待望のアクションゲーム『ホロウナイト:シルクソング』が正式リリースされ、世界中のゲーマーから注目を集めています。しかし、中国語圏では発売直後から予期せぬ問題に直面しています。ゲーム内の簡体字中国語翻訳の品質が極めて低く、一部のテキストは「古風な文語体」で書かれているため、プレイヤーが内容を理解できない状況が発生しているのです。この事態により、Steamの簡体字中国語圏でのレビューは急落。なんと、世界最低の51%という「好評」評価率を記録し、他の地域と比較しても著しく低い数字となっています。
待望の新作に暗雲?中国語翻訳問題が引き起こした波紋
大勢のゲーマーが待ち望んでいた『ホロウナイト:シルクソング』は、発売と同時に中国語圏のプレイヤーから翻訳品質に対する大きな不満の声が上がりました。特に問題視されているのは、まるで古文書のような難解な「古風な文語体」がゲーム中のテキストに多用されている点です。これにより、物語や指示が理解しづらくなり、結果としてSteamの簡体字中国語圏では、他の地域に比べて圧倒的に低い51%という好評率を記録しました。この数字は全世界で見ても最低の評価となっています。
「低評価爆撃」を巡る国際的な視点の違い
この状況を受け、ゲーム情報発信者Pirat_Nation氏はX(旧Twitter)を通じて、中国のプレイヤーが『シルクソング』に対して「低評価爆撃」を行っていると発言しました。しかし、この意見に対してコメント欄では多くの海外プレイヤーが異論を唱えています。「中国のプレイヤーは些細なことで文句を言いすぎる」「不当に低評価をつける傾向がある」といった批判的な意見が散見されました。過去には、別のゲーム『明末:淵虚之羽』でも、他の地域のプレイヤーは概ね満足していたにもかかわらず、中国プレイヤーだけが不満を表明したケースが引き合いに出されています。また、開発元のTeam Cherryが小規模なインディーゲームスタジオであることを理由に、「そこまで完璧なローカライズを期待すべきではない」という擁護の声も上がっています。
Steamの公式見解と開発元の迅速な対応
このような論争の中、Steamが過去に公表したレビューに関するガイドラインが改めて注目されています。Steamはかつて、「開発者の母語版では物語が流暢でも、粗悪な翻訳品質が他の言語版の体験を著しく損なう可能性があり、これらの差異は母語話者には感知できない」と明確に述べています。これは、翻訳品質の低さによるプレイヤーからの低評価を、公式に認める立場を示していると言えます。
実際に、一部の海外プレイヤーからも、翻訳品質が基準に満たないことによる低評価は完全に理にかなっているという理解の声が上がっています。この事実は、ゲーム体験においてローカライズがいかに重要な要素であるかを再認識させます。
Team Cherry、問題認識と改善を約束
事態を重く見た開発元Team Cherryのマーケティングマネージャー、Matthew Griffin氏も迅速に反応。X(旧Twitter)にて、今回の中国語翻訳に関する問題を認識しており、今後数週間以内に改善に努めると発表しました。この表明は、簡体字中国語圏のプレイヤーからの不満が解消され、ゲームの評価が回復することへの期待を高めるものです。
まとめ:ローカライズの重要性と日本のゲーマーへの示唆
『ホロウナイト:シルクソング』を巡る今回の騒動は、ゲームのローカライズ品質がいかにプレイヤーの体験に直結するかを改めて浮き彫りにしました。発売前のサプライズリリース、そして初日から直面した翻訳問題は、多くのプレイヤーに複雑な感情を抱かせたことでしょう。
日本のゲーマーにとっても、ローカライズの質はゲーム体験を大きく左右する重要な要素です。今回のケースは、言語の壁を越えてゲームを楽しむ上で、開発側が言語圏ごとの文化や表現にどれだけ配慮できるかという課題を提示しています。今後、Team Cherryがどのような改善を見せるのか、そしてそれが世界中のプレイヤーの評価にどう影響するのか、引き続き注目が集まります。高品質なローカライズは、単なるテキストの変換に留まらず、ゲームが持つ世界観や魅力を最大限に引き出し、より多くのプレイヤーに届けるための鍵となるでしょう。
元記事: gamersky