中国の半導体スタートアップCloudPulse Chip(云脉芯联)が、シリーズAラウンドで5億元(日本円で約100億円)を超える大型資金調達を完了したと発表しました。この資金調達は、中国の主要な投資機関である上海科創集団(Shanghai Sci-Tech Group)が主導し、複数の有力ベンチャーキャピタルが参加しました。2021年5月に設立された同社は、AIスマートコンピューティングとクラウド基盤向けネットワーク相互接続チップの設計・開発に注力しており、特に2024年に量産を開始した国産初の400Gbps RDMA高性能ネットワークチップ「YSA-100」で注目を集めています。今回の資金調達により、製品開発と事業化を加速させ、中国のデジタルインフラを牽引する存在となることが期待されます。
中国高性能ネットワークチップの新星「CloudPulse Chip」とは
CloudPulse Chipは、スマートコンピューティング、特にAIやクラウドコンピューティングの急速な発展を支える基盤技術として、高性能ネットワークチップの開発に取り組んでいます。彼らが提供するのは、クラウドからエッジコンピューティングまで、幅広いデジタルインフラに対応する高効率なネットワーク製品とソリューションです。
画期的な「YSA-100」チップの登場
同社のフラッグシップ製品である「YSA-100」は、2024年に正式リリースされ、すでに量産体制に入っています。このチップは、中国国内で初めて400GbpsのRDMA(Remote Direct Memory Access)機能をサポートする高性能ネットワークチップであり、スマートコンピューティングセンターやクラウドデータセンターに不可欠な高速ネットワークアクセス機能を提供します。その優れた性能とエコシステムへの高い互換性により、YSA-100はすでに複数のスマートコンピューティングセンターで実際に利用され、確かな実績を築いています。
汎用・AIコンピューティング市場での実績と展望
CloudPulse Chipは、多数のインターネット企業や通信事業者と協力し、汎用コンピューティングやAIコンピューティングといった多様なシナリオでの深い連携を進めています。具体的には、汎用コンピューティング向けの製品である「metaScale-200」は、すでに複数のインターネット企業で実証実験と導入が完了し、大量展開の段階に入っています。また、AIコンピューティング向けの「metaConnect-400」は、プロトコル最適化をサポートし、複数の国産GPUとの適合作業も完了しており、大規模なオンライン展開に向けて推進されています。
同社は、国産スマートコンピューティングセンター市場の開拓にも積極的です。AIコンピューティングにおけるストレージとパラメータ領域で大きなブレークスルーを達成し、多くの重要なプロジェクトを受注。複数の研究所との深い協力関係を構築することで、製品開発力と事業化能力の高さを証明しています。
大型資金調達の背景と今後の戦略
今回の5億元超のシリーズA資金調達は、上海科創集団が主導し、張江浩鼎(Zhangjiang Haoding)、深創投(Shenzhen Capital Group)、国中資本(Guozhong Capital)などが投資に参加しました。さらに、IDG、光速光合(Lightspeed China Partners)、雲九資本(Yunjiu Capital)、華強資本(Huaqiang Capital)といった既存株主も追加投資を行うなど、同社への期待の高さが伺えます。
この大型資金調達の完了は、CloudPulse Chipの製品開発と事業化プロセスを大幅に加速させるでしょう。中国では、AI技術の進化とデータセンターの需要拡大に伴い、高性能な国産半導体への投資が活発化しています。同社は、このような市場の追い風を受け、中国のデジタルインフラを支える重要なプレーヤーとしての地位を確立していくことが見込まれます。
まとめ:デジタルインフラを支える中国の技術力
CloudPulse Chipの今回の大型資金調達と、高性能ネットワークチップ「YSA-100」の市場投入は、中国が半導体、特にAIやクラウドコンピューティングの基盤技術において着実に技術力を高めていることを示しています。高性能ネットワークチップは、今後のAI技術の発展とデジタル社会の進化に不可欠であり、同社の動向は今後も注目されるでしょう。
日本企業にとっても、中国のこのような技術イノベーションと市場動向を注視することは、グローバルな競争力を維持し、新たなビジネスチャンスを探る上で極めて重要です。
元記事: pedaily












