中国のテックメディア「科客(Keke)」の報道によると、先日、Huaweiは自社開発OS「HarmonyOS」の最新バージョン5.1を、多数のスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ向けに配信開始しました。HarmonyOSは、iOSやAndroidが初期に成長した速度や品質と比較しても、驚異的な進化を遂げており、そのエコシステムも着実に拡大を続けています。今回の5.1アップデートでは、AI機能の劇的な強化に加え、アプリ連携の深化、そして対応デバイスの拡大により、ユーザー体験が新たなステージへと引き上げられています。カメラ機能の進化から、賢くなったAIアシスタント、さらに利便性が向上したマルチタスク機能まで、注目のアップデート内容を詳しく見ていきましょう。
HarmonyOS 5.1:スマート体験の新たな進化
筆者自身も使用しているHuawei Mate X6には、約2.77GBのHarmonyOS 5.1アップデートパッケージが届きました。この大型アップデートは、単なる機能追加に留まらず、システムの根幹に関わる部分にも改良が加えられ、よりスムーズでインテリジェントな体験を提供します。
AI機能が劇的に向上:写真もアシスタントもさらに賢く
- カメラ機能の強化:多色温度ホワイトバランスの再現技術が向上し、異なる光源下でもより正確な色彩表現が可能になりました。日常のスナップからプロフェッショナルな撮影まで、どんなシーンでも美しい写真が期待できます。
- ギャラリーアプリの進化:AI機能がさらに強化され、新たに「魔法の画像編集(魔法移図)」と「AIポートレートレタッチ(人像精修)」機能が追加されました。AIが被写体を認識し、シームレスに別の画像へ移動させたり、ポートレート写真の細部を美しく補正したりと、写真編集の可能性が広がります。
- AIアシスタント「小艺(Xiaoyi)」のアップグレード:より人間味あふれる対話が可能になっただけでなく、新たに「クリエイティブスタジオ(创意画室)」や「小艺写真館インテリジェントエージェント」といった機能が搭載されました。さらに、複雑な問題解決をサポートする「深層問題解決インテリジェントエージェント」も利用できるようになり、AIの活用範囲が大幅に広がっています。
「ライブウィンドウ」でマルチタスクがさらに快適に
「ライブウィンドウ(実況窗)」機能は、画面上にアプリの情報を常に表示し、別の作業をしながらでも必要な情報に素早くアクセスできる便利な機能です。今回のアップデートで対応するアプリケーションが大幅に拡大し、より多くのシーンで活用できるようになりました。
- 対応アプリの拡大:Huawei Mate X6の実測によると、すでにEle.me(エレマ)、JD.com(京東)、Weibo(微博)、マクドナルド、テーマアプリなどがライブウィンドウに対応しています。
- 今後の展望:今後、Meituan(美団)、Alipay(アリペイ)、航旅縦横、Didi(滴滴出行)、Baidu Maps(百度地図)、Damai(大麦)といった主要アプリも順次対応予定とのこと。これにより、デリバリー状況の確認、交通情報の表示、チケット情報の管理など、様々な場面で効率的なマルチタスクが可能になります。
この他にも、録音、ウォレット、カレンダー、ゲームといった標準アプリでも機能がアップグレードされており、全体的なユーザーエクスペリエンスが向上しています。
拡大を続けるHarmonyOSエコシステム:人気アプリが続々対応
HarmonyOS 5.1は、2025年6月のHuawei Pura80シリーズ発表時に公表された計画に基づき、幅広いデバイスへのアップデートが展開されています。主な対象機種は以下の通りです。
- スマートフォン:Huawei Mate 70シリーズ、Mate 60シリーズ、Mate XT非凡大師、Mate X6シリーズ、Mate X5シリーズ、Pura 70シリーズ、Pura X、Pocket2、nova 14シリーズ、nova 13シリーズ、nova 12シリーズ
- タブレット:Huawei MatePad Pro 13.2インチシリーズ、MatePad Pro 11インチ 2024、MatePad Pro 13.2インチ 2025、MatePad Pro 12.2インチ、MatePad Air 12インチ、MatePad 11.5″Sシリーズ
- スマートウォッチ:Huawei WATCH GT 5シリーズ、WATCH D2
HarmonyOSはシステムの改善だけでなく、エコパートナーとの連携にも積極的に取り組んでいます。特にサードパーティ製アプリケーションの開発と最適化には力が入れられており、その成果が目に見える形で現れています。
- テンセント系アプリの対応:中国を代表するIT企業テンセント(Tencent)傘下のアプリケーションは、すでに50種類以上がHarmonyOSに対応しています。
- WeChatの成功:HarmonyOS版WeChat(微信)のインストール数は1000万を突破し、ユーザー評価も5点満点中4点と高い評価を得ています。
- 人気ゲームの参入:大人気モバイルゲーム『NARUTO -ナルト-』のHarmonyOS版も無事にリリースされました。さらに、世界中で人気のmiHoYo(ミホヨ)の大作『原神』のHarmonyOS版も、先月末にプレイヤーの募集を開始しており、ゲーマーからも大きな注目を集めています。
まとめ:HarmonyOSが描く未来と日本のユーザーへの影響
今回のHarmonyOS 5.1のアップデートは、AI機能の強化とアプリエコシステムの拡大という二つの側面から、Huaweiが描くスマートライフのビジョンを明確に示しています。特に、中国国内でのHarmonyOSの浸透と主要アプリの対応拡大は目覚ましく、独自のオペレーティングシステムとしてiOSやAndroidに比肩する存在感を確立しつつあります。
現状、日本のスマートフォン市場でHuaweiの製品が主流となるのは難しい状況ですが、HarmonyOSが中国市場で培う技術やエコシステムのノウハウは、今後、様々な形でグローバルな技術トレンドに影響を与える可能性があります。AI技術とOSの融合、そしてデバイス間のシームレスな連携は、今後のスマートデバイスが目指す方向性であり、HarmonyOSはその最先端を走る存在の一つと言えるでしょう。今後のHuaweiとHarmonyOSの動向から目が離せません。
元記事: 科客,主见不成见
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