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中国「ラッキンコーヒー」が万店舗達成後、戦略転換!品質・ブランド重視へ

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中国の巨大コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)」が、国内で1万店舗を超える大規模な展開を達成したことを受け、大胆な戦略転換を発表しました。これまでの低価格路線と急速な店舗拡大モデルから一転、今後は大都市(高線都市)でのブランドイメージ刷新と、製品品質の向上に注力する構えです。

同社は2026年の新規店舗数を2,000店以内に抑制し、そのうち下半期は1,000店以下とする計画を公表。さらに、約3億元(日本円で約64億円)を投じ、条件を満たす既存店舗に対してプロ仕様のコーヒーマシンを無償でアップグレードすると発表しました。これは、単なる規模拡大から、より高品質で洗練されたブランド体験を提供する「質」への転換を目指す動きであり、激化する中国コーヒー市場での新たな生存戦略として注目されています。

万店舗達成のその先へ:ラッキンコーヒー、戦略の大転換

ラッキンコーヒーはこれまで、中国の低価格ティードリンク大手「蜜雪氷城(Mi Xue Bing Cheng)」のサプライチェーンシステムを活用し、「低価格+フランチャイズ+地方展開」というモデルで、県や郷鎮といった地方市場へ急速に浸透しました。その結果、2025年には店舗数が1万店を突破し、圧倒的な規模を確立しています。

しかし、近年では地方市場が飽和状態に近づき、北京や上海といった大都市が新たな成長の牽引役となっています。データによると、これらの核心都市におけるコーヒー消費頻度は地方市場の3倍以上に達し、消費者は製品の品質とブランド体験により高い要求を持つようになっているとのことです。瑞幸(Luckin Coffee)や庫迪(Cotti Coffee)といった低価格コーヒーブランドの規模拡大に加え、古茗(Guming)や茶百道(Cha Bai Dao)といったティードリンクブランドまでがコーヒー価格を2.9元(約62円)まで引き下げ、競争は激しさを増しています。

このような市場環境の変化を受け、ラッキンコーヒーは競争軸の再構築に着手。今年3月の業績説明会では、「単店舗売上高の成長が規模拡大に優先する」という新戦略を明確に打ち出し、経営資源をマーケティング、品質、サプライチェーンに傾斜させる方針を示しました。

品質とブランド価値の向上に注力

新戦略の具体的な施策として、ラッキンコーヒーは製品面で大きな進化を遂げています。鮮度を60日間保つ焙煎済みコーヒー豆や、コールドチェーンで管理された低温生乳などの高品質な原材料を導入。さらに、プロ仕様のコーヒーマシンへの交換計画を試行しています。山東省済南市や菏沢市での試行データでは、原材料のアップグレード後、対象店舗の1日平均売上高が13%向上したと報告されており、その効果は明らかです。

ブランド構築にも多額の投資が行われています。今年に入り、ラッキンコーヒーは香港の著名俳優トニー・レオン(梁朝偉)と中国の人気女優ディリラバ(迪麗熱巴)をダブルアンバサダーに起用し、約3億元(約64億円)を投じてブランドマーケティング活動を展開しています。IP(知的財産)コラボレーションや異業種提携を通じてビジュアルイメージを一新し、鄭州や石家荘などで旗艦店を開設することで、顧客の空間体験価値を高める試みも進められています。これらの取り組みは、単なる価格競争から、消費者の心に「プロフェッショナルなコーヒーブランド」としての認知を確立する「価値競争」へと軸足を移すラッキンコーヒーの強い意志を示しています。

中国コーヒー市場の構造変化とラッキンの挑戦

ラッキンコーヒーの戦略転換は、まさに中国コーヒー市場が直面する構造的変化を映し出しています。価格競争が飽和状態に陥る中で、製品の品質向上とブランド構築が新たな競争の焦点となっているのです。

同社は、価格競争力を維持しつつ、製品の品質とブランドのプレミアム価値を高めるという二重の課題に直面しています。最近発表された「コーヒーマシン専門支援計画」では、約7〜7.5万元(約150万〜160万円)相当の高性能マシンへのアップグレードが、北京、上海などの核心都市やS級商業圏に位置する店舗で優先的に実施される予定です。これは、製品の安定した品質を提供するための重要な一歩と見られています。

まとめ:量から質への転換、日本市場への示唆

ラッキンコーヒーの事例は、万店舗という規模が終着点ではなく、いかにして「量」の拡大から「質」の向上へと転換を図るかが、あらゆるマス向けコーヒーブランドが避けて通れない課題であることを示しています。約3億元の設備アップグレード計画と、約5億元(約107.5億円)のブランド構築計画が進行する中、この巨大ブランドが大都市市場で確固たる地位を築けるか、今後の動向が継続して注目されます。

中国市場で起きているこのダイナミックな変化は、日本のコーヒー市場や外食産業にとっても示唆に富んでいます。価格競争の激化、消費者の品質・体験重視への移行は、日本でも共通の課題であり、ラッキンコーヒーの大胆な戦略転換は、グローバル市場におけるブランドの進化を考える上で貴重な事例と言えるでしょう。

元記事: pcd

Photo by Maria Orlova on Pexels

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