ゲーム業界に激震が走ったマイクロソフトによるActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)買収。その裏でくすぶり続けていた株主訴訟において、マイクロソフトが2億5000万ドル(日本円で約390億円)という巨額の和解金を支払うことで合意したと報じられました。元CEOボビー・コティック氏の性ハラスメント疑惑が買収を急がせた、との主張が背景にあるこの問題は、史上最大のゲーム買収案件に新たな波紋を投げかけています。
買収にまつわる巨額訴訟、その背景とは
今回の訴訟は、スウェーデンの年金基金「第7AP基金(Sjunde AP-Fonden、以下AP7)」が2022年に提起したものです。AP7は、Activision Blizzardの元CEOであるボビー・コティック氏が、当時問題となっていた社内の性ハラスメント疑惑とその影響から逃れるために、会社売却を急いだことが株主価値を不当に損ねた、と主張しています。
具体的には、マイクロソフトが提示した1株あたり95ドルの買収価格が、コティック氏の「緊急性」によって低く抑えられ、AP7を含む他の株主がより高いリターンを得る機会を奪ったと訴えています。これに対し、コティック氏側は、AP7がスウェーデンのゲーム企業であるEmbracer Groupと共謀し、Activision Blizzardのカリフォルニアにおける事業を妨害しようとしたと反論しましたが、Embracer Groupはこの主張を断固として否定しました。
マイクロソフトの対応と今後の展望
このような状況の中、本件の被告の一つであったマイクロソフトは、和解金として2億5000万ドルの支払いに同意しました。しかし、和解通知書によると、マイクロソフトは「継続的な訴訟に伴う負担、費用、そして混乱を避けるため」に合意したものであり、Activision Blizzard社内での不適切な行為やコティック氏の関与に関するいかなる主張も認めていないことを明確にしています。
さらに、和解通知書では、カリフォルニア州公民権局(DFEH)が「Activisionに組織的または広範囲なセクシャルハラスメントが存在するという司法機関または独立した調査による確認はない。また、Activisionの経営陣、ボビー・コティック氏を含む、が組織的なハラスメントを無視、容認、または黙認したという証拠もない」と明言していることも指摘されています。
まとめ
マイクロソフトによるActivision Blizzard買収は、まさに「天文学的な買収額」と表現されましたが、その後も法的な争いや論争が絶えません。今回の巨額和解金は、買収劇の複雑さと、それに伴う企業の責任問題、さらにはガバナンスのあり方を改めて浮き彫りにしました。
マイクロソフトが訴訟の終結を望む一方で、今回の和解がActivision Blizzard社内の問題、特に元CEOの行動が本当に適切だったのかという疑問に完全な答えを与えるわけではありません。史上最大のゲーム買収が、本当に「塵が落ちて」落ち着く日は来るのでしょうか。日本市場にも影響を与えうるこの大規模な動きから、今後も目が離せません。
元記事: gamersky
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