中国では、かつて夏に欠かせなかった「アイスクリーム」の売上が今年は激減しているという驚きの報道がされています。関連メディアによると、卸売業者の販売量は半減し、高級アイスクリームも値下げしても売れ残る状況。これは単なる企業の業績不振ではなく、消費者の夏の暑さ対策に関する消費習慣が大きく変化していることを示唆しています。一体、何がこの「アイス離れ」を引き起こしているのでしょうか?その背景には、気候変動、健康志向の高まり、そして新たな競合の台頭がありました。
アイスクリーム市場に「冷夏」到来?
例年とは違う「涼しい夏」
まず大きな要因として挙げられるのが、今年の気温です。一部地域では例年よりも平均1.3℃低く推移しました。持続的な蒸し暑い猛暑が少なかったため、人々がアイスクリームに頼って暑さをしのぐ必要性が大幅に減少。これまでの「夏には冷凍庫にアイスを常備する」という習慣が薄れ、多くの家庭で冷凍庫が空のままだったと報じられています。アイスを食べる、買い置きするという消費者の意欲が大きく低下したのです。
高まる健康志向と添加物への懸念
また、現代の消費者は食の健康をますます重視するようになっています。しかし、市販されている既製のアイスクリームの多くは、高糖質・高脂肪で、多種多様な添加物を含んでいます。これらを長期的に摂取することは、健康を損なうだけでなく、肥満の原因にもなると認識され始めています。
特に若い世代や子育て中の親たちは、こうした健康面への懸念から、積極的にアイスクリームを避ける傾向にあります。かつては箱買いして頻繁に食べていた習慣も、今ではすっかり影を潜めてしまいました。
新たな選択肢の台頭がアイスの地位を脅かす
平価(手頃な価格の)ドリンクチェーンの普及
もう一つの大きな要因は、手軽な価格で人気の茶ドリンクチェーン「蜜雪冰城(ミーシュエビンチョン)」などの全面的な普及です。これらの低価格な冷たいドリンクは、さっぱりとした口当たりで喉の渇きを癒し、アイスクリームに比べてコストパフォーマンスが圧倒的に高いのが特徴です。高糖質のアイスクリームと比較しても、これらのドリンクの優位性は明らか。
多くの消費者が、暑さ対策としてアイスクリームではなく、こうした茶ドリンクやその他の冷たいドリンクを選ぶようになり、結果としてアイスクリームの顧客層が分散し、その「夏の必需品」としての地位が直接的に揺らいでいます。
専門店が提供する「フレッシュな体験」
さらに、近年では街角で「できたてアイスクリーム」を提供する専門店が数多く登場しています。これらの店では、低糖質・低脂肪といったカスタマイズが可能で、注文を受けてから作るため、作りたての新鮮な口当たりを楽しむことができます。一度に大量に購入する必要がなく、必要な時に必要な分だけ購入できる柔軟性も魅力です。
こうしたできたてのアイスクリームが、単調な味わいで大量購入が必要だった既製アイスクリームのニーズを完全に代替し、結果として大口のアイスクリーム消費需要はほぼ消滅した形です。
まとめ
中国における「アイス離れ」は、単なる一過性の現象ではなく、気候変動、健康志向の高まり、そして消費者のニーズに応える新たな冷菓・ドリンクの登場という複合的な要因によって引き起こされた、消費行動の大きな転換点と言えるでしょう。このトレンドは、日本を含む他国にも示唆を与えるかもしれません。
夏の定番だった商品が、いつの間にか消費者の選択肢から外れてしまう可能性は十分にあり得ます。日本の食品メーカーや小売店も、健康志向の高まりや多様な冷菓・ドリンクの動向に目を向け、消費者の変化するニーズを捉えることが、今後の市場で競争力を維持するために重要になりそうです。
元記事: gamersky
Photo by mingche lee on Pexels






