中国のスマートフォン大手シャオミ(Xiaomi)に衝撃が走っています。同社中国区市場部総経理であり、人気ブランドRedmiの責任者も務めていた王騰(ワン・トン)氏が、重大な社内規定違反により解雇されたことが明らかになりました。内部文書によると、商業機密漏洩や利益供与といった行為があったとされています。シャオミのソーシャルメディア戦略において重要な役割を担い、長年ブランドプロモーションを牽引してきたカリスマ幹部の突然の離脱は、業界内外に大きな波紋を広げています。本人は自身のSNSで「過失を認める」と表明しましたが、具体的な詳細は依然として謎に包まれています。
シャオミの核心幹部、王騰氏の解雇劇
シャオミ中国区の市場部総経理、そしてRedmiブランドの責任者として知られる王騰氏が、会社から解雇されたことが判明しました。社内関係者からの情報や内部文書によると、この人事決定は、王騰氏による商業機密漏洩および利益供与など、複数の社内規律違反行為が原因であるとされています。
王騰氏は、シャオミの顔として長らくソーシャルメディア上で活発に活動し、同社のブランドイメージ形成や新製品プロモーションにおいて中心的な役割を担ってきました。特に、個人のWeibo(微博)アカウントは、シャオミのファンとの直接的なコミュニケーションツールとして非常に影響力がありましたが、8月29日以降、突然更新が停止。この異変が、今回の解雇劇を予感させるものとなりました。
多方面からの情報確認により、王騰氏がシャオミ中国区の核心的な管理職であったことが裏付けられています。会社は内部メールを通じてこの処分を正式に通知しましたが、具体的な違反の詳細や調査プロセスについては、現時点では一切公表していません。
SNSで「過失を認める」も、詳細はいまだ不明
今回の解雇報道が表面化した後、王騰氏本人は個人のソーシャルメディアを通じて応答しました。彼は「在職中の職務上の過失があったこと」を認め、「相応の結果を受け入れる用意がある」と表明しています。現在、彼のWeiboの認証情報は「元小米従業員」へと更新されており、解雇が事実であることを物語っています。
しかしながら、彼が具体的にどのような違反行為に及んだのか、その詳細は依然として明らかにされていません。シャオミ側も内部通知に留め、公には詳細を語っていないため、憶測を呼んでいます。シャオミのようなグローバル企業が幹部社員の解雇理由を非公開にするのは異例であり、その背景には深い事情があるものと推測されます。
まとめ:中国テック企業の「規律」と信頼性
今回の王騰氏の解雇は、中国のテック業界における企業のガバナンスと内部統制の重要性を改めて浮き彫にする事件と言えるでしょう。特にグローバル市場で影響力を拡大するシャオミにとって、商業機密の保護や従業員の倫理規定の徹底は、ブランドの信頼性を維持する上で不可欠です。
日本の読者にとっても、中国テック企業のこうした内部動向は、サプライチェーンやビジネスパートナーシップを考える上で重要な情報となり得ます。透明性の確保や情報セキュリティへの意識が、今後も中国企業を評価する上での重要な指標となることでしょう。今回の件が、シャオミそして中国テック企業全体にどのような教訓をもたらし、今後の企業運営にどう反映されていくのか、引き続き注目が集まります。
元記事: pcd
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