中国の革新的な磁気エンコーダ企業「北京金鋼科技有限公司」(以下、金鋼科技)が、驚異的なペースで資金調達を進めています。この度、数千万元規模のPre-A++ラウンドを完了し、過去半年間で合計3度もの資金調達を実現。累計調達額は1億元近くに達しました。特にヒューマノイドロボット分野で高いシェアを誇る同社の技術は、世界の産業界にどのようなインパクトを与えるのでしょうか。その詳細に迫ります。
中国ロボット技術の牽引役「金鋼科技」が連続資金調達
2024年10月22日、中国の投資情報サイト「投資界(Pedaily)」が報じたところによると、磁気エンコーダのリーディングカンパニーである金鋼科技は、盈富泰克(Yingfu Tek)からの投資を受け、数千万元規模のPre-A++ラウンドを完了しました。さらに今年上半期には、中科創星(CAS Star)からのPre-Aラウンドと、江陰人才投資(Jiangyin Talent Investment)からのPre-A+ラウンドも実施しており、半年間でPre-Aシリーズの資金調達を3度も成功させています。
これら一連の資金調達により、金鋼科技の累計調達額は1億元(日本円で約20億円)近くに上ります。調達された資金は、主に技術のアップグレード、新製品の研究開発、そして市場プロモーションに充当される計画です。2017年に設立された金鋼科技は、ロボット分野に特化したエンコーダ企業として、特に中国国内のヒューマノイドロボット用エンコーダ市場で80%という圧倒的なシェアを確立。国内外の主要なロボット本体メーカーや関節メーカーのコアサプライヤーとなっており、米国、英国、フランス、ドイツ、韓国、ロシア、イスラエルといった海外の重要な顧客も多数抱えています。
世界最小・高精度を実現する革新的な磁気エンコーダ技術
独自開発「パターン式磁気エンコーダ」の驚異
金鋼科技の強みは、その独創的な技術力にあります。物理、数学、シミュレーション、アルゴリズムといった複数の基礎技術からアプローチし、世界で初めて「パターン式磁気エンコーダ」ソリューションを開発しました。この方式は、光電パターン式と同様の測定原理を磁性材料で実現するという画期的なもので、小型でありながら高性能な磁気エンコーダ製品を生み出しています。
従来品を凌駕する性能と汎用性
金鋼科技の磁気エンコーダは、その性能において世界をリードしています。海外大手企業の製品と比較して、体積を90%も削減した世界最小クラスのサイズを実現しながら、24bitという極めて高い分解能と秒角レベルの精度を提供します。また、低消費電力でありながら、耐高温、耐振動、耐干渉、防塵、防油、防水といった耐久性にも優れています。さらに、中空設計を採用することで、ロボットへの取り付けやデバッグが格段に容易になりました。
この新型磁気エンコーダは、分解能と精度において光学式エンコーダに肉薄し、従来の磁気式、容量式、誘導式、レゾルバ式といった他の方式を全面的に凌駕します。その結果、ヒューマノイドロボット業界では、今や第一選択肢のエンコーダソリューションとして位置づけられています。2025年9月に開催された「全国破壊的技術イノベーションコンテスト科学機器部門」では、「新型磁気エンコーダの産業化応用」プロジェクトが見事一等賞を受賞し、その技術力が国からも高く評価されました。
広がる応用分野
金鋼科技のエンコーダ製品は、その優れた性能と汎用性から、ヒューマノイドロボットだけでなく、自動車、農業機械、医療、半導体、そして低空経済(ドローンなどを活用した新しい経済圏)といった多岐にわたる重要な応用分野にも導入されています。すでにこれらの分野の多くのキー顧客への提供実績も持っています。
まとめ:日本の産業界への示唆
金鋼科技の連続的な資金調達と、その革新的な磁気エンコーダ技術は、中国のスタートアップが世界のテクノロジー分野で存在感を増していることを明確に示しています。特にヒューマノイドロボットの発展が加速する中で、小型・高精度・高耐久性を持つエンコーダは、ロボットの性能を左右する心臓部ともいえる重要なコンポーネントです。金鋼科技の技術は、ロボットだけでなく、半導体や医療、自動車といった幅広い産業における高精度な位置決めや制御のニーズに応え、新たなイノベーションを促進する可能性を秘めています。
日本の企業にとっても、このような中国発の先進技術企業の動向は、単なる競合というだけでなく、新たなパートナーシップや協業の機会を模索する上で重要な情報となるでしょう。世界の産業地図が刻々と変化する中、金鋼科技のような企業の成長は、私たちに常にアンテナを高く張るよう促しています。
元記事: pedaily
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