中国のEV新興企業「小鵬(Xpeng)」から、純電動セダン「全新小鵬P7(新型小鵬P7)」が中国で初公開されました。女優の鍾楚曦(Zhong Chuxi)氏がイメージキャラクターを務めるこの新型車は、発表直後から大きな注目を集め、なんと先行予約開始からわずか6分足らずで予約台数が1万台を突破するという驚異的な人気ぶりを見せつけています。未来感あふれるオリジナルデザインと、時代を先取る高性能を兼ね備えた新型P7は、中国EV市場の新たなベンチマークとなる可能性を秘めています。
時代を先取る「未来感」デザイン
新型小鵬P7は、その「未来感あふれるオリジナルデザイン」で発表会場を沸かせました。何小鵬CEOが「時代を超越した作品」と語る通り、超低姿勢のワイドボディが特徴的なスポーツカーフォルムに、超薄型の電動一体型リアウィング、そして車体と一体化したフラット発光ロゴが配されています。まるでSF映画から飛び出してきたかのような外観は、見る者を惹きつけます。
インテリアにもこだわりが凝縮されています。三層シルバーコーティングを施したパノラマサンルーフは、紫外線と赤外線を99%以上カットし、快適な室内空間を提供。後部座席には8インチのエンターテインメントスクリーンが備わり、車内には23個のカスタムHiFiスピーカーが配置され、極上のサウンド体験を約束します。さらに、ファーウェイと共同開発した87インチの超大型パノラマヘッドアップディスプレイ(HUD)は、運転に必要な情報を鮮やかに、かつ視認性高く表示します。
小鵬は何小鵬CEOのリーダーシップのもと、今後「見た目第一」の製品ロジックを強化していくと表明しており、新型P7はその第一歩となるモデルです。以前のG7モデルで一部からデザイン面での指摘があったことを踏まえ、P7ではその挽回を図った形となります。
驚異のパフォーマンスと最先端技術
新型小鵬P7の魅力はデザインだけではありません。そのパフォーマンスと技術スペックは、まさに「未来」を感じさせます。
- 高性能AIチップ: 全モデルに3基のTuring AIチップを標準搭載。総合演算能力は2250TOPS(Tera Operations Per Second)を超え、高度な自動運転(智駕VLA)やスマートコックピット(智舱VLM)の大規模AIモデルを車両内でスムーズに処理することを可能にします。
- 加速・最高速度: 0-100km/h加速はわずか3.7秒、最高時速は230km/hに達し、その圧倒的な走行性能を誇ります。
- 超急速充電: 全域800Vプラットフォームに対応した5C超急速充電AIバッテリーを搭載。わずか10分間の充電で航続距離525kmを確保し、CLTC基準での最大航続距離は820kmにも及びます。充電のストレスを大幅に軽減し、長距離ドライブにも対応します。
- 快適な居住性: トランク容量は575Lと広く、実用性も兼ね備えています。
瞬く間に予約殺到!中国市場の熱狂
新型小鵬P7の中国での人気は、その予約状況からも明らかです。8月6日夜の発表会で先行予約が開始されると、わずか6分足らずで予約台数が1万台を突破しました。この勢いは、初代小鵬P7が中国の新興EVとして初めて販売台数10万台を突破した実績を持つことからも、新型への期待の高さが伺えます。
購入者向けの特典として、99元(日本円で約2,000円)の予約金が3,000元(約6万円)の車両購入費用に充当されるキャンペーンも実施されており、これが予約殺到に拍車をかけたと考えられます。新型P7の正式な発売と価格発表は、今月下旬に予定されています。
まとめ
「見た目第一」という新たなデザイン哲学のもと、未来感あふれるデザインと驚異的な性能を両立させた新型小鵬P7は、中国EV市場に大きなインパクトを与えています。わずか数分で1万台の予約を達成したという事実は、小鵬のブランド力と製品への消費者の期待の高さを如実に示しています。
高性能AIチップによる高度な自動運転機能や、800Vプラットフォームによる超急速充電能力は、今後のEV技術の方向性を示すものと言えるでしょう。中国EV市場では、各社がしのぎを削り、技術革新のスピードが加速しています。今回の新型P7の成功は、小鵬がこの競争の中でさらに存在感を増していくことを予感させます。
日本市場への直接的な影響はまだ小さいかもしれませんが、中国から生まれるこのような革新的なEVは、世界の自動車産業全体に大きな刺激を与え、EVの未来を形作る上で無視できない存在となっていくでしょう。
元記事: 科客,主见不成见
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