ホーム / テクノロジー / ものづくり・半導体 / 半導体産業を揺るがすガスタービン不足!日本のMHIも影響か

半導体産業を揺るがすガスタービン不足!日本のMHIも影響か

gas turbine semiconductor chip - 半導体産業を揺るがすガスタービン不足!日本のMHIも影響か

世界中でガスタービンの供給が深刻な不足状態にあり、これがグローバルな半導体産業の電力供給計画に大きな影を落としています。特に、韓国サムスン電子の京畿道平沢(ピョンテク)先端システム半導体産業団地や、中国広州・西南半導体産業団地といった巨大な施設では、合計で16GWを超える莫大な電力を必要としており、その大部分を天然ガス火力発電に依存しています。しかし、発電の心臓部となるガスタービンの世界的な不足が、これらの計画を大幅に狂わせる可能性が高まっています。市場は少数の巨大企業によって寡占されており、納期は2029年まで埋まるという、前例のない状況に直面しています。

世界的なガスタービン不足が半導体産業を直撃

中国メディア快科技の7月11日付け報道によると、世界のガスタービン供給不足が深刻化の一途をたどっています。これは、先端半導体の製造を担う各国の主要産業団地に壊滅的な影響を与えかねない問題です。例えば、韓国サムスン電子の京畿道平沢(ピョンテク)先端システム半導体産業団地では最大10GW、中国の広州・西南半導体産業団地では最大6.3GWという膨大な電力需要が見込まれています。これら二つの拠点だけで合計16GWを超える電力が必要とされており、その供給は主に天然ガス火力発電所に依存しています。

しかし、この電力計画の根幹を揺るがしているのが、まさに世界的なガスタービンの供給不足です。半導体工場は24時間365日の連続稼働が求められるため、安定した電力供給は死活問題。ガスタービンの不足は、新たな発電所の建設や既存施設の増強を困難にし、結果として半導体の安定供給に重大な影響を及ぼす恐れがあります。

寡占市場と長期化する納期

現在、300MW以上の大型ガスタービン市場は、米国GE Vernova、ドイツSiemens Energy、そして日本の三菱重工(MHI)という、わずか3社の巨大企業によって高度に寡占されています。これらの企業に注文が集中しており、供給体制がひっ迫しているのです。

  • GE Vernovaは、ガスタービンの受注残と生産能力の約束が、2025年末の83GWから2026年第1四半期には100GW、そして2026年末には少なくとも110GWに増加する見込みだと発表していますが、これは今後の需要増大に対して十分ではない可能性があります。
  • Siemens Energyに至っては、ガスタービンの引き渡し時期がすでに2029年末まで埋まっていると報じられており、新規の注文は数年待ちという極めて異例の状況です。
  • 日本の三菱重工もこの主要3社の一角を占めており、世界的な供給不足の影響を少なからず受けていると推測されます。

なぜ今、ガスタービンが必要なのか?

世界中で再生可能エネルギーへの移行が進む一方で、太陽光や風力発電だけでは供給が不安定になることがあります。そのため、電力網の安定化を図るためには、安定したベースロード電源としての天然ガス火力発電が依然として重要な役割を担っています。特に、精密な製造プロセスを中断なく続ける必要がある半導体工場にとっては、ガスタービンを核とする安定した電力供給が不可欠なのです。

まとめ

今回のガスタービン世界的な供給不足は、単なる発電所の建設遅延にとどまらず、世界の半導体サプライチェーン全体に大きな混乱をもたらす可能性があります。特に、日本の三菱重工も主要プレイヤーの一角を占めていることから、この問題は日本企業にとっても無関係ではありません。

半導体の安定供給が危ぶまれれば、スマートフォンやPC、自動車など、私たちの生活に不可欠なあらゆる製品の生産に遅れが生じ、結果としてチップ価格の高騰や製品の品薄に繋がる恐れがあります。再生可能エネルギーへの移行期における電力インフラの課題と、安定供給をいかに確保していくか、各国・各企業の戦略が今、改めて問われています。

元記事: pconline

Photo by Pixabay on Pexels

タグ付け処理あり:

メーリングリストに登録

毎週のニュースレターで最新情報をキャッチアップ。今すぐ登録して、大切な情報を逃さずチェック!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です