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2026年、家電製品が「史上最高値」に?AI需要が牽引するメモリ価格高騰の波

AI chip memory module - 2026年、家電製品が「史上最高値」に?AI需要が牽引するメモリ価格高騰の波

AI技術の進化が目覚ましい昨今、その裏側で予期せぬ形で私たちの生活に影響が及ぼうとしています。中国のテクノロジーメディア「pedaily」によると、2026年には消費者が手にする家電製品が「史上最も高価な年」を迎える可能性があるとのこと。AIサーバー向けメモリの需要が爆発的に増加し、ストレージチップの価格が狂乱的な高騰を見せているのがその主要因です。この価格上昇の波は、私たちのPCやスマートフォンにも波及し、製品の価格改定やスペック変更を余儀なくされるかもしれません。

2026年、家電製品が「史上最も高価な年」に?

市場調査機関Counterpoint Researchの報告によれば、ストレージ市場の状況は既に2018年の過去最高値を上回り、サプライヤーの値決め能力は歴史的な高水準に達しています。特に2026年第1四半期には市場価格が40%から50%も上昇し、第2四半期もさらに約20%の値上がりが続くと予測されています。

具体的な事例として、16GBのDDR5ノートPC向けメモリの価格は、わずか数ヶ月で380元(約8,000円)台から1399元(約30,000円)まで急騰しました。さらに、サーバー向けの256GB DDR5メモリに至っては、1本あたり4万元(約85万円)を超え、100本で約400万元(約8,500万円)となり、これは上海の一部の中小規模マンションの価値をも上回るほどの高騰ぶりです。TrendForce集邦諮詢の調査報告も、ストレージチップの高騰が下流の電子消費財価格を押し上げると指摘しており、スマートフォンやパソコンといった最終製品も、価格の見直しやスペックの調整を迫られることになるでしょう。これが、2026年が消費電子製品にとって「最も高価な年」となる可能性を示唆しています。

AIが牽引するメモリ市場の激変

ストレージチップの価格がこれほどまでに高騰している直接的な原因は、AIサーバーの需要が激増していることにあります。公開データによると、AIサーバー1台あたりのメモリ需要は、従来のサーバーのなんと8倍から10倍にも及ぶとされています。AI大手企業は、この止まらないメモリ需要を満たすため、大量のHBM(High Bandwidth Memory)生産能力を確保する動きを見せています。

HBMの革新と市場への影響

HBMは、従来のメモリ(GDDR5など)が2次元的に基板上に配置されるのに対し、チップを垂直に積層し、「シリコン貫通ビア(TSV)」と呼ばれる数千本の微細な配線で各層を直接相互接続します。これにより、データ伝送経路が大幅に短縮され、極めて高いデータ転送効率を実現します。HBMは、帯域幅が非常に高く、消費電力が低く、物理的な占有スペースも小さいという特性から、AIサーバーに最適なメモリとして急速に採用が進んでいます。

しかし、HBMの生産には課題もあります。1枚のHBMウェハーを生産するために必要な総合生産能力は、同じサイズの標準DRAMウェハーの3倍以上にもなります。このため、世界の三大ストレージメーカー(サムスン、SKハイニックス、マイクロン)は、利益最大化を追求する中で、限られた高精細な生産能力(ウェハー、プロセス、パッケージング)を、より高い利益が見込めるサーバー向けHBMへと大規模に転換しています。これが、従来のDDR4/LPDDR4Xなどのストレージ製品への供給を直接的に奪う結果となっています。市場のもう一方では、従来のストレージに対する「ロングテール需要」が依然として存在しており、この急激な需給ミスマッチが価格の急騰を引き起こし、さらに業界全体の買い溜めや投機行為によってその勢いが加速されている状況です。

まとめ: 日本の消費者が直面する未来と今後の展望

新しいウェハー工場やパッケージング生産能力の建設には2~3年の期間が必要となるため、ストレージチップの生産能力の逼迫状況は、短期的には根本的な解決が難しいと見られています。これは、日本の消費者にとっても他人事ではありません。PCやスマートフォン、さらには様々なスマート家電など、メモリを搭載するあらゆる製品の価格上昇が避けられない状況となるでしょう。

私たちは、このAIがもたらす技術革新の恩恵を享受する一方で、その裏側で進行するサプライチェーンの構造変化と、それがもたらす物価上昇という新たな課題に直面することになります。製品の購入時期やスペック選びにおいて、これまで以上に慎重な判断が求められるかもしれません。今後の市場動向、そして各メーカーの戦略変更が、私たちのデジタルライフにどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があります。

元記事: pedaily

Photo by Sergei Starostin on Pexels

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