ゲーム好きが高じて、いつしかゲームが楽しめなくなってしまう…そんな経験はありませんか？中国の著名ゲームメディア「触乐（Chuapp）」が提唱する「電子感冒」、通称「デジタル風邪」は、現代社会でデジタルデバイスと深く関わる多くの人々が経験するであろう、精神的なスランプを指します。まるで風邪のように、この「デジタル風邪」にもはっきりとした兆候があり、やがて回復へと向かう道筋があると言います。今回は、筆者である姚楚杉氏の体験談を元に、この「デジタル風邪」とは何か、そしてどのように乗り越え、再びゲームを楽しむ心を取り戻すのか、日本の読者の皆さんにも分かりやすくご紹介します。
「デジタル風邪」に潜む兆候とは？
「デジタル風邪」は、突然襲いかかるものではなく、まるで本当の風邪のように、徐々にその症状が現れます。筆者もまた、その予感を感じている一人だと言います。
ゲームが楽しめない、そしてSNSへ…
最初の兆候は、これまで熱中していたゲームに集中できなくなり、一度のプレイ時間が自然と短くなることです。物語の続きや次のステージが気になりつつも、なぜか体が言うことを聞かず、無意識のうちにスマートフォンを手に取ってしまいます。そして、中国版Instagramとも言える「小紅書（Xiaohongshu）」や、日本でもお馴染みの「抖音（Douyin/TikTok）」といったSNSを延々とスクロールしてしまうのです。筆者自身、それらのSNSコンテンツは「退屈」だと感じているにもかかわらず、より面白いはずのゲームを差し置いて、価値のない断片的な情報で頭の中を埋め尽くしてしまうと語ります。
精神的な葛藤と奇妙な感覚
さらに症状が進むと、不快感を我慢してゲームを開こうとしても、それが非常に困難になります。筆者の中には「ゲームを楽しみたい自分」と「すべてから逃れたい自分」という二つの自己が葛藤し、精神空間を破壊し合うかのようだと表現しています。重症化した際には、短時間のめまいを感じたり、実際には聞こえていないはずの奇妙なノイズを「感じる」ことすらあったそうです。これは、まるで幼い頃にテレビが故障した時の「砂嵐画面」のように、脳内で直接発生する「ノイズ」のイメージだと述べています。
「デジタル風邪」の原因と回復への道筋
これは決してゲームへの興味を失ったわけではありません。筆者は、精神的な消耗が大きい活動には不向きな時期なのだと推測しています。友人のようにゲームをストレス解消の手段とする人もいますが、筆者にとっては、内面にストレスを感じているとゲームを心から楽しむことができないのです。つまり、この「デジタル風邪」の根本的な原因はストレスにある、と筆者は分析します。
回復は「休息」から
現実の問題が解決したとしても、混乱した不安定な状態から抜け出すには時間がかかります。しかし、幸いなことに「デジタル風邪」は、一般的な風邪と同じく、必ず回復します。筆者もまた、これまでの「デジタル風邪」で完全に打ちのめされたことはないと言います。回復の過程そのものが、ある種の癒やしをもたらしてくれるのです。
「デジタル風邪」からの回復処方箋
ある日、目覚めると前夜よく眠れたと感じ、仕事や生活の悩みが頭をよぎる前に、ふと『あつまれ どうぶつの森』のどうぶつたちの様子が気になり始める—そんな瞬間が、回復の兆しです。気づけばゲーム機が手元にある、というのは多くのゲーマーが共感できるのではないでしょうか。
まるで風邪が治りかけの食事が、薄味のものから徐々に通常に戻るように、「デジタル風邪」からの回復期も、まずはシンプルで心安らぐゲームから始め、徐々に対戦要素や挑戦的なゲームへと移行していきます。この回復のパターンを知っているからこそ、筆者は「デジタル風邪」の兆候を感じても、決して慌てることはないと言います。やがて、ゲームの王国が再び自分を温かく迎え入れてくれることを知っているからです。
まとめ：デジタル疲れと上手に付き合う
姚楚杉氏の「デジタル風邪」の経験談は、現代社会を生きる私たちにとって、非常に示唆に富んでいます。SNSの普及により、常に情報に晒され、デジタルデバイスと切っても切り離せない生活を送る中で、知らず知らずのうちに精神的な疲労が蓄積されているのかもしれません。ゲームという楽しい活動でさえ、時に精神的な負担となりうることが示されました。
しかし、重要なのは、この状態が一時的なものであり、適切な「休息」と「回復のプロセス」を踏むことで必ず乗り越えられるということです。自分の心身の状態に耳を傾け、無理せず、自分なりの「デジタル風邪」の回復処方箋を見つけること。それは、デジタル社会をより豊かに、そして健やかに生きるための大切なヒントとなるでしょう。
元記事: chuapp
