中国のテクノロジー大手シャオミ(Xiaomi)が、今後5年間で世界企業トップ100入りを目指すという、野心的な目標を掲げました。同社のパートナー兼総裁である盧偉氷(ルー・ウェイビン)氏が先日、インタビューでこの大胆なビジョンを明らかにしました。これは、創業者・雷軍(レイ・ジュン)氏が10年前に掲げた「アップルに匹敵する」という戦略的目標の延長線上にあり、過去5年間でシャオミが進めてきたハイエンド化への転換と、その裏付けとなる技術的基盤の蓄積が自信の源となっています。単なる財務指標だけでなく、チップ研究開発をはじめとするコア技術への戦略的な投資こそが、この壮大な目標を支える鍵となるでしょう。
シャオミが掲げる「5年で世界トップ100」の挑戦
シャオミの盧偉氷総裁は、今後5年以内に世界企業ランキングでトップ100入りを果たすという、極めて野心的な目標を公表しました。この目標は、かつて雷軍CEOが表明した「アップルに匹敵する」という戦略的ビジョンを継承し、シャオミがこれまで培ってきた技術力への自信を反映しています。しかし、この目標達成には大きなハードルが存在します。
例えば、2025年の「フォーチュン」世界500強ランキングのデータを参照すると、現在のシャオミの年間売上高3659億元(約7.6兆円)に対し、世界100位の企業の売上高は6336億元(約13.1兆円)と、大幅な差があることが分かります。しかし、盧総裁は、この目標を支えるのは単なる売上高の数字だけではないと強調しています。彼が最も重視するのは、シャオミがチップ開発といったコア技術分野で展開する戦略的投資と、それによって培われる技術的な強みです。
盧総裁は、将来の携帯電話業界が「自社開発チップを持つ企業」と「持たない企業」に明確に二分されると予測しており、基盤となる技術力が企業の競争力を決定づけると考えています。この発言は、シャオミが技術革新を最優先事項として位置づけていることの表れと言えるでしょう。
ハイエンド化と技術投資への苦難の道のり
シャオミのハイエンド化への道のりは、決して平坦ではありませんでした。2019年にはXiaomi 9で初めて3000元(約6.2万円)を超える価格帯に挑戦しましたが、市場の冷淡な反応に直面し、当時のハイエンド市場に対する認識の限界が露呈しました。また、2021年に発表された折りたたみスマホ「MIX Fold」やフラッグシップモデル「12S Ultra」も相次いで苦戦を強いられ、企業は「技術的な裏付けのない製品のプレミアム化は、まさに砂上の楼閣である」という厳しい現実を痛感しました。
この経験から、シャオミは研究開発(R&D)への大規模な投資へと舵を切ります。実際に、2025年第2四半期にはR&D投資額が前年同期比47%増の131億元(約2700億円)に達し、これは2019年通年の投資総額に迫る規模です。この技術蓄積の成果は、特許データからも見て取れます。過去3年間で申請された2.3万件の特許のうち、イメージング技術と急速充電分野が60%以上を占めています。これらの技術的ブレークスルーとチップ研究開発が相乗効果を生み出し、「世界トップ100」を目指すシャオミの核となる推進力となっているのです。
AIoT時代を見据えた戦略と未来
盧偉氷総裁が掲げた5年という目標期間は、グローバルAI産業の変革期と高度に重なっています。シャオミはAIoT(AIとIoTの融合)技術の潮流の中で、テスラが自動車業界を再構築したように、自らも従来のハードウェアメーカーから「テクノロジーコングロマリット」へと変貌を遂げようとしています。
グローバル化戦略とハイエンド化プロセスを同時に推進することで、スマートハードウェア分野における価値評価システムを根本から再定義する可能性も秘めています。業界の観測者たちは、5年後の世界トップ100入りという目標について、単なる財務指標の達成だけでなく、技術的なアップグレードがもたらす産業変革の機会こそが、より決定的な意味を持つと見ています。
まとめ:シャオミの挑戦が描く未来図
シャオミが掲げる「5年で世界トップ100入り」という目標は、彼らが技術革新とハイエンド化に賭ける並々ならぬ決意を示しています。過去の苦い経験を教訓に、研究開発への大規模な投資を続け、特に自社チップ開発を中核に据える戦略は、将来のモバイル・デバイス市場の勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めています。グローバルなAIoTの波に乗じ、ハードウェアメーカーから真のテクノロジーコングロマリットへの変革を目指すシャオミの動向は、日本のテクノロジー企業や消費者市場にも大きな影響を与えることでしょう。彼らが描く未来図が、どのように現実のものとなるのか、今後の展開から目が離せません。
元記事: pcd












