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23歳でOpenAI解雇、ヘッジファンドで15億ドルを動かす異端の天才

AI investment Hedge fund trading room - 23歳でOpenAI解雇、ヘッジファンドで15億ドルを動かす異端の天才

23歳の若さで大手AI企業OpenAIを解雇された一人の青年が、そのわずか数ヶ月後には自らの洞察力を武器に、なんと15億ドル(約2,300億円)規模のヘッジファンドを立ち上げ、ウォールストリートのプロたちをも凌駕する驚異的なリターンを叩き出しています。その劇的なキャリアとAI時代の新しい投資戦略は、今、世界中の注目を集めています。彼の名はレオポルド・アッシェンブレナー。彼の型破りな成功の軌跡を詳しく見ていきましょう。

「解雇」から「成功」へ!23歳若き天才の劇的転身

物語の主人公、レオポルド・アッシェンブレナー氏は、かつてOpenAIの著名な「スーパーアライメント」チームの一員でした。このチームは、将来登場するであろう超高性能AIが人類の価値観と確実に一致するよう、安全性の確保に取り組むという極めて重要なミッションを担っていました。彼はOpenAIの元チーフサイエンティスト、イリヤ・サツケバー氏の側近とも目されていましたが、内部情報漏洩の疑いでOpenAIを解雇されるという衝撃的な経験をします。

しかし、アッシェンブレナー氏の真骨頂はここから発揮されます。解雇からわずか2ヶ月後、彼は165ページにも及ぶ分析論文「Situational Awareness: The Decade Ahead」を発表し、シリコンバレーで大きな話題を呼びました。そして、この「状況認識」を冠したヘッジファンド「Situational Awareness」を設立したのです。

AI時代を見据えた独自の投資戦略

彼は専門的な投資経験がほとんどないにもかかわらず、その投資戦略はシンプルかつ大胆です。AI技術の発展から恩恵を受けるであろう業界、例えば半導体、基礎インフラ、電力会社、そして新興のAI企業(Anthropicなど)に投資する「ロング」戦略を取る一方で、AIによって淘汰される可能性のある業界を「ショート」することで利益を確保するというものです。

この戦略は短期間で大量の投資家を魅了し、ファンドの規模はあっという間に15億ドルを突破しました。その背景には、決済サービスStripeの創業者であるパトリックとジョン・コリソン兄弟、MetaのAIチームリーダーであるダニエル・グロス氏とナット・フリードマン氏、そして著名な投資家グラハム・ダンカン氏といった大物たちの支援がありました。さらに、ピーター・ティール氏のヘッジファンドで経験を積んだカール・シュルマン氏を研究総責任者として招き入れるなど、布陣も盤石です。

ウォールストリートジャーナル紙の報道によると、このファンドは今年の上半期だけで47%という驚異的なリターンを達成。同時期のS&P 500指数の6%、テクノロジー系ヘッジファンド指数の7%をはるかに凌駕し、市場の「ダークホース」として大きな注目を集めています。アッシェンブレナー氏は、かつてポッドキャストのインタビューで「私たちはニューヨークで資金を運用する人々よりも多くの状況認識を持っており、間違いなく投資で非常に優れた結果を出すでしょう」と自信をのぞかせていました。

Leopold Aschenbrennerとは何者か?その異色のキャリア

アッシェンブレナー氏は00年代生まれのドイツ出身です。まさに「天才少年」と呼ぶにふさわしく、15歳でコロンビア大学に入学。19歳という若さで数学、統計学、経済学の3つの学位を優秀な成績で取得し、同大学の優秀卒業生となりました。

卒業後は、オックスフォード大学のグローバル・プライオリティーズ研究所で長期経済成長の研究に従事。また、「Effective Altruism(効果的利他主義)」運動にも参加し、FTX Future FundでAI安全性や地球規模のリスク管理に焦点を当てた活動も行っています。

そして2023年、彼はOpenAIの「スーパーアライメント」チームに加わりました。このチームでは、超知能AIが人類の価値観と一致することを確実にするための研究に尽力。彼が関わった研究には、広く注目された論文「Weak-to-Strong Generalization: Eliciting Strong Capabilities With Weak Supervision」(https://arxiv.org/abs/2312.09390)などがあります。

世界的なAI研究機関で働く中で、彼はAIの急速な進歩とその社会への影響について深い洞察を得たことが、その後の投資戦略に繋がったと推測されます。

まとめ: AIが切り拓く投資の新時代と日本への示唆

レオポルド・アッシェンブレナー氏の劇的な成功は、AIが単なる技術革新に留まらず、金融市場、ひいては社会全体の構造を根本から変えつつあることを雄弁に物語っています。彼の事例は、従来の経験や常識に囚われず、未来を見通す「状況認識」の高さと大胆な決断力が、AI時代においていかに重要な能力であるかを私たちに示唆しています。

AIの進化は、今後も予測不能な形で新しい産業を生み出し、既存の産業を再構築していくでしょう。日本企業や投資家も、このような動向を単なるニュースとして消費するだけでなく、自社の戦略や投資ポートフォリオにどう生かしていくか、真剣に検討する時期に来ているのではないでしょうか。AIが生み出す新たな機会とリスクを正確に捉え、迅速に対応できるかが、これからの競争を勝ち抜く鍵となりそうです。

元記事: pedaily

Photo by RDNE Stock project on Pexels

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