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中国SLG「率土之濱」がeスポーツの常識を覆す!万人規模の戦略バトルと「人との絆」

Esports strategy game Massive strategy game - 中国SLG「率土之濱」がeスポーツの常識を覆す!万人規模の戦略バトルと「人との絆」

中国で絶大な人気を誇るSLGゲーム『率土之濱(りつどしひん)』が、従来のeスポーツの概念を覆し、新たなムーブメントを巻き起こしています。サービス開始から6年、同作は単なる戦略ゲームの枠を超え、プレイヤー同士の深い絆とコミュニティを築き上げる「SLG eスポーツ」を定義しました。ゲーム内での「史官」というユニークな役割や、課金要素を完全に排除した「青春校友賽」など、その革新的な取り組みは日本のゲーマーや業界関係者にとっても示唆に富むでしょう。本記事では、中国が育んだこの独自のeスポーツ文化に迫ります。

独自の進化を遂げたSLG eスポーツ『率土之濱』

「ゲームは人と人をつなぐもの」――この理念を『率土之濱』ほど体現しているタイトルは少ないかもしれません。中国では、このゲームのプレイヤーたちはデジタル世界で真の感情的な絆を築き上げています。

「史官」文化が支える深み:ゲームを超えたコミュニティ形成

会社勤めの「四哥」は、仕事が終わると日課として球場で汗を流し、帰宅後は休む間もなく『率土之濱』の公式生放送にゲスト出演。その後は盟主たちとのチャットで今日の戦況を記録する「史官」としての業務に没頭します。彼の生活は、まるでゲームと現実が一体化したかのようです。今年で史官歴6年になる四哥は、毎日5~6時間をこの活動に費やし、資料整理、動画編集、会議、そして各同盟への戦況聞き取りなど、多岐にわたるタスクをこなします。彼にとってこれは「もはや仕事のようなもの」でありながら、「何よりもゲームへの愛が原動力」だと言います。

「史官」とは、SLGゲームにおいて各サーバーの戦況を克明に記録し、時には「小道消息(インサイダー情報)」も伝えるプレイヤーたちの自称です。彼らの存在は、ゲーム内の出来事を単なる戦闘記録に留めず、歴史として紡ぎ、プレイヤー間の共通認識と物語を形成する上で不可欠です。

課金要素なし!万人規模の戦略バトル「青春校友賽」

『率土之濱』は2020年から「招待賽」と名付けられたeスポーツ大会を開催し、今年で5回目を迎えました。初期の大会は、全サーバーのトッププレイヤー2100人が参加するハイレベルなもので、公平性を保つために課金要素(虎符ガチャ、戦法経験変換など)は使えなくされていました。プレイヤー「傲雪」が当時を振り返り「参加するだけで玉(ゲーム内通貨)がもらえるのが魅力だった」と語るのは、少年らしい余裕の表れです。実際には、参加には厳しい選考が必要でした。

しかし、大会が進むにつれて運営は参加への門戸を広げ、同盟単位から小規模チーム、そして最終的には個人単位での参加を可能にしました。これにより参加者は当初の2100人から万人規模へと大幅に拡大しましたが、同時に「試合の質が低下した」という課題も浮上しました。

そこで運営が打ち出したのが、新たなeスポーツの形「青春校友賽(青春同窓生トーナメント)」です。2024年に始まったこの大会は、課金要素を完全に排除し、学信網(中国の学歴認証機関)による認証を受けた学生が個人で登録し、学校単位でチームを組みます。2025年の大会ではさらに参加ハードルを下げ、10万人規模のプレイヤーが同じサーバーで競技するまでに至りました。

「青春校友賽」では、プレイヤーの武将や資源が均等化されるため、個人の武力差は出にくい構造です。勝利の鍵を握るのは、もっぱら指揮系統の采配、チームの実行力、そして純粋な戦略です。南京航空航天大学でAIを学ぶ博士課程の学生「長風」は、この校友賽で学内の掲示板を通じてチームメイトを募集。学友だけでなく、大学の教師も加わり、ゲームを通じて新たなコミュニティを築いたと言います。

ゲームが「人」を繋ぐ:SLG eスポーツが描く未来

『率土之濱』が6年間かけて築き上げたSLG eスポーツのモデルは、従来のeスポーツが持つ「競技性」に加えて「つながり」という新たな価値を付加しています。単に腕を競い合うだけでなく、史官が歴史を紡ぎ、同盟員が協力し、そして青春校友賽を通じて学校の友人や教師と絆を深める――ゲームが提供するのは、デジタル世界での深い人間関係と、そこから生まれる物語です。

課金要素を排し、純粋な戦略とチームワークに焦点を当てた大規模な大会形式は、日本のゲーム開発者やeスポーツ主催者にとっても、新しい体験価値を創造する上での重要なヒントとなり得るでしょう。中国市場におけるこのような独自の進化は、世界のeスポーツシーンに新たな多様性と可能性を示しています。単なる「観る」eスポーツを超え、参加し、絆を深め、自身の物語を紡ぐ「SLG eスポーツ」は、今後のゲームのあり方に大きな影響を与えるかもしれません。

元記事: chuapp

Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels

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