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中国発UE5新作『斗虎』は荒削り? 東北を舞台にした抗日ゲームが物議を醸す

Unreal Engine 5 game Chinese action game - 中国発UE5新作『斗虎』は荒削り? 東北を舞台にした抗日ゲームが物議を醸す

中国東北地方を舞台に、最新ゲームエンジン「Unreal Engine 5」で開発される抗日アクションゲーム『斗虎』(ドゥーフー)が、中国国内で大きな注目を集めています。先日公開された実機デモ動画は、その独特な世界観から早くもゲーマーの間で賛否両論を巻き起こしました。伝統的な歴史観と東北地方の民俗文化、さらにはファンタジー要素が融合した本作は、一体何を表現しようとしているのでしょうか? ベテラン開発チームの情熱と、彼らが直面する開発現場のリアルに迫ります。

賛否両論を呼ぶ『斗虎』の世界観

『斗虎』は、中国東北地方における抗日聯軍時代の歴史を題材としたアクションゲームです。本年9月18日、動画配信サイトBilibiliで公開された約15分間の実機デモ動画は、早くも再生回数150万回を突破し、6,000件以上のコメントが寄せられるほどの反響を呼びました。動画では、極寒の東北の山村を舞台に、主人公が拳で次々と敵を撃破していく様子が描かれています。

特に話題を呼んだのは、その個性的なキャラクターたちです。最初のボスとして登場するのは「灰狐仙徐凌香」と名乗る女性で、高スリットのチャイナドレスとハイヒール姿で氷上を舞いながら戦います。その後には、シャーマンや細菌(生物兵器)部隊なども登場し、その多様な要素がプレイヤーを驚かせました。

この動画に対し、プレイヤーの反応は大きく二分されました。一部からは「創作態度が軽薄で、抗戦テーマを軽視している」「怪力乱神(超常現象や荒唐無稽な話)な要素や、お色気要素が盛り込まれており、抗日テーマの『駄ゲー』になるのではないか」といった批判が上がりました。一方で、「多少荒削りでも、抗日をテーマにしたゲームはもっと増えてもいい」と擁護する声もあり、多くの人々が『斗虎』が何を表現したいのか戸惑いを見せています。

これに対し、制作人である李毅龍(リー・イーロン)氏は「一部の人はよく見ていない。ゲームに奇抜な要素や超常現象、神仏は一切登場しない。狐仙やシャーマンは東北地方固有の民俗伝説であり、超自然的なものではない」とコメント。チームはあくまで「堅実な唯物主義」に基づいていると強調しています。

ベテランチームが挑む「東北の物語」

『斗虎』の開発を手がけるのは、ハルビン出身の李毅龍氏率いるチームです。43歳になる李氏は、2005年頃からゲーム業界に身を置き、かつては中国大陸で人気を博した『石器時代』の運営元である北京華義に在籍。Unreal Engine 2を使用した大規模プロジェクトにも関わった経験を持つ、ベテラン開発者です。彼はその後も様々なゲーム開発に携わりましたが、運に恵まれず成功作には至りませんでした。

2013年、李氏は旧友たちとハルビンに戻り、「智雲科技」を設立。当初はソフトウェア開発や外注業務を主軸としていましたが、近年はゲーム開発者育成事業にも注力しています。『斗虎』の開発資金も、この育成事業や外注業務から得ているとのことです。

李氏にとって『斗虎』の開発は、長年の夢であり、自身の故郷である東北地方の物語をゲームにするという「趣味と責任」が原動力となっています。「他に誰もやらないなら、自分たちがやるしかない」という強い意志のもと、本年3月28日に正式な制作が始まりました。現在の開発チームは6名で、その多くが智雲科技の創業パートナーたちです。

「技術的な困難は一切ない」と李氏は自信を見せます。長年の経験を持つベテラン集団であること、そしてUnreal Engine 5の進化が開発をよりスムーズにしていると語ります。現在、ゲームの基盤となるフレームワークは完成しており、基本的なパイプラインは稼働しています。チームは本年12月14日には、約1分間の戦闘実機動画も公開し、好意的な反響を得ています。

しかし、李氏を悩ませる最大の課題は「資金」です。最終的な開発コストを1,000万元(約2億円)と見積もる彼は、これまでの投入額が100万元(約2,000万円)未満に留まっていると明かします。少人数での開発ゆえに、外部委託や会社の育成プログラムの「学生リソース」を活用するなど、工夫を凝らしてコストを抑えています。目指すのは「東北版の『レッド・デッド・リデンプション』、『黒神話 悟空』、『ゴッド・オブ・ウォー』のようなキャラクター」であり、壮大な野心を抱いています。

まとめ

李毅龍氏率いるチームは、「1日で作れなければ10日、10日で作れなければ10年」という覚悟で、『斗虎』の開発を進めています。厳しい資金状況や世間の批判に直面しながらも、彼らは故郷の物語を世界に届けるという情熱を燃やし、2028年9月18日のリリースを目指しています。

『斗虎』は、中国ゲーム業界におけるインディー開発の可能性と課題を示す興味深い事例となるでしょう。その独特な世界観とベテランチームの挑戦が、日本のゲーマーにも新たな視点と感動をもたらすことを期待せずにはいられません。

元記事: chuapp

Photo by Franco Monsalvo on Pexels

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