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中国EV最大級IPOの衝撃、Nokiaの市場戦略転換、Insta360の価格競争対応

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2025年11月5日、世界のテクノロジーとビジネス界に注目すべき大きな動きが報じられました。特に、中国の高級EVメーカー「Seres(賽力斯)」が香港市場で大規模なIPO(新規株式公開)を予定し、今年の自動車関連IPOとしては最大級となると見られています。また、長らく通信業界を牽引してきたNokiaがパリ証券取引所からの上場廃止を決定。さらに、アクションカメラ大手のInsta360が、競合であるDJIとの価格競争に対する戦略を明らかにするなど、多岐にわたるニュースが市場を賑わせています。これらの動向は、各企業の未来だけでなく、業界全体のトレンドを形作る重要な要素となるでしょう。

中国EV市場の新たな波:Seresの大型IPOと競争戦略

中国の高級新エネルギー車(NEV)メーカーである「Seres(賽力斯)」が、11月5日に香港証券取引所への上場を果たし、証券コード「9927」で取引を開始する予定です。これは中国企業として初の「A株+H株」両市場に上場する豪華EVメーカーとなります。Seresは香港でのIPOにおいて、基礎発行規模として1億20万株のH株を計画しており、最大販売価格1株あたり131.50香港ドルと仮定すると、約129.249億香港ドル(約2,500億円超)の純資金調達を見込んでいます。

Seresのこの動きは、競争が激化する中国EV市場において、さらなる成長とグローバル展開を目指す強い意志を示しています。同社は、高品質な製品と革新的な技術を武器に、国内外での地位確立を図っていくことでしょう。

アクションカメラ市場の動向:Insta360とDJIの価格競争

一方、アクションカメラ市場では、Insta360 Innovation(影石创新)の劉靖康会長が、競合であるDJI(大疆)との間で激化する「価格競争」について言及しました。11月4日の第3四半期業績説明会で投資家からの質問に対し、劉会長は、DJIが全天球カメラ市場に参入したことで価格競争が起こり、これが市場拡大の条件を生み出していると回答。市場競争を通じた成長は、業界全体の共通目標であると強調しました。

また、Insta360の第3四半期純利益が前年同期比で減少したことについて、劉会長は、チップのカスタマイズや戦略的プロジェクトへの多額の投資が主な原因であると説明。これらの投資要因を除けば、利益指標は向上しており、これは企業の積極的な戦略調整の段階であり、受動的な「増収減益」に陥っているわけではないと強調しました。

Nokiaの市場戦略変更とその他の注目ニュース

Nokia、パリ証券取引所からの上場廃止へ

フィンランドの通信機器大手Nokiaは、フランスのユーロネクスト・パリ証券取引所からの株式上場廃止を決定しました。この決定は、同市場での取引量の少なさ、関連コスト、および管理要件を総合的に評価した結果です。Nokiaの株式は引き続きヘルシンキのナスダック証券取引所とニューヨーク証券取引所で取引され、米国預託証券(ADR)もニューヨーク市場で上場を継続します。上場廃止は、ユーロネクスト・パリの取締役会の承認が得られれば、今後3ヶ月以内に発効する見込みです。

中国市場を巡る資本とブランドの再編

他の注目すべき動きとして、VC(ベンチャーキャピタル)出身の鄧偉明氏が率いる「中偉股份(Zhongwei Shares)」が香港市場でのIPOを計画していることが報じられました。同社は2020年に創業板に上場後、一時貴州省で茅台に次ぐ時価総額を誇る企業となり、現在は約400億元(約8,000億円超)の時価総額を維持しています。これは、創業者個人の起業家精神と、新エネルギー分野へのタイミングの良い転換が実を結んだ事例と言えるでしょう。

さらに、スターバックス中国事業における大きな資本再編もありました。スターバックスは、中国事業の60%の株式を現地プライベートエクイティ大手の霸锐资本(Baring Private Equity Asia、現EQT Private Equity Asia)に約40億ドル(約6,000億円超)で売却。スターバックスは40%の株式とブランド・知的財産権を引き続き保有します。中国市場参入から26年、スターバックスは現地ブランドとの激しい競争に直面しており、今回の提携は、中国市場での新たな成長戦略の一環と見られています。

まとめ

今回の一連のニュースは、世界のテクノロジーとビジネスが激動の時代にあることを如実に示しています。中国のEV企業Seresが大規模IPOで存在感を高める一方で、Nokiaは効率性を求めて上場市場を再編。また、Insta360とDJIのような革新的な企業間での競争は、市場全体の成長を促す要因にもなっています。スターバックス中国事業の再編も、グローバルブランドがローカル市場に適応するための戦略的な動きを示唆しています。

これらの動向は、日本企業にとっても、中国市場の活況やグローバル競争の激化、そして新たなパートナーシップの可能性を探る上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。今後の各企業の戦略と、それが業界全体にどのような影響をもたらすか、引き続き注目していく必要があります。

元記事: pedaily

Photo by Hanna Pad on Pexels

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