中国の最高峰大学の一つである復旦大学が、野心的なグローバル戦略を発表しました。2025年12月3日に開催された「復旦科創大会」にて、初期目標規模1億米ドルの「復旦科創海外投資基金」が正式に始動。これは、復旦大学の持つ革新的な科学技術成果を世界に展開し、中国のハードコア技術を普遍的なイノベーションへと昇華させるための重要な一歩です。エンジェルからAラウンドまでの早期段階プロジェクトに特化し、「起業家の最初の機関投資家」となることを目指します。
復旦大学、1億ドルの海外投資基金を始動!
2025年12月3日、「百舸(ひゃくが)競流、知恵を世界へ」をテーマに復旦大学で開催された「2025年復旦科創大会」は、中国の科学技術イノベーションにおける新たな節目となりました。この大会では、上海祖泉(Zuoquan)イノベーション転化研究院の正式な設立発表や、最初の「祖泉パートナー」の発表と並び、注目の「復旦科創海外投資基金」が正式に始動しました。本基金は、初期目標規模として1億米ドルを掲げ、復旦大学が構築する包括的な大学発イノベーションエコシステムの体制を示すものです。
この海外投資基金の主な目的は、復旦大学の革新的な研究成果を国際市場へ展開し、海外の優れた国際企業や人材を中国へと誘致することにあります。同時に、中国国内で生まれたイノベーション企業の国際化プロセスを加速させ、グローバルな舞台での競争力を高めることを目指しています。
投資戦略と重点分野
「復旦科創海外投資基金」は、特にエンジェルラウンド、Pre-Aラウンド、Aラウンドといった早期段階のプロジェクトに焦点を当てています。投資方針として「起業家の最初の機関投資家」となることを掲げ、創業初期の企業に対して手厚い支援を行う構えです。投資の重点分野は「3+X」戦略に基づいています。具体的には、生命健康、人工知能(AI)、新エネルギー・新素材の3つの主要分野に加えて、将来的な可能性を秘めた「X」領域にも注目します。復旦大学のコア研究機関や実験室から生まれる独創的な技術成果を重視し、企業の「1から10」(初期成長から規模拡大)の産業化と商業化を強力に後押しする方針です。
中国のイノベーションエコシステムを世界へ
復旦大学は、この海外投資基金を通じて、国際的な資本プラットフォームを構築し、復旦大学の海外イノベーションエコシステムをより充実させることを目指しています。これにより、海外に拠点を置きつつも中国での発展に関心を持つ国際企業や人材を惹きつけ、復旦大学の科学研究成果や中国国内のイノベーション企業の産業化と国際化プロセスを加速させることが期待されます。
この取り組みは、単に資金を投じるだけでなく、中国の硬核(ハードコア)技術におけるブレークスルーを世界全体に利益をもたらす普遍的なイノベーション成果へと転換させ、グローバルな科学技術の構図における中国の影響力を一層向上させるという、より大きな目標を内包しています。
まとめ
復旦大学による1億ドルの海外投資基金の始動は、中国が自国の科学技術イノベーションを世界に広げ、国際的な影響力を強化しようとする強い意志の表れと言えるでしょう。特に、生命健康、AI、新エネルギー・新素材といった最先端分野での初期投資に注力することで、将来のグローバル市場をリードする中国発の技術や企業が生まれる可能性を秘めています。この動きは、日本のスタートアップや投資家にとっても、中国市場との連携や新たな競争環境を考える上で注目すべき重要なトレンドとなるでしょう。大学が主導する国際的なベンチャー投資の拡大は、今後の中国テック企業のグローバル展開をさらに加速させることにも繋がるはずです。
元記事: pedaily
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