2025年10月21日付けの報道によると、史上最大級のレバレッジド・バイアウト(LBO)とされる、エレクトロニック・アーツ(EA)の550億ドル規模の非公開化の詳細が徐々に明らかになりつつあります。この桁外れの買収劇には、ドナルド・トランプ元大統領の娘婿やサウジアラビア資本が関与していると報じられ、単なる企業買収の枠を超えた国際的な「政経大戦」の様相を呈しています。しかし、その裏側でEAには200億ドルという巨額の債務がのしかかり、大規模な人員削減や資産売却の懸念が浮上。一方で、新作『バトルフィールド6』は記録的な大ヒットを飛ばしており、この光と影が交錯するEAの未来に、世界中のゲーマーとビジネス界が注目しています。
EA、史上最大のLBOで非公開化へ
今回のEA非公開化の総額は驚きの550億ドル(日本円で約8兆円)に上ります。この巨額買収の内訳は、買収を主導する財団が360億ドルを拠出し、残りの200億ドルはEA自身が債務として抱え込む形となります。この200億ドルの債務は、EAの将来のキャッシュフローを使って年々返済していく計画です。
巨額債務がEAの経営を圧迫する懸念
しかし、最新の財務報告によると、EAの現在の総資産は117億ドル、総債務は56億ドルです。この買収が完了すると、EAの負債比率は170%以上に跳ね上がる見込みで、これは一般的に健全とされる企業の負債率をはるかに超える危険水域です。この200億ドルの債務にかかる年間利息だけでも、アメリカの現在の金利水準では12億ドルに達すると予測されています。
この重い利息負担と巨額債務を乗り切るため、EAは今後、大規模な資産売却や、コスト削減と利益率向上のための大規模な人員削減に踏み切る可能性が高いとGameLookは報じています。その削減規模は20〜30%、最大で5000人に達する可能性も指摘されており、従業員の間では既に強い反対の声が上がっています。
『バトルフィールド6』の大ヒットがもたらす光と影
こうした厳しい経営状況の影で、EAにとって唯一の「好材料」となっているのが、10月初旬に発売された新作『バトルフィールド6』の驚異的な成功です。発売初日にはSteamだけで同時に74万人以上のプレイヤーが接続し、その後もSteamでのデイリーアクティブユーザー数は毎日230万〜250万人を維持。PlayStation版などを含めれば、その人気はさらに絶大なものと推測されます。この記録的なヒットは、一時的にEAの財務状況を潤し、買収後の債務返済に一定の貢献を果たす可能性を秘めています。
しかし、『バトルフィールド6』の成功だけでは、200億ドルという巨額の債務とその年間12億ドルの利息負担という根本的な問題を解決するには至りません。ヒット作の収益は、人員削減や資産売却といった厳しい選択を先延ばしにするかもしれませんが、本質的な経営構造改革は避けられないでしょう。
まとめ:ゲーム業界に広がる政経の波紋
EAの巨額LBOは、単なるゲーム業界の再編という枠を超え、国際的な政治経済の力学が色濃く反映された事例として注目されています。トランプ氏の娘婿やサウジアラビア資本の関与、そして「売国」との批判や従業員の強い反対の声は、現代のグローバルビジネスにおける資金調達と企業買収の複雑な側面を浮き彫りにしています。
今後、EAは巨額の債務を背負いながら、いかにして競争力を維持し、新たな成長戦略を描いていくのかが問われます。大規模な人員削減が実施されれば、ゲーム開発現場に大きな影響を与え、将来の作品の質にも影響を及ぼす可能性があります。今回のEAの動向は、日本のゲーム業界にも、国際的な資本の動きや、ハイリスクなM&Aが企業経営に与える影響について深く考えるきっかけとなるでしょう。政財界が絡み合うこの買収劇の結末は、ゲーム業界の未来を大きく左右するかもしれません。
元記事: gamelook












