日本のスポーツカーファンを熱狂させるトヨタGRヤリスが、ついに中国市場に正式投入されました。中国では「最強の3気筒『買菜車』(日常使いの車)」と称されるこのホットハッチは、その高性能と独創的なデザインで注目を集めています。価格は39.98万元(約850万円相当)からで、年内には納車が開始される予定です。
中国市場に待望のGRヤリス上陸!
GRヤリスはトヨタの高性能サブブランド「GR」が手がけるコンパクトスポーツカーで、そのドライビング性能の高さから世界中で多くのファンを獲得しています。今回、中国市場への正式投入が発表されたことは、現地の自動車愛好家にとって大きなニュースとなっています。
車両価格は39.98万元からとなっており、これは日本円に換算すると現在のレートで約850万円に相当します(※為替レートは変動します)。日本での販売価格(GRMNヤリスを除けば400万円台が中心)と比較すると高額に感じられますが、これは中国における輸入車の関税や税金、物流コストなどが影響しているものと考えられます。
「羊の皮をかぶった狼」その性能とこだわり
GRヤリスは、日常使いの車を意味する「買菜車」という愛称で呼ばれることもありますが、その中身はまさに「羊の皮をかぶった狼」です。
エクステリアデザインと冷却性能の強化
新型GRヤリスは、大型のエアインテークグリル、フォグランプエリア、ホイールアーチといった空力設計が進化。これにより、より効率的な放熱が可能となり、インタークーラーやオートマチックトランスミッション用冷却器を含む新しい冷却システムをサポートしています。
ボディは2ドア構造で、全長3995mm、全幅1805mm、全高1455mm、ホイールベース2560mm。通常モデルと比較して車高が96mm低められており、ワイドボディキットとフルカーボンルーフが相まって、非常に低くスポーティな印象を与えます。
「純粋」を追求したインテリア
インテリアデザインは「純粋」さを追求。機械式メーターとカラーディスプレイを組み合わせたコックピットは、機能性を重視したGRらしい仕上がりです。ステアリングホイールは本革製ですが、スタイルはクラシカルな雰囲気を持ち、シートも手動調整式を採用するなど、トヨタの一貫したスポーツカーに対するこだわりが随所に感じられます。
「地球上最強」と称される3気筒エンジン
GRヤリスの心臓部には、「地球上最強」とも称される1.6L直列3気筒ターボエンジンが搭載されています。最高出力は280馬力、最大トルクは390Nmを誇り、6速マニュアルトランスミッションとの組み合わせにより、0-100km/h加速はわずか5.1秒をマークします。
さらに、オプションで追加できる油圧式サイドブレーキ(中国では1.38万元相当)や、GR-FOUR四輪駆動システム、トルセンLSD(リミテッドスリップデフ)といった装備は、ドライビングの楽しさを一層高めるためのものです。
高剛性シャシーと精緻なハンドリング
シャシーには高剛性ボルトが採用され(特にリアサスペンションのボルト径は24mmに増強)、これによりステアリングの応答性と直進安定性が向上しています。ショックアブソーバーとEPS(電動パワーステアリング)システムも最適に調整され、1:1のステアリング比を実現することで、ドライバーの意図に忠実なハンドリングを可能にしています。
まとめ:中国市場のEVトレンドの中で異彩を放つGRヤリス
中国市場はEV化が急速に進む一方で、依然としてガソリン車の高性能モデルに対する根強い需要も存在します。GRヤリスの投入は、そのようなニッチながらも熱い市場をターゲットにしたトヨタの戦略を示唆していると言えるでしょう。
日本国内でも納車待ちが続くほどの人気を誇るGRヤリスが、世界最大の自動車市場である中国でどのような評価を受け、どれほどの成功を収めるのか、今後の動向が注目されます。これは、日本の自動車メーカーがグローバル市場でいかに多様なニーズに応え、ブランド価値を高めていくかを示す一つの試金石となるでしょう。
元記事: mydrivers