティを殺したのか?」という問いかけに対し、かつてWeChat(微信)上の個人販売業者(「微商」と呼ばれる、中国特有のソーシャルEC事業者)が多くのブランドに影響を与えたのは事実ですが、それはマセラティに限った話ではありません。

また、マセラティがグローバルな高級ブランドである以上、中国市場だけに頼って生き残れるものではない、と筆者は断じています。では、なぜマセラティはこのような苦境に陥ったのでしょうか。その答えを探るには、ブランドの歴史を紐解く必要があります。

「三叉の矛」の苦難の歴史:高級ブランドのアイデンティティを巡る旅

レーシングブランドからGT、そして大衆化の波へ

1914年に設立されたマセラティは、その最初の40年間、アウディ、メルセデス・ベンツ、フェラーリと肩を並べるレーシングブランドでした。たとえ後にレース界から徐々に距離を置くようになっても、常に豪華なGTカーの製造にこだわり続けました。

しかし、マセラティのブランドアイデンティティは、その歴史の中で幾度となく揺らぎます。5番目のオーナーであるイタリア人レーサー兼実業家のアレハンドロ・デ・トマソ氏がブランドを買収した時期は、石油危機の真っ只中でした。大排気量のスポーツカーが売れなくなった時代にあって、彼はマセラティをより「親しみやすいブランド」へと再定義し、革新的な「Biturbo(ビトゥルボ)」モデルを発表。これにより、瀕死の状態だったマセラティは一時的に息を吹き返しました。

しかし、このBiturboは17年間もの長きにわたり製造され続け、デ・トマソ氏統治下のマセラティは、その豪華ブランドとしての本質を失っていきます。品質管理の悪評も残り、結果としてマセラティは再び閉鎖の危機に瀕してしまいます。

フィアット、そしてフェラーリへの託宣

次に手を差し伸べたのはフィアットグループでした。1993年、フィアットは瀕死のマセラティを買い取ります。「イタリアがイタリアを助ける」という思いがあったものの、小型車の製造を得意とするフィアットにとって、長年の積年の問題を抱えるマセラティは本当に手に負えない存在でした。

しかし、マセラティには幸運がありました。フィアットは、かつてマセラティのライバルだったもう一つの高級ブランド、フェラーリを傘下に持っていたのです。フィアットは「救えないなら、いっそのこと丸ごと刷新してしまおう」と考え、1997年、所有していたマセラティの株式を、独立して運営していたフェラーリへと譲渡しました。フェラーリは、マセラティの歴史において最も重要な…。

まとめ:マセラティの未来と高級EV市場の行方

記事はここで途切れていますが、マセラティがフェラーリの傘下に入ったことが、ブランド再建の重要な転換点となったことは想像に難くありません。

今回の中国市場での「純電動グレカーレ」のヒットは、マセラティにとって一時的な光明となるかもしれません。しかし、高級ブランドとしてのアイデンティティを維持しつつ、急速に進むEV化の波に対応し、激しい価格競争が繰り広げられる中国市場で持続的な成功を収めることは容易ではありません。一時的な割引販売による販売台数の増加は、ブランド価値の希薄化に繋がるリスクもはらんでいます。マセラティが、その苦難の歴史を乗り越え、EV時代に「三叉の矛」の輝きを再び放つことができるのか、今後の動向が注目されます。

元記事: pedaily

Photo by Mike Bird on Pexels

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