中国の有名ゲームメディア「触乐」の記者が、米国で体験したエンターテイメントショー「Medieval Times(中世時代)」のレポートをお届けします。まるでゲームの世界に迷い込んだかのような没入感、観客を巻き込むユニークな演出、そして迫力満点の馬術と劇的なストーリー展開は、まさに「中二病」の心をくすぐる最高の体験だったといいます。このレビューから、単なる観光アトラクションではない、奥深い「エモーショナルバリュー」を持つ体験型エンターテイメントの魅力を見ていきましょう。
騎士が招く中世の宴へ!没入感あふれる演出
筆者が米国滞在中に訪れた「Medieval Times」は、人気の米ドラマ『七王国の騎士』に登場するような騎士による槍試合を模した騎術ショーです。しかし、暴力性は抑えられ、随所にエンターテイメント要素が散りばめられています。会場はまるで本物のお城のよう。一歩足を踏み入れると、騎士や侍従に扮したスタッフが来場者を「殿下」「夫人」「王子」「姫」といった中世の貴族の呼称で迎えてくれます。ここからすでに、観客はショーの一部として、中世の世界に招き入れられているのです。
「中二病」魂をくすぐる会場の仕掛け
このショーの特筆すべきは、観客の巻き込み方でしょう。例えば、誕生日を祝う来場者は、自分で考えた称号(「ドラゴンキラー」や「大法師」など)をスタッフに伝えると、ショーの途中でそれを大声で読み上げ、会場全体で祝福してくれます。筆者の観察では、多くの地元の人々が「社死(社会的に死ぬこと)」を恐れず、毎年このユニークな方法で誕生日を祝うそうです。さらに、中世風の衣装や、人気ファンタジー作品のキャラクター(『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリスや『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフなど)のコスプレで参加する観客も多く、彼らは騎士たちから敬意の挨拶を受けます。このように、観客自身が中世の世界の一員となることで、ショーへの没入感は格段に高まります。
ショーは、国王と王妃が領主たちの同盟を祝う比武大会兼宴席という設定。そのため、入場の際にはローストチキンをメインとするフルコースの食事が提供されます。味は本格的なレストランには及ばないものの、ボリューム満点で、手づかみで食べるのがデフォルト。油まみれになりながら、中世の貴族になりきって食事を楽しむ体験は、非常に面白いとのことです。会場では本格的なレプリカの鎧まで販売されており、その徹底した世界観作りには驚かされます。
迫力満点の馬術と劇的なストーリー展開
ショーの主役は、もちろん馬と騎手です。登場するのは主にアンダルシア馬という、高貴で力強いヨーロッパの伝統的な戦馬たち。総勢8人の騎士が人馬合わせて2メートルを超える姿で一列に並んだ時の迫力は、「人高馬大(背が高く大柄)」という言葉を文字通り体現しています。しかし、その巨体にもかかわらず、彼らは決して広くない会場で、まるで精密な列を組んだかのように優雅に交差し、小走りをするのです。途中には小歩舞曲の披露や、一頭の白馬による単独展示もあり、その姿は『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する白のガンダルフの愛馬「シャドウファックス」を彷彿とさせるほどの神々しさです。
リアルとフィクションが融合する騎士道バトル
観客が最も期待する騎槍試合も、見どころ満載です。馬が小走りする間に槍の先端で会場上部に吊るされた小さな鉄の輪を正確に引っ掛けたり、並んで走る騎士同士が旗を投げ渡したりと、アクロバティックな技が披露されます。挑戦に成功した騎士には、応援する観客席の女性たちから花が投げられる演出も。そして最後には、幸運なVIP観客の中から「愛と美の王妃」が選ばれます。
友誼戦かと思われたショーは、突如として劇的な展開を迎えます。騎士たちの中に反逆者が現れ、激しい戦闘が繰り広げられるのです。槍や盾が砕け散り(安全のため会場両側には保護幕が設置されています)、武器は小道具と分かっていても火花が飛び散る様子は大迫力。筆者は、出演者と馬が、普段は映画業界のスタントマンとして活躍しているのではないかと推測するほど、そのアクションはプロフェッショナルです。最終的には一人の勇士と反逆者による決闘が繰り広げられ、観客は正義と悪の壮絶な戦いに熱狂します。
まとめ: 単なるショーを超えた「エモーショナルバリュー」
この「Medieval Times」は、高級なサーカスにストーリー性を加えたような内容ですが、何よりも観客に没入感と「エモーショナルバリュー」を存分に提供してくれる点が魅力です。記念品店では、おもちゃの剣や盾、ヘルメット型の野球帽、ぬいぐるみ製のドラゴン、さらには魔法書まで、遊び心あふれるグッズが販売されており、ショーの余韻を家に持ち帰ることができます。
ショー中にはユーモラスな場面もあり、例えばある黒馬の騎士の馬が、ショーの最中に排泄してしまい、侍従が慌てて片付ける一幕には、会場全体から笑いが起こりました。大雪の中での訪問は大変だったものの、筆者にとっては非常に楽しく、見応えのある体験だったようです。
このショーは、単にパフォーマンスを見るだけでなく、観客が自ら参加し、キャラクターになりきって楽しむことで、特別な感情的な体験を得られる点が特徴です。このような没入型のエンターテイメントは、日本のゲーム文化やコスプレ文化とも親和性が高く、将来的に日本市場でも同様の体験型コンテンツが注目される可能性を秘めていると言えるでしょう。
元記事: chuapp












