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中国スパコン、9年ぶり世界一!中科曙光が切り拓く国産計算力の未来

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中国の高性能コンピューター大手「中科曙光(Sugon、証券コード: 603019)」が、資本市場で注目を集めています。2026年6月25日には株価がストップ高を記録し、終値97.82元、総時価総額は1431億元(約3兆1000億円)を突破しました。この目覚ましい躍進の背景には、同社がグローバルスーパーコンピューティング分野で達成した画期的な成果があります。ドイツで開催されたISC2026会議で、中科曙光が独自開発したE級スーパーコンピューター「霊智(Lingzhi)」が、実測ダブル精度計算力2.198EFLOPSを叩き出し、世界のTOP500リストで堂々の1位を獲得。これは、中国のスーパーコンピューターが9年ぶりに世界の頂点に返り咲いたことを意味します。米国による制裁リスト入りという逆境を乗り越え、国産技術で世界の最前線に躍り出た中科曙光の成長と、その裏に潜む課題について深掘りします。

中国スパコン、9年ぶりに世界トップへ!中科曙光の快進撃

中科曙光の歴史は、1984年に中国科学院計算技術研究所が設立した科学技術企業にまで遡ります。2006年に現在の「中科曙光」に改名して以来、同社は計算力インフラの全産業チェーンに深くコミットしてきました。高性能コンピューター、汎用サーバー、ストレージ機器といったIT製品の研究開発・製造に加え、クラウドコンピューティング、データセンター、液冷技術、計算力サービスといった高付加価値分野へも積極的に事業を拡大しています。

2019年には米国商務省のエンティティリスト(禁輸リスト)に掲載されましたが、これは技術革新の歩みを止めるどころか、国産代替化のプロセスを加速させる結果となりました。そして2026年、ISC2026での「霊智」によるTOP500リスト1位獲得は、中国が自国の技術力で世界の頂点に到達できることを明確に示した象徴的な出来事です。

技術革新と強靭なビジネスモデル

中科曙光の財務データを見ると、堅調な成長が伺えます。2025年の通期売上高は149.64億元(前年比13.81%増)、純利益は21.76億元(同13.87%増)を達成。特に注目すべきは高付加価値事業の伸長です。ソフトウェア開発、システム統合、技術サービス部門の売上は前年比75.34%増と急成長し、全体の売上構成比も16.35%に上昇しました。これらの事業の粗利益率は47.25%と、従来のIT機器事業を大きく上回る収益性を誇ります。2026年第1四半期も、売上高31.99億元(同23.71%増)、非経常損益を除く純利益は53.30%増と、力強い成長を維持しています。

AIと国産化を加速する大規模投資

技術的なブレイクスルーが、中科曙光の時価総額上昇の核心的な原動力です。同社が発表した単一ラック型スパコンノード「ScaleX640」は、数千億パラメータを持つ大規模モデルの学習をサポートする1万枚規模のAIクラスター構築を可能にします。また、2026年4月には、同社が建設を請け負った国内最大規模のAI4S国産計算力クラスター(6万枚のアクセラレーターカードを搭載)が、鄭州国家スーパーコンピューターインターネット中核ノードで正式に稼働を開始しました。このクラスターはAI計算向けオープンアーキテクチャを採用し、複数のブランドのアクセラレーターカードに対応、さらにCUDAをはじめとする主流プラットフォームをカバーすることで、異種計算の互換性問題を効果的に解決しています。

資本運用面では、中科曙光は転換社債を通じて計算力基盤の整備を加速しています。2026年2月には、最大80億元(約1700億円)の転換社債発行計画を発表。その資金は以下の3つの主要分野に投入される予定です。

  • 35億元: 人工知能先進計算力クラスターシステム構築
  • 25億元: 次世代高性能AI学習・推論一体型マシン開発
  • 20億元: 国産化先進ストレージシステムの研究開発

これらの一連の施策は、同社が計算力エコシステムの強化に深くコミットしていることを示す重要なシグナルと市場では受け止められています。

関連企業「海光情報」との相乗効果

中科曙光は、関連企業である「海光情報(Hygon Information)」の成長からも大きな投資収益を得ています。海光情報の筆頭株主(持株比率27.96%)として、2026年第1四半期には1.87億元(前年比43.36%増)の投資収益を計上しました。海光情報自体も同期に売上高40.34億元、純利益6.87億元と高成長を維持しており、中国における国産チップ代替の市場潜在力をさらに証明しています。

課題と今後の展望

しかし、中科曙光の成長が順風満帆というわけではありません。顧客集中度の高さは依然として課題であり、2025年には上位5顧客で売上高の82.56%を占めています。また、営業キャッシュフローの変動も懸念材料です。2025年の営業活動によるキャッシュフローは純額で前年比51%減となりました。

それでも、米国からの制裁を乗り越え、国産技術を磨き上げ、世界のスーパーコンピューター市場で頂点に返り咲いた中科曙光の躍進は、中国が「計算力大国」として世界における地位を確立しつつあることを如実に示しています。彼らの技術革新と積極的な投資戦略は、今後もグローバルなテック業界、特にAIと高性能計算分野において、大きな影響を与え続けるでしょう。日本企業にとっても、中国の技術動向を理解し、適切な戦略を立てることがますます重要になってきます。

元記事: pcd

Photo by panumas nikhomkhai on Pexels

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