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2025年、PvEシューターは転換期を迎えるのか?中国ゲーム業界の深層考察

Chinese game development, PvE shooter gameplay - 2025年、PvEシューターは転換期を迎えるのか?中国ゲーム業界の深層考察

2025年がゲーム業界にとって「新しい出発点」となるとの観測が、中国業界内で広がっています。特にシューターゲームの分野では、革新が頭打ちになりつつあるという声も聞かれます。しかし、一方で『ヘルダイバー2』のようなPvEシューターが世界中で大ヒットを記録し、中国国内でも意欲的な新作が続々と登場。PvPシューターの「索敵・交戦・撤退」を意味する「搜打撤」と呼ばれるプレイスタイルが次世代の「スーパープレイ」として注目される中、PvEシューターもまた独自の進化を模索しています。プレイヤーが本当に求めている「変化」とは何なのか、中国の専門家たちの視点からその深層に迫ります。

進化が止まったシューター市場?PvEの可能性と課題

近年、シューターゲームにおける革新の停滞が指摘されています。特にグローバルなヒット作を生み出す「スーパーPvPプレイスタイル」が業界の渇望の的となっています。中国では『三角洲行動(Delta Force: Hawk Ops)』が「搜打撤」(索敵・交戦・撤退)というユニークなプレイコンセプトで注目を集めましたが、海外プレイヤーの割合が国内に比べて低いという課題も抱えています。

PvPとPvE、異なるアプローチの探求

その一方で、『ヘルダイバー2』や『ウォーハンマー40,000:ダークタイド』といったPvEシューターが世界的に成功を収めています。「搜打撤」のシステムをPvEに取り入れた『超自然行動組』や、ユーモア要素を加えた『R.E.P.O』のような作品も登場。さらに、『三角洲行動』のプレイヤーコミュニティ内では、PvPではない「命の買い売り」といった非PvP的な行動も散見されるなど、市場がPvEに潜在的な需要を抱えていることを示唆しています。

直近では、中国国内からも『矩阵:零日危机(Matrix: Zero-Day Crisis)』、『逆战:未来(Reverse War: Future)』、『命运:群星(Destiny: Stars)』といったPvEシューターが発表され、新たな議論を巻き起こしています。これまで「伝統的なPvEシューター市場のユーザー層は限定的だ」と考えられてきましたが、それは私たちがまだ市場のニーズを引き出す「互換性のある方法」を見つけていないからではないか、という問いが投げかけられているのです。

コンテンツ制作の壁と市場のニーズ

PvEシューターの供給が「これまで比較的単一的だった」と、ある開発者は語ります。一般的に、PvE市場の規模は大手企業が見向きもしないほど小さいとされ、その規模は約25億ドル程度だと言われています。『Destiny』シリーズや『Warframe』のような代表的なタイトルはありますが、その多くは長い間アップデートが滞っています。中国の大企業のコストを考えると、PvEプロジェクトは「採算が合わない」とさえ言われる状況です。

しかし、これは「PvEシューターゲームはコンテンツ制作に『費用がかかりすぎる』」という根本的な問題に起因します。ゾンビ系(例:『Left 4 Dead』シリーズ)が最も制作難易度が低いとされる一方、『DOOM』のようなタイプはそれより高く、『ディビジョン』シリーズのような製品はさらに高度な手作業が必要となり、コンテンツ生産量が制限されます。コンテンツ制作のコストとユーザー規模の小ささが、結果として「マルチプレイでのハクスラ」といった比較的シンプルなゲームプレイに限定されてしまう現状を生み出しているのです。

このような状況から、市場ではパラドックスが生じています。ユーザーは新しいPvE体験を求めているのに、高価なコンテンツ制作費と限られたユーザー数ゆえに、開発側が長期的にその期待に応えられない。「ユーザーも開発側も渇望している」という状態が続いているのです。

「刷宝(ハクスラ)」がPvEシューターの未来を拓くか?

コンテンツ制作のコストとユーザー規模のジレンマを抱えるPvE市場において、いかにして「長寿タイトル」を育てるかは喫緊の課題です。ある開発責任者は、「長期運営を考える際、数値による課金(Pay-to-Win)は評判を落とすため、ほとんど行われない。ユーザーの離脱は避けられないため、スキン、キャラクター、シーズンパス、そして最終的には『刷宝』(ハクスラ/トレジャーハンティング)に行き着く」と語ります。

なぜ「刷宝」が長寿コンテンツの鍵となるのか

この問題は、ストーリー重視のPvEシューターの根幹を揺るがすだけでなく、PvEシューターのコンテンツ生産モデルにも影響を与えています。『Destiny 2』の新しい拡張パックが、最初の30分で高品質な体験を提供しプレイヤーに課金させる一方で、その後は繰り返しプレイが必要な要素が続くという現状は、このジレンマの一例です。『ウォーハンマー40,000:ダークタイド』も、発売当初は高品質なコンテンツで高評価を得ましたが、コンテンツがすぐに消費され尽くすと、長期的に低評価に苦しむことになりました。

PvEシューターは、最終的にプレイヤーが古いコンテンツを繰り返し体験する状況に陥りがちです。ここで重要なのは「どうすればプレイヤーが喜んで古いコンテンツを繰り返しプレイしてくれるか」という問題です。その解決策として有力視されているのが「刷宝(ハクスラ)」です。

「刷宝」は、プレイヤーに古いコンテンツを繰り返し体験させつつ、制作コストや難易度も比較的低いという利点があります。既存のゲームプレイにハクスラ要素を加え、シーズン制を導入したり、「ハクスラ+ローグライク」や「ハクスラ+複合的なゲームプレイ」といった組み合わせは非常に効果的です。『矩阵:零日危机』や『逆战:未来』もこの道を歩んでいます。

中国最新PvEシューターの挑戦

中国の新作PvEシューターにおいて、「刷宝」は異なる形で実装されています。『逆战:未来』では、レアな武器のドロップがコンテンツ体験の核となり、ハクスラがゲームの中心であり、プレイヤーが様々なゲームプレイを試す原動力となっています。一方、『矩阵:零日危机』では、ハクスラは「ローグライク」コンテンツを体験し終えたプレイヤーが時間を費やすための「エンドゲーム」要素に近い位置づけです。

どちらのゲームも、「装備とビルド(BD)を徐々にアンロックしてキャラクターを育成し、シーズン制でコンテンツをリセットしながら、新しいBDとルールを主軸に、新しいコンテンツを補助的に追加していく」という形式で、プレイヤーに古いコンテンツを繰り返しプレイさせることを目指しています。これは『Path of Exile 2』や『Diablo』シリーズに似ていますが、ハクスラもまた長期的な課題を抱えています。その根源は「ユーザーの本質的なニーズが異なる」ことにある、とある開発者は指摘しています。

日本のゲーマーにも影響?PvEシューターの今後の展望

中国ゲーム業界が直面しているPvEシューターの課題は、世界中の開発者やプレイヤーにとっても共通のテーマです。特にコンテンツ制作のコスト高、ユーザーニーズの変化、そして「刷宝(ハクスラ)」モデルの長期的な有効性といった問題は、日本のゲーマーにとっても無関係ではありません。

『ヘルダイバー2』の成功は、PvEシューターに新たな可能性を示しましたが、それが永続的な解決策となるかはまだ未知数です。今後、中国から生まれるであろう新たなPvEシューターが、このジャンルにどのような革新をもたらすのか、そしてそれが日本のゲーム市場やプレイヤーの体験にどのような影響を与えるのか、継続して注目していく必要があるでしょう。

元記事: chuapp

Photo by Karola G on Pexels

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