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中国「万里長江第一トンネル」が最深部に到達!世界最長の海底道路トンネル

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「新万里長江第一トンネル」と称される中国の巨大インフラプロジェクト『長江河口海底トンネル』が、重要な節目を迎えました。その右側ルートが、水深75メートルの最深部に到達し、国産超大型シールドマシンによる海底掘削の深さで世界記録を樹立。全長39km、うち11km以上が海底トンネルとなるこの世界最長の道路用海底シールドトンネルは、完成すれば移動時間を10分以内に短縮し、地域経済に大きな恩恵をもたらします。今回は、この壮大なプロジェクトの画期的な進捗と、それを支える高度な技術に迫ります。

世界最長!「長江河口海底トンネル」とは

「長江河口海底トンネル」は、長江の河口に位置し、北は南通海門、南は蘇州太倉を結ぶ、中国の重要な交通インフラプロジェクトです。総延長は39.07キロメートルに及び、そのうち海底トンネル部分は11.185キロメートルにも達します。これは、現時点で世界最長の道路用海底シールドトンネルとしてギネス記録を更新する規模です。

プロジェクトの概要と規模

このトンネルは、双方向6車線の高速道路規格で設計され、時速100キロメートルの走行が可能です。完成後には、現在渡河にかかる時間を大幅に短縮し、約10分以内で通過できるようになります。これにより、長江デルタ地域の交通利便性が飛躍的に向上し、地域の経済発展に大きく貢献すると期待されています。

世界記録更新!最深部到達の快挙

2024年5月3日、右側ルートの掘削工事において、シールドマシン「江海号」が長江河口の地下75メートルという最深部に到達しました。これは、国産16.6メートル級超大型シールドマシンが水中掘削で達成した最深記録であり、中国の建設技術における画期的な成果を意味します。この右側ルートのシールド区間は、中国鉄建十四局が建設を担当し、全長9315メートルに及びます。使用されたシールドマシン「江海号」は、開削直径16.64メートル、重量5000トンという巨大な国産機です。

困難な地質と革新的な技術

シールドマシンは2025年4月に発進し、同年9月には長江の水域に進入しました。約13ヶ月をかけて、平均1日16メートルの速度で掘削を進め、5316メートルの掘削任務を完了して最深部に到達しました。工事は世界レベルの技術的挑戦に直面しました。特に、水深75メートルの最深部では、約0.75MPa(約7.5kg/cm²)という超高水圧に耐える必要がありました。また、掘削経路は変動する粘土質、砂層、中程度の粗砂層など、複雑な地質で構成されており、「水中地質博物館」と称されるほどでした。

こうした困難な状況に対し、プロジェクトチームはスマート監視システムや泥水比率連動制御といった革新的な技術を導入しました。これにより、シールドマシンの姿勢をミリメートル単位で正確に調整し、掘削の安全性を確保することに成功しています。現在、左側ルートでも「中鉄号」シールドマシン(開削直径16.66メートル)が3000メートル以上の掘削を終え、同様に最深部へ向けて工事が進められています。

今後の展望と中国インフラの挑戦

この巨大プロジェクトは、2027年にトンネルの貫通、そして2028年の開通を目指しています。長江河口海底トンネルの完成は、長江デルタ地域の交通網を強化し、経済成長をさらに加速させるでしょう。今回の最深部到達は、中国が巨大インフラ建設において、高度な技術力と困難を乗り越える実行力を持っていることを示すものです。

日本を含む世界の建設業界にとって、このような大規模かつ先進的な技術を要するプロジェクトの進捗は、常に注目すべき動向です。特に、超大型シールドマシンの運用や複雑な地質条件への対応技術は、将来の国際的なインフラプロジェクトにおける技術競争力を考える上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。

元記事: pconline

Photo by Max Mishin on Pexels

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