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上海ミシュラン一つ星「EHB」がわずか2年で閉店!平均20万円超の予約困難店に何が?

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中国上海の高級レストラン業界に衝撃が走っています。ミシュラン一つ星を獲得し、「上海のファインダイニングの象徴」とも称された北欧料理店「EHBレストラン」が、来る9月28日をもって営業を終了すると発表しました。開業からわずか2年あまりでの突然の幕引きは、関係者の間にも大きな波紋を呼んでいます。かつては3ヶ月先まで予約が埋まり、平均客単価が一時1万元(日本円で約20万円)にも達したこの超人気店に、一体何が起こったのでしょうか。その背景には、中国の高級外食市場の複雑な実情が垣間見えます。

上海の食シーンを揺るがす突然の閉店

幻の高級北欧料理「EHBレストラン」とは

EHBレストランは、上海市徐匯区に位置する美しいフランス風の別荘の中に、2023年5月31日にオープンしました。3階建ての広大な敷地には、1階にアフタヌーンティーやカクテルが楽しめる「Tearoom by EHB」、2階にメインダイニング「Dining Room」、そして3階には食前酒やデザートを供する「Living room」が設けられ、顧客はまずLiving roomでくつろぎ、その後Dining Roomへと案内されるという、まさに体験型のファインダイニングを提供していました。

開業当初、EHBレストランの平均客単価は一時、なんと1万元近く(約20万円)にまで達したと報じられています。これは上海の高級レストランの中でも群を抜いて高く、中国全土を見てもトップクラスの価格帯でした。その高価格にもかかわらず、EHBは驚くほどの人気を博し、ピーク時には3ヶ月前から予約しないと席が取れないほどの「幻のレストラン」として知られていました。現在では平均客単価は2035元(約4万円)ほど、Tearoomは437元(約9千円)ほどですが、それでも高価格帯であることに変わりはありません。

ミシュラン星獲得と「御曹司」の存在

EHBレストランがこれほどまでに注目された背景には、その創設者の経歴が大きく関わっています。このレストランは、世界的に有名なノルウェーのシェフ、エズベン・ホルムボー・バン(Esben Holmboe Bang)氏と、中国の大手ベーカリーチェーン「好利来(Hollyland)」創業者の息子である羅昊(ルオ・ハオ)氏が共同で立ち上げました。

エズベン・ホルムボー・バン氏は、ノルウェーの首都オスロで開業した自身のレストラン「Maaemo(マエモ)」をわずか15ヶ月でミシュラン二つ星に導き、2016年には北欧初のミシュラン三つ星を獲得した「北欧料理界のレジェンド」として知られています。その彼が上海で手がけるレストランとあって、美食家たちの期待は非常に高かったのです。

EHBレストランもまた、その期待を裏切りませんでした。開業から半年足らずの2023年11月には、早くも上海初のミシュラン一つ星北欧料理レストランとして名を連ね、常駐シェフのヴィヴィアン・メロ(Viviane Mello)氏も同年のミシュランガイド「ヤングシェフアワード」を受賞するなど、華々しい成功を収めていました。

高級外食市場の変調か?閉店の背景と今後の展望

わずか2年半足らずで、これほどの栄誉と人気を誇ったEHBレストランが突然の閉店を発表したことは、まさに青天の霹靂と言えるでしょう。発表された閉店の理由は「提携戦略の調整」とされており、公式声明では「今回の一時的なお別れは、決して終わりではない。未来には全く新しい形で皆様と再会できることを楽しみにしている」と述べられています。しかし、具体的な再開計画や運営戦略の変更点については、現時点では一切明らかにされていません。

この突然の閉店に対し、業界内や顧客からは様々な声が上がっています。「上海で最高の雰囲気を持つレストランの一つだと思っていたのに、まさか閉店するとは」「もう二度と食べられないのかと思うと残念でならない」といった惜しむ声が多く聞かれます。

今回のEHBレストランの閉店は、単なる一店の休業以上の意味を持つかもしれません。かつて、投機的な資金が流入し、高価格帯の飲食店が乱立した時期もあった中国の高級外食市場。特に近年は景気減速や消費者行動の変化を受け、富裕層の消費マインドもより慎重になっているとの見方もあります。「提携戦略の調整」という言葉の裏には、運営上の課題や、さらには中国市場における高級外食産業の新たな局面が隠されている可能性も示唆されています。

EHBレストランが「新しい形」で再登場するのか、あるいはこのまま伝説となるのか、その動向は今後も注目されるでしょう。

まとめ

上海のミシュラン一つ星レストラン「EHB」の突然の閉店は、中国の高級外食市場における変化の兆候として捉えられます。かつては富裕層の象徴とも言える華やかな消費が見られましたが、経済の変動や消費者の意識変化が、このような著名な店舗にも影響を与えているのかもしれません。

EHBが将来的にどのような形で再始動するのか、あるいは他の高級店がどのような戦略でこの変化に対応していくのか、その動向は日本の外食産業にとっても貴重な示唆を与えるでしょう。中国のダイナミックな市場の動きから目が離せません。

元記事: pedaily

Photo by Sander Dalhuisen on Pexels

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