中国の半導体業界で重要な動きがありました。国内のSub-FAB付属設備企業「浙江亜芯半導体設備有限公司」(以下、亜芯半導体)が、1億元(約20億円)を超える大型のBラウンド資金調達を完了したと発表しました。この資金は、製品の研究開発、生産能力の拡大、市場開拓、そして工場建設に充てられ、同社の今後の成長を大きく後押しする見込みです。特に、半導体製造に不可欠な排気ガス処理装置(Scrubber)などの分野で、国産化を推進する同社の動向は、世界の半導体サプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。
中国半導体サプライチェーンのキープレイヤー「亜芯半導体」
亜芯半導体は2014年に設立された国家ハイテク企業です。同社は、集積回路、ディスプレイ、光通信といった三大半導体分野に一貫して注力し、Sub-FAB付属設備の製品を提供しています。Sub-FAB付属設備とは、半導体製造工場のクリーンルーム(FAB)に付帯する、製造プロセスを支援し、環境を維持するために不可欠な周辺設備を指します。
主要な提供製品とソリューション
亜芯半導体が提供する主要な製品とソリューションは以下の通りです。
- 排気ガス処理装置(Scrubber):半導体製造プロセスで発生する有害な排気ガスを無害化する装置。
- 真空ポンプ設備:半導体製造における真空環境の維持に不可欠な装置。
- ヒーティングバンド設備:製造装置の温度管理に使用される設備。
- CMS中央統合システムソリューション:これら付属設備を一元的に管理し、最適化するシステム。
これらの設備は、微細な半導体プロセスにおいて、安全かつ効率的な製造環境を維持するために不可欠な存在です。
排気ガス処理装置(Scrubber)の技術的ブレークスルー
亜芯半導体は、業界で豊富な経験を持つ海外のトップ企業からの技術チームを統合し、Scrubber製品の技術的な障壁を成功裏に克服しました。その結果、同社は中国国内で初めて、ウェハ製造の全工程をカバーするScrubber設備の量産化を実現しました。
この成果により、これまで海外メーカーが支配的だった市場において、国産代替を迅速に進めることに成功しています。すでに長鑫集団(CXMT)、華虹集団(Hua Hong Group)、中芯微(SMIC関連会社)など、中国国内の大手ウェハ製造企業への大量出荷実績があり、その技術力と市場競争力を証明しています。これは、中国が半導体製造装置分野での自給自足を目指す上で、極めて重要な一歩となります。
大型資金調達とその戦略的意義
今回の1億元超のBラウンド資金調達は、中国の有力な投資機関が亜芯半導体の技術力と将来の成長性を高く評価した結果です。本ラウンドは、錫創投傘下の国聯新創と弘暉基金が主導し、金浦欣成、新尚資本、漢理資本、雲錦資本などの投資家が追随投資を行いました。
調達された資金は、主に以下の用途に充てられる予定です。
- さらなる製品研究開発
- 生産能力の拡大
- 市場開拓
- 工場建設
これにより、同社は技術的優位性をさらに強化し、国内外での市場シェア拡大を目指すとともに、中国の半導体産業におけるサプライチェーンの強靭化に貢献していくことでしょう。
まとめ
亜芯半導体の大型資金調達は、中国の半導体サプライチェーンの国産化を加速させる上で、極めて重要な意味を持ちます。特に、Scrubberのような高性能な付属設備の国産化は、外部依存度を減らし、安定した半導体生産体制を確立するための鍵となります。今後、同社の技術革新と市場拡大が、グローバルな半導体業界の勢力図にどのような影響を与えるのか、日本を含む世界各国が注目していくことでしょう。
元記事: pedaily
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