AMDの次世代GPUアーキテクチャ「RDNA 5」を搭載する「Radeon RX 10000」シリーズの衝撃的なリーク情報が飛び込んできました。中国の技術系ニュースサイト「快科技」が報じた情報によると、NeoGAFフォーラムに投稿された内容から、最上位モデルからエントリークラスまで4種類のGPUのスペック、性能目標、価格が詳細に明かされています。特に注目すべきは、これまでデスクトップGPUではあまり例のなかった低消費電力メモリ「LPDDR5X」がローエンドモデルに採用される可能性です。これはコスト削減や新たな性能最適化戦略の一環と見られ、「AMD GPUのZen時代」と称されるRDNA 5の革新性を示唆しています。日本市場におけるAMDの競争力向上にも繋がるか、大きな期待が寄せられます。
AMD次世代GPU「RDNA 5」の全貌が明らかに
「Zen時代」を告げる革新
リークされた情報によると、RDNA 5アーキテクチャはコードネーム「AT(Alpha Triton)」と呼ばれ、最先端のTSMC N3Pプロセスを採用するとのこと。フルスペックのAT0コアは「RX 7900 XTX」の2倍にあたる192基の計算ユニット(CU)を擁しますが、これは主にAI製品向けに温存され、ゲーム用GPUには規模を縮小したコアが搭載される見込みです。AMDのCPUが「Zenアーキテクチャ」で飛躍的な進化を遂げたように、RDNA 5もGPU市場における「Zen時代」を築くとの期待が寄せられています。
主要モデルと驚きの性能目標
今回のリークでは、以下の4モデルの具体的なスペックと性能目標、価格が提示されました(※価格はリーク情報に基づくものであり、現在のレートで日本円換算したものです)。
- Radeon RX 10050 XT(エントリーモデル): 24 CU、レイトレーシング性能はGeForce RTX 3070に匹敵。12~16GBのLPDDR5Xメモリを搭載し、価格は300~350ドル(約4.7万~5.5万円)を想定。
- Radeon RX 10060 XT: 48 CU、全体的な性能はGeForce RTX 4080 Superに迫る。16~24GBのLPDDR5Xメモリを搭載し、価格は450~550ドル(約7.1万~8.7万円)を想定。
- Radeon RX 10070 XT: 68 CU、レイトレーシング性能はGeForce RTX 5080に匹敵。16~24GBのGDDR7メモリを搭載し、価格は700~800ドル(約11万~12.6万円)を想定。
- Radeon RX 10090 XT(フラッグシップ): 96 CU、GeForce RTX 5090に近い性能目標。24~36GBのGDDR7メモリを搭載し、価格は1000~1200ドル(約15.8万~19万円)を想定。
クロック周波数はエントリーモデルで3.5GHz、フラッグシップで3.0GHzと非常に高く、メモリ帯域幅も160GB/sから1.71TB/sと幅広いラインナップとなります。
異例のLPDDR5Xメモリ採用!その狙いとは?
デスクトップGPUにおけるLPDDRの可能性
今回のリークで最も特異なのは、ローエンドのRX 10050 XTとRX 10060 XTの2モデルにLPDDR5Xメモリが採用されるとされている点です。LPDDR(Low Power Double Data Rate)は、その名の通り低消費電力環境向けに設計されたモバイルデバイスで主流のメモリ規格であり、これまでデスクトップGPUで採用された前例はほとんどありません。デスクトップGPUは通常、十分な冷却と電力供給のもとで最高の性能を引き出すため、より広帯域なGDDRシリーズメモリが使われてきました。
コスト削減と将来への布石
AMDがLPDDR5Xを採用する可能性のある理由として、まずコスト削減が挙げられます。LPDDRはパッケージングが小さく、基板の複雑さや製造コストを抑えるのに役立つ可能性があります。また、最新のメモリ圧縮技術(インクリメンタルカラー圧縮、ディープバッファ圧縮、フレームバッファ圧縮など)を用いることで、GPUとメモリ間のデータ転送量を減らし、LPDDRが持つ帯域幅の限界を補うことも可能です。
さらに、AMDはRDNA 5でより効率的なメモリ圧縮技術を導入し、デスクトップGPUでその有効性を検証した後、将来のAPU(Accelerated Processing Unit)やハンドヘルドデバイス向けチップに応用する意図があるかもしれません。これらのチップは元々LPDDRメモリを使用しており、メモリ帯域がボトルネックになりやすいからです。
レイトレ性能は大幅向上、ラスタライズ性能は堅実進化
RDNA 5アーキテクチャでは、レイトレーシング性能がRDNA 4と比較して2倍に向上するとされています。これは、NVIDIAに後塵を拝してきたレイトレーシング分野での巻き返しを狙うAMDの強い意志を示しています。一方で、ラスタライズ性能(通常のゲーム描画性能)については、RDNA 4の約1.1倍と堅実な進化に留まる見込みです。これは、コアアーキテクチャの大幅な見直しによる効率向上と、レイトレーシングに重点を置いた最適化のバランスを取っていることを示唆しています。
まとめ
AMDがRDNA 5で提示しようとしているのは、単なる性能向上に留まらない、より戦略的なアプローチだと言えるでしょう。特にLPDDR5Xの採用は、今後のGPU設計における新しいトレンドを示唆する可能性があり、消費電力効率とコストパフォーマンスのバランスを重視する市場において大きな意味を持つかもしれません。NVIDIAとの競争が激化する中で、AMDが「Zen時代」と称されるこのRDNA 5アーキテクチャでゲーム市場だけでなく、AI分野など新たな領域でのプレゼンスを高められるか注目されます。日本市場においても、AMDのコスパの高いGPUは常に高い人気を誇っており、今回のRDNA 5シリーズがPCゲーマーやクリエイターにとって魅力的な選択肢となることは間違いありません。
元記事: mydrivers
Photo by Adriano Ponte Abreu on Pexels












