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中国MMORPG『剣網3』、プレイヤーが千里を越えて集う「吃粮节」の熱狂

Chinese MMORPG Gaming community event - 中国MMORPG『剣網3』、プレイヤーが千里を越えて集う「吃粮节」の熱狂

中国で絶大な人気を誇るMMORPG『剣侠情縁網絡版参』(通称:剣網3、JX3)のプレイヤーたちが、運営元である西山居の拠点、珠海の金山ソフトウェア園に中国全土から集結しました。開催されたのは、年に一度の特別なファンイベント「吃粮节(糧食祭り)」。ただ食事をするだけでなく、ファンが制作したオリジナルグッズ「無料」を交換し、ゲームへの愛を分かち合う一大イベントです。このイベントは、プレイヤーと運営の距離の近さ、そしてゲームを起点に生まれた豊かな同人文化が融合し、まるでプレイヤーにとって「家に帰る」かのような温かいコミュニティを形成しています。なぜ彼らははるばる海を越え、この「祭り」に集まるのでしょうか? その熱狂の裏側に迫ります。

中国MMORPG『剣網3』が紡ぐ、プレイヤーと運営の特別な絆

「剣網3」は、その濃厚で活発な同人文化と、プレイヤーと開発・運営元である西山居との距離の近さから、非常にユニークなゲームとして知られています。この特別な関係性が、「剣網3」独自の楽しくて愛情深いコミュニティを作り出しているのです。

「吃粮节」とは? プレイヤーが遠方から「帰る家」

今回、金山ソフトウェア園で開催された「吃粮节」は、まさにこの「家」のような雰囲気をプレイヤーに提供する場でした。参加者たちは中国各地から珠海へ集結。異なる方言を話す人々も、「剣網3プレイヤー」という共通のアイデンティティとゲームへの熱い思いで結ばれ、まるで家族の年越しを祝うかのように、一足早く新年を迎えました。

イベントでは、一般的な家庭料理に「村長のおもてなし宮保鶏丁」や「稲香村 手に入らないパイナップルご飯」といった、ゲーム内キャラクターや地名にちなんだユニークな名前が付けられ、プレイヤーを楽しませました。さらに、このイベントの目玉は「吃粮(チーリャン)」、つまりファン活動の一環としての「糧食(作品やグッズ)消費」です。プレイヤーたちは自作の無料配布グッズ「無料」(日本の「無配」に近い概念)を互いに交換し、持参したバッグはあっという間に満杯になったといいます。

プレイヤーの情熱が会場を彩る! 事前準備から当日の盛り上がり

「吃粮节」は今回で2回目ですが、開催が発表されるやいなや、プレイヤーたちはすぐに準備に取りかかりました。昨年参加したプレイヤーはSNSに園内マップや攻略情報を投稿し、「サッカー場はキャリーケースには不向き」「食堂でクッキーがもらえる」といった親切なアドバイスまで共有。予約争奪戦に参加し、ファンアートやグッズを準備し、お気に入りのキャラクターのコスプレ衣装を新調するなど、各々が様々な期待を胸に珠海へと向かいました。残念ながら会場に来られないファンも、オンライン配信に張り付き、遠くからイベントを楽しんでいました。

西山居の本拠地である金山ソフトウェア園は、この時ばかりは「剣網3」一色のテーマパークと化します。「お帰りなさい」と書かれた巨大な垂れ幕や、各門派(ゲーム内の派閥)の旗が飾られ、プレイヤーは園内に入った瞬間から「家に帰ってきた」ような感覚を味わいました。当日は、朝早くから同人グッズ市「百貨早集」が賑わい、正午には各門派の衣装を身につけたプレイヤーたちが続々と集結。ゲーム内の「江湖(コウコウ)」が次元の壁を越え、現実世界に現れたかのような活気で溢れました。

ゲーム内「江湖」が現実世界に! 『剣網3』コミュニティの魅力

「吃粮节」での年越しは、無料交換や同人即売会、そして家族のような年越し料理が中心となり、プレイヤー間の交流を深める重要な機会となります。これらの活動は、「剣網3」の豊かな同人文化とプレイヤー主導の創造性を中心に設計されています。

ファン活動の祭典「吃粮节」で体験できること

イベント会場には、西山居が特別に設けた「無料交換エリア」と、交換されたグッズが飾られる「無料痛壁」が登場。手作りの品々、同人漫画、缶バッジなど、多種多様な無料が展示・交換されました。「無料交換」の魅力は、単なる自己表現だけでなく、同じ趣味を持つ仲間たちとの分かち合いにあります。園内を歩いていると、たとえ見知らぬ同士でも、同じ門派のプレイヤーと目が合えば、無料を手に自然と交流が生まれるほどです。好きなキャラクターを見つければ、一緒に写真を撮る光景も。「お互いの身元が分かっていれば、誰もが安心して善意を受け入れ、与え合うことができる」と、ある参加者はその様子を表現しています。

「吃粮节」は、そのユニークな発想から、一部のプレイヤーからは「本物の『剣網3』Onlyイベント」とも称されています。例えば「PPT乱講大会」では、プレイヤーがランダムに選ばれたPowerPointを使って、持ち前の発想力と話術で10分間の即興プレゼンを披露。朝の即売会から夜の年越し料理、そしてロマンチックなコンサートや花火まで、「家に帰る」というコンセプトに基づいた社交的な企画が満載で、プレイヤー同士の距離をあっという間に縮めます。イベントを終えたプレイヤーたちは、かけがえのないオフラインでの交流の喜びと、終わってしまうことへの名残惜しさを感じています。SNS上では、多くのプレイヤーが思い出深い動画や写真を共有し、この素晴らしいイベントからの「断ちがたい名残」を表現しています。

オンラインとオフラインが一体となった、唯一無二のコミュニティ

同人創作は、「剣網3」プレイヤーコミュニティの重要な柱です。これはプレイヤーの創造性だけでなく、運営の長期的なサポートがあってこそ成り立っています。絶え間ない同人創作と交流を通じて、「剣網3」プレイヤーの帰属意識はますます強固なものになっています。運営もまた、プレイヤーの嗜好やニーズに合わせて様々な交流の場を提供してきました。かつてのオンラインフォーラムから、現在流行のオフラインOnlyイベントへとその形を変えながら、交流の場は進化し続けています。

オンラインでは、ゲームと同人文化がプレイヤーを結びつける絆となっています。「なぜ『剣網3』の同人創作を始めたのか?」という人気のスレッドでは、多くのプレイヤーが似たようなきっかけを語っています。彼らのインスピレーションの源は、微博(ウェイボー)や掲示板、音楽プラットフォームに集まる初期の同人創作でした。あるプレイヤーは、同人音楽『千樽雪』を聴いて、絵を描き始めたと語っています。プレイヤーがコミュニティプラットフォームで同人作品を共有すると、常に他のプレイヤーからの励ましや反応を得られ、このような温かい雰囲気が同人活動の輪を広げる大きな要因となっています。「好きだからこそ、作り続けることができるんです」という言葉が、その熱意を物語っています。

「吃粮节」のようなオフラインイベントは、オンラインの「江湖」の物語を現実世界に引き継ぎ、「剣網3」が単なる同人活動の場に留まらず、共に楽しむ「同楽」の場でもあることを示しています。今回のイベントでは、いわゆる「社恐(人見知り)」のプレイヤーも、会場に来てみれば周りの人々と交流する動機が生まれ、最終的にはたくさんの無料グッズを手に入れて満足げに帰路につきました。

「吃粮节」の後、あるプレイヤーは「本当に実体版の『剣網3』の江湖に入り込んだようだった」と投稿しました。「花火が咲き誇るのを見た瞬間、生活で疲れた魂が温かくなった気がした」と。これこそが、多くの「剣網3」プレイヤーがはるばる珠海まで「年越し」にやってくる理由の一つかもしれません。

熱心で親切なプレイヤーたち、プレイヤーの声に耳を傾け交流の場を創造する運営、そしてゲーム世界と現実生活に広がる「江湖の煙火気(人々の活気)」……。これら全てが、『剣網3』という「侠(きょう)」の物語に、より多くの語り方と表現の形を与えているのです。

まとめ

かつてのオンラインフォーラム時代は思い出となり、私たちの生活様式も変化していますが、『剣網3』プレイヤーたちの創作と共有は決して消えません。それは新しい表現の場や展示形式を見つけ、より多様で、より生命力に満ちたものへと進化を続けています。

現在では、無料を準備してオフラインイベントに足を運び、丹精込めて作った作品を仲間と交換することが、プレイヤー同士が愛を表現し、喜びを分かち合う「吃粮」と「産粮(作品供給)」の友好的な交流方法となっています。『剣網3』の同人イベントや「吃粮节」を通じて、私は同人創作がプレイヤーにもたらす喜びと強い帰属意識を目の当たりにしました。この帰属意識こそが、『剣網3』プレイヤーが遠方からイベント会場に「年越し」に訪れる最大の理由なのです。なぜなら、ここでは彼ら全員が、『剣網3』を心から愛するプレイヤーだからです。そして、「剣網3」というIPが様々なシーンや、オンライン・オフラインでの熱心なプレイヤー間の交流を通じて具体化されることで、IP全体がリアルで立体的な存在へと変化していると言えるでしょう。

元記事: chuapp

Photo by Alef Morais on Pexels

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