中国の電動航空機スタートアップ「零重力飞机工业(Zero-Gravity Aircraft Industry)」が、約1億元(日本円で約20億円)に迫る大型資金調達を成功させました。今回のA++ラウンド戦略的融資は、同社の新エネルギー航空機開発と商用化をさらに加速させ、中国が注力する「低空経済」、特に電動航空機を活用した観光産業との融合を新たな段階へと引き上げます。注目の投資家には、雲時資本や祥源文旅参股基金傘下のファンドが名を連ねています。
零重力飞机工业とは?中国「低空経済」を牽引する新星
2021年3月に設立された零重力飞机工业は、合肥ハイテク区に本社を置く新興企業です。新エネルギー航空機の機体製造を中核事業とし、電動固定翼機(eCTOL)や電動垂直離着陸機(eVTOL、いわゆる「空飛ぶクルマ」)など、多角的な製品ポートフォリオを展開しています。そのミッションは、グリーン航空産業の発展を推進し、中国が国家戦略として力を入れる「低空経済」のフロンティアを切り開くことにあります。
約20億円の大型調達!電動航空機開発と商用化を加速
今回のA++ラウンド戦略的資金調達では、約1億元を獲得しました。この融資は、雲時資本と、祥源文旅参股基金傘下の塩城黄海匯創科泰低空経済産業投資基金合伙企業(有限合伙)が共同で出資しています。この潤沢な資金は、以下の3つの主要な戦略的ステップを加速させるために活用されます。
eCTOL固定翼機の量産化とeVTOLの型式証明取得へ
第一に、同社の主力製品である電動固定翼機eCTOL「鋭翔RX1E-A」および「RX1E-S」の量産と出荷を全力で保証し、「出荷元年」として市場での優位性を確立します。
第二に、多回転翼型eVTOL「ZG-ONE(鵲飛)」の型式証明取得プロセスを推進し、傾斜翼型eVTOL「ZG-T6」の研究開発を加速させます。これにより、技術成果を速やかに実際の利用シーンへと転換することを目指します。
「低空経済」と観光の融合:新たなビジネスモデルの創出
第三に、投資家からの資本とリソースを活用し、グリーン航空飛行拠点の商用化と、低空経済と観光産業を融合させた革新的なプロジェクトの開発においてブレークスルーを実現します。
これらの取り組みを通じて、零重力飞机工业は、低空経済と観光産業の融合を新たな段階へと進め、持続可能で革新的なビジネスモデルを構築しようとしています。
投資家が注目する「技術力」と「市場洞察力」
今回の投資に際し、雲時資本の投資家は「零重力飞机工业の、新エネルギー航空機分野における技術蓄積と商用化の進展は目覚ましいものがあります。その中核チームは、深い航空工学の技術的背景を持ちながら、低空経済の市場ニーズを正確に把握しています。この堅実な技術力と市場洞察力こそが、私たちが低空経済分野に投資する上で最も重視する特徴です」とコメントしています。
また、塩城黄海匯創科泰低空経済産業投資基金合伙企業(有限合伙)の関係者も、「零重力飞机工业のチームは、技術だけでなく、利用シーンも理解しています。彼らの低空観光という新しい業態への理解と展開は、祥源文旅が持つリソースを活用した観光分野の深耕という私たちの方向性と高度に合致しています。その確かな技術力と市場展望に対する正確な判断力によって、将来、低空経済と観光融合の分野で広大な可能性を切り開くと確信しています」と、同社のポテンシャルに大きな期待を寄せています。
まとめ:日本の空のモビリティにも示唆する中国の動き
今回の零重力飞机工业の大型資金調達は、中国が「低空経済」という新たな成長分野に国家レベルで注力していることを明確に示しています。電動航空機、特にeVTOLは、移動手段だけでなく、観光、物流、災害対応など多岐にわたる分野で社会変革をもたらす可能性を秘めています。
日本でも「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた取り組みが加速していますが、中国のスタートアップが着実に技術開発と商用化を進め、大規模な資金調達を実現している現状は、日本の空のモビリティ産業にとっても重要な示唆を与えます。今後の国際的な競争激化は必至であり、技術開発、インフラ整備、そして新たなビジネスモデルの創出において、いかに優位性を築くかが問われることになりそうです。
元記事: pedaily
Photo by Efrem Efre on Pexels












