Xiaomi(シャオミ)初のEV「SU7」が中国で発売され、その性能とデザインで注目を集める中、最近SNS上で「SU7の中古車価格が暴落」「中古車業者が買い取らない」といった衝撃的な噂が拡散しました。これに対しXiaomiは公式に「真実があまりに常軌を逸している」と異例のコメントを発表し、デマを強く否定。一体、中国EV市場で何が起こっているのでしょうか?本記事では、Xiaomi SU7の中古車価格に関する噂の真相と、その背後にある悪質な手口について深掘りします。
Xiaomi EV SU7「価格暴落」の噂の真相
ネット上のデマとXiaomiの公式発表
中国のSNSでは、「中古車価格暴落」「50万元(約1000万円)超えのSU7 Ultraが中古で35万元(約700万円)でも売れない」「中古車業者が買い取らない」といった、煽り立てるようなタイトルが頻繁に投稿されていました。さらには、「ひざまずく」「悲劇を演じる」「地面に転がり泣き叫ぶ」といった感情的な演出を伴う動画まで登場し、Xiaomi車の価格が一夜にして崩壊したかのような印象を与えていたのです。
この状況に対し、Xiaomiは1月18日、公式に「真実があまりに常軌を逸している。友人諸君には冷静な判断を願う」と異例の声明を発表し、これらの情報の信憑性に疑問を呈しました。
中古車市場の専門家が見る実態
新エネルギー車の中古車を長年扱っているある業者への取材によると、「買い取らない」という話は、SU7を取り扱わない、あるいは電気自動車自体に不慣れな一部の業者が相談を受けた際の出来事が誇張されているに過ぎないといいます。適正な価格設定であれば、同車種を専門に扱う業者であれば買い取りを拒否するケースは一般的ではないとのことです。
この業者は、一部のショート動画コンテンツが、注目度(トラフィック)を獲得するために意図的に対立を煽り、そこから顧客を誘導していると指摘。SU7は発売当初、供給不足から「プレミア価格での転売」といった現象も見られましたが、現在は中古車市場の正常な価格変動に戻りつつある時期にあると説明します。
北翰行始の創業者であるアリ氏も、この状況には二つの側面があると分析します。一つは、市場の価格変動によって、相場下落前に仕入れた業者が損失を被る現実があること。これは事実として存在するようです。もう一つは、純粋にトラフィックを稼ぐための「釣り」コンテンツであるという点です。ブランドや企業が不振であるかのように見せかけるコンテンツは視聴者の関心を引きやすく、コメント欄では共感するユーザーが盛り上がる一方、動画を投稿した業者はそのトラフィックから顧客を獲得し、収益を上げていると解説しています。
悪質な「おとり広告」の手口とは?
さらに、一部メディアは「33.8万元(約670万円)で買える中古のXiaomi SU7 Ultraは存在しない」という具体例を挙げ、悪質な「おとり広告」の手口を暴露しています。
盗用画像による低価格掲載とオフライン誘導
最近、あるブロガーが自身の車両画像が無断で盗用され、虚偽の低価格で中古車情報サイトに掲載される事件に遭遇しました。これは「低価格で集客する」という中古車業界の悪質な手口の一環です。
一部の悪質な業者は、他人の車両画像を盗用し、市場価格からかけ離れた低価格でオンラインに掲載することで、消費者の注意を引き、実店舗への来店を促します。しかし、消費者が実際に店舗を訪れると、業者は「その車はすでに売れてしまった」などと嘘をつき、結果としてより高価な別の車両を勧めるといった手法が横行しているのです。
このブロガーは、自身の中古車が「33.8万元」というありえない価格で掲載されているのを発見し、業者に直接電話。「この車は本当に在庫があるのか?」「これは私の車だ」と問い詰め、「誰が33.8万元という価格に同意したのか?」と追及し、即座に掲載を取り下げるよう要求したといいます。
実際、最近の大手自動車アプリの価格情報によると、SU7 Ultraの中古車平均価格は概ね40万元前後で推移しており、新車価格に対する残存価値は約75%とされています。これは、市場価格を大幅に下回る「33.8万元」が極めて異常な価格であることを示しています。
価値から著しく乖離した価格は、しばしばリスクの兆候です。「価格暴落」とされる情報の多くは、こうした虚偽の車両情報に基づくものであることが分かりました。情報の公開メカニズムを規範化し、プラットフォームの審査能力を高めることが、買い手と売り手の双方の権利を守る上で不可欠となっています。
まとめ:真実を見極める目と市場の健全性
Xiaomi EV SU7の「中古車価格暴落」という噂は、中国の新興EV市場における情報戦と悪質な商慣行が混じり合った結果であることが明らかになりました。一部の業者がトラフィック稼ぎや顧客誘導のために虚偽の情報を流布し、消費者を惑わせている実態が浮き彫りになっています。また、EV市場全体の成長に伴い、初期の過熱状態から中古車相場が正常化する過程で、転売目的のバイヤーが一時的に損失を被るケースも存在し、それが誇張されて広まっている側面もあるようです。
このようなデマや悪質な商慣行は、消費者の不信感を招き、健全な市場の発展を妨げる可能性があります。情報を受け取る側としては、常に情報の出所を確認し、複数の信頼できる情報源と照らし合わせる冷静な判断が求められます。
日本市場においても、今後中国製EVが導入される可能性を考えると、同様の情報混乱が起こり得るかもしれません。デジタル化が進む現代において、情報の真偽を見極めるリテラシーの重要性が改めて浮き彫りになる事例と言えるでしょう。
元記事: mydrivers
Photo by Andrey Matveev on Pexels












