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上田文人氏、10年ぶり新作『Gen Atlas』で新境地へ!SFと銃器、そして「風呂敷」の哲学

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『ICO』や『ワンダと巨像』、『人喰いの大鷲トリコ』といった、独自の美学で世界中のゲーマーを魅了してきた巨匠・上田文人氏。その彼が、実に10年ぶりとなる完全新作『Gen Atlas』を発表し、ゲーム業界に大きな衝撃を与えています。これまでPlayStationプラットフォーム独占でファンを魅了してきましたが、新作ではSF世界観を舞台に、なんと銃器を導入。Unreal Engineを採用し、マルチプラットフォーム展開も予定されています。長年のファンも驚きを隠せない本作は、一体どのようなゲーム体験をもたらすのでしょうか。上田氏が語る、新たな挑戦と、その根底に流れる哲学に迫ります。

巨匠・上田文人、10年ぶりの新作『Gen Atlas』で新境地へ

上田文人氏は、ゲーム界で最も高く評価されるクリエイターの一人です。2001年の『ICO(古堡迷踪)』、2005年の『ワンダと巨像』、そして2016年の『人喰いの大鷲トリコ』と、彼の監督作品は常に唯一無二の世界観と感動的な体験を提供してきました。これらの作品はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のPlayStationプラットフォーム向けに独占でリリースされていましたが、『Gen Atlas』ではEpic Gamesがパブリッシングを担当し、開発体制も大きな転換期を迎えています。

特に『人喰いの大鷲トリコ』の開発は、上田氏がソニー社内のTeam Icoを離れ、独立スタジオgenDESIGNを設立した後も、独立契約者として開発を完遂するという異例の経緯を辿りました。そして今回、『人喰いの大鷲トリコ』のリリースから10年を経て発表された『Gen Atlas』は、これまでの上田氏のゲーム開発哲学にも少なからぬ変化が見られます。

プレイヤーのフラストレーションを解消する「銃器」の導入

『Gen Atlas』のトレーラーで最も多くのプレイヤーを驚かせたのは、主人公が銃器を使用する場面でした。しかし、本作が「Project Robot」というコードネームで開発されていたことを踏まえれば、銃器の登場は理にかなっていると上田氏は語ります。「巨大なロボットがプロジェクトの初期からの核であり、そこから世界観を構築していきました。SF世界観を採用すると決めたとき、銃器や他の武器を加えることは非常に合理的だと考えました。また、銃器を使った戦闘は成熟したゲームプレイ体験であり、SFアクションアドベンチャーと聞けば、多くのプレイヤーが武器を手に戦うことを期待するでしょう。」

一方で上田氏は、「『Gen Atlas』はシューティングゲームではない」と明確に述べています。武器を導入した理由として、上田氏が以前の作品でしばしばプレイヤーが武器を使用できないことによる「挫折感」を感じていたことを挙げました。「例えば、『人喰いの大鷲トリコ』では、プレイヤーキャラクターは一切武器を使えませんでした。これはプレイヤーにとってフラストレーションになり得ます。この挫折感を軽減するため、プレイヤーキャラクターに戦術の一つとして銃器の使用を許可することにしました。」

SFで描かれる、仲間との新たな「コミュニケーション」

これまでの上田氏の作品では、プレイヤーキャラクターは常に仲間を伴っていましたが、その仲間と直接的な言葉でコミュニケーションを取ることはできませんでした。『ICO』のヨルダ姫、『ワンダと巨像』のアグロ、『人喰いの大鷲トリコ』のトリコと、無言ながらも深い絆がゲーム体験の核となっていました。

しかし、ファンタジー色の強かった過去作とは異なり、『Gen Atlas』はSFをテーマとし、巨大ロボットとその着脱可能な頭部が登場します。この新作でも仲間との関係性が特徴となるのか、多くのプレイヤーが疑問を抱きました。「ロボットの頭部は様々な役割を果たします」と上田氏は明かしました。「時にはプレイヤーの乗り物となり、時にはナビゲーターとして機能し、また時には単なる機能的なツールとして利用されます。」

上田氏はさらに、「主人公と仲間が築き、発展させる関係は、これまでの私のゲームで見てきたような『仲間を守る、あるいは守られている』といった関係とは少し異なります」と補足しました。過去作で直接的な会話がなかったのは、世界観設定(例えば、馬は話せない)に大きく起因していました。また、もし会話が可能だと、プレイヤーは任務や指示に関わるセリフだけを見て、すぐに会話を終えてしまう可能性がありました。『Gen Atlas』では状況が異なります。SFという背景設定のため、プレイヤーとロボットの頭部である仲間との間には交流が生まれるのです。「完全に交流できないわけではありません。プレイヤーと仲間との交流は、あまりストレートではないかもしれませんが、ある程度のコミュニケーションは可能です。」上田氏は、「本作のSF的な背景設定と密接に関係しており、プレイヤーがプレイする際には、これらの違いとその理由に気づくはずです」と述べました。

最新技術と「風呂敷」の哲学が織りなすゲーム開発

『Gen Atlas』は、上田氏にとって初めて既成のゲームエンジン(Epic GamesのUnreal Engine)を使用し、マルチプラットフォームでリリースされる作品となります。より高性能なエンジンとクロスプラットフォーム展開という目標は、上田氏のゲーム開発手法に変化をもたらしたのでしょうか?

上田氏は「これまでのところ、大きな挑戦とは感じていません。まだ出会っていない課題があるかもしれませんが…」と語りつつ、「以前は常に独自のエンジンでゲームを開発していましたが、『Gen Atlas』はUnreal Engineを基盤としています。これが最大の相違点です。したがって、クロスプラットフォーム開発という観点から見れば、『Gen Atlas』は確かにこれまでのプロジェクトとは異なります。しかし、ある意味で、私がやるべきことは根本的には変わっていません」と述べました。

かつて上田氏のゲーム制作は、技術的な制約に大きく影響されてきました。『ワンダと巨像』はPS2のハードウェア性能を限界まで引き出した作品として知られています。それに比べ、今日の上田氏は技術的な制約がデザインに与える影響を以前ほど心配する必要はないのでしょうか?この問いに、上田氏は深く考え込みました。

「私たちは技術と制約についていくらでも語り合えますが、突き詰めれば、私たちは常にビデオゲームを制作しています。30年以上にわたって進化してきたプラットフォームについて話すなら、以前よりもはるかに強力に見えるかもしれませんが、それでもまだ何らかの制約は存在すると私は考えます。」

上田氏が例に出したのは、日本の伝統文化である「風呂敷」です。「風呂敷は物を運んだり収納したりする布で、包む際には非常に美しく包み込む必要があります。なぜならそれは本質的に記念品であり、贈り物だからです。日本の企業や様々な組織構造において、どんなものでも風呂敷に包むことはできますが、最終的にはそれをきちんと包み上げることが重要であると広く考えられています。どのような贈り物を入れ、どのように包み、すべてのものが整然と調和するようにどのように配置するか、これらのことが非常に重要なのです。」

「この観点から、私たちはまだ関連するスキルを磨き続け、特定の制約を克服し、世界中のプレイヤーにゲームを届ける前に、それを美しく『包装』して提示すること。これこそが鍵だと考えています。」

まとめ

上田文人氏はゲーム制作だけでなく、この「風呂敷」の哲学をスタジオの日常的なマネジメントにも応用しているといいます。「チームを編成する際には、適切な人材を確実に確保しなければなりません。プロジェクトのニーズに完全に合致するスキルを持つメンバーと、十分な資金サポートが必要です。これらすべての要素を総合的に考えると、私たちは依然として何らかの制約に直面していると思います。現代のハードウェア技術は過去と比較して確かに非常に高いレベルに達していますが、私たちにとって、既存のリソースを最大限に活用し、客観的に存在する制約の中でゲームを開発することが依然として重要なのです。」

genDESIGNが開発し、Epic Gamesがパブリッシングを手掛ける『Gen Atlas』は、PS5、Xbox Series X/S、PC(PC版はEpic Games Store独占)でリリースされる予定です。革新的なゲームデザインと、上田氏独自の哲学がどのように融合するのか、その発売が今から待ち遠しいばかりです。今後の続報に、日本のゲームファンも熱い視線を注いでいます。

元記事: gameres

Photo by Mikhail Nilov on Pexels

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