先日、海外のテクノロジーメディア「快科技」が報じたところによると、TechEpiphanyが共有した2025年10月(※原文ママ)のAmazon米国CPU小売データで、AMDが圧倒的な市場優位性を確立していることが明らかになりました。特にゲーミング性能に特化したX3Dシリーズが爆発的な人気を博し、その販売台数はIntelの全CPUシリーズの合計に迫る勢い。高性能志向のゲーマーからコストパフォーマンスを重視する層まで、幅広いニーズを捉えたAMDの戦略が功を奏しているようです。
AMDが米国CPU市場で圧倒的な存在感を発揮
最新の市場データによると、AMDはAmazon米国におけるCPU市場で驚異的なシェアを獲得しています。総販売台数では52,800個を売り上げ、83.80%という圧倒的なシェアを記録。一方、Intelの全CPUモデルを合わせても販売台数はわずか10,200個に留まり、シェアは16.20%でした。売上においてもAMDは82.02%のシェアを占め、Intelを大きく引き離しています。
驚異の販売数を記録したX3Dシリーズ
AMDの躍進を牽引しているのが、優れたゲーミング性能で知られる「X3D」シリーズです。特に「AMD Ryzen 9 9800X3D」と「AMD Ryzen 7 7800X3D」は、それぞれ8,000個の販売台数を記録し、売上ランキングの上位を独占しました。驚くべきことに、これらの単一モデルの販売数が、Intelの全CPUプロセッサ合計販売台数に肉薄しているのです。これは、現在のゲーマーが「最高のゲーム体験」を求めてX3Dシリーズを積極的に選んでいる現状を如実に示しています。
Intelの苦戦:トップ10圏外と平均販売価格の逆転
対照的に、ここ数ヶ月間、IntelのCPUがAmazonの販売ランキングトップ10にランクインする姿は見られません。最も販売台数が多かったのは「Core i9-14900K」でしたが、その販売数はAMDの主要モデルには及びませんでした。
興味深いのは、AMDの平均販売価格(272.05ドル)がIntel(308.62ドル)を下回っている点です。これは、X3Dプロセッサの好調だけでなく、AMDがミドルレンジからローエンド市場でも強力な存在感を発揮しているためと考えられます。例えば、「Ryzen 5 5500」は5,000個近くを販売して全体で3位にランクイン。その6コア/12スレッド構成は、優れたエントリーレベルの選択肢として、IntelのCore i3シリーズの競合製品を大きく凌駕しています。
AMD躍進の背景:二極化する市場ニーズへの対応
今回のデータは、現在のPCユーザー、特にゲーマーの購入決定が二極化していることを示唆しています。一つは、X3Dシリーズのように「究極のゲーミング性能」を追求する層。もう一つは、Ryzen 5 5500のような「高いコストパフォーマンス」を求める層です。AMDはこれら二つの主要なトレンドを巧みに捉え、それぞれのニーズに合致する製品を提供することで、販売台数を大きく伸ばしています。
まとめ
AMDが米国AmazonのCPU市場で圧倒的なリードを築いている現状は、半導体業界における大きな転換点と言えるでしょう。特にゲーミング市場でのX3Dシリーズの成功と、ミドル・ローエンドでのRyzenの堅調な売れ行きは、AMDの製品戦略の正確さを示しています。今後、Intelがこの状況にどう対応し、市場シェアを取り戻すための策を講じるのか、そしてこのトレンドが日本のPC市場にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。ユーザーにとっては、より高性能で多様な選択肢が生まれることを期待したいところです。
元記事: gamersky












