中国のゲームメディア「触乐(Chuapp)」で、日本人にもなじみ深いスクウェア・エニックスのホラー推理アドベンチャー『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』に関するレビュー記事が公開されました。ホラーゲームが苦手な筆者が、なぜこの作品に夢中になり「聖杯戦争」のような熱狂を感じたのか、その魅力を余すところなく語っています。日本でも高評価を得た本作ですが、中国ゲーマーの視点から語られる「ちょうどいい」恐怖と熱い物語に迫ります。
ホラーが苦手なゲーマーも魅了した「ちょうどいい」体験
本作『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、2023年にスクウェア・エニックスが発売したホラー推理アドベンチャーゲームです。日本では各メディアから高い評価を受けましたが、その魅力は中国のゲーマーにも伝わっています。記事の筆者である姚楚杉氏は、普段はホラーゲームを敬遠しがちで、実況動画を見る程度だったと言います。しかし、本作はレトロでありながらも「親しみやすい」アートスタイルで、彼女のホラーに対するハードルを下げ、初めて自らプレイするきっかけとなりました。
舞台は東京墨田区の本所で語り継がれる「本所七不思議」の怪談。プレイヤーは自由に視点操作を行い、画面をドラッグして周囲を見回し、手がかりを探すことができます。ビジュアルノベルでは珍しいこのシステムは、ジャンプスケア(突発的な恐怖演出)の配置にも活かされており、序盤は度々驚かされたそうです。しかし、その演出も「抑制が効いていて」、姚楚杉氏は「微恐怡情(軽い恐怖で気分を盛り上げる)」程度の心地よい体験だったと振り返っています。
怪談の皮を被った「聖杯戦争」
物語が進行するにつれて、筆者はこのゲームが単なる怪談ではないことに気づきます。それはまさに「怪談の皮を被った“聖杯戦争”」だったのです。それぞれの「七不思議」には「呪珠(じゅじゅ)」が対応しており、その持ち主は呪殺を行うことでエネルギーを蓄え、「復活の秘術」の実現を目指します。複数の主人公たちがそれぞれの願いを胸に「呪珠」を巡って行動する展開は、次第にホラー感を薄れさせ、代わりに「燃える」ような興奮をもたらしたと語られています。
登場人物たちの個性的で生き生きとした描写も大きな魅力です。突拍子もない「顔芸」や、予期せぬ感動的なシーン、あるいは緊迫した状況下でのユーモラスなやり取りなど、軽妙な筆致で描かれるキャラクターたちは、筆者に深い印象を残しました。
没入感を深める巧みなMeta要素と「ちょうどいい」完成度
本作の評価をさらに高めているのが、巧妙な「Meta要素」です。ゲーム冒頭から「案内人」が画面の向こうにいるプレイヤーに直接語りかけ、その存在が物語の世界に影響を与えます。小さな謎解きの答えから、物語全体の進行まで、プレイヤーの選択が深く関わってくるのです。特に、キャラクターたちに感情移入するにつれて、「第四の壁」を破るこの演出は、プレイヤーが彼らと共に体験しているという感覚を深め、非常に「優しく心遣いが感じられる」設計だったと筆者は高く評価しています。
姚楚杉氏は約9~10時間で一気にゲームをクリアし、その日は興奮のあまりSNSに3度も投稿したそうです。美術、音楽、恐怖感、推理難易度、そしてプレイ時間。その全てが「ちょうどいい」バランスで成り立っていた本作は、クリア後の深い喪失感を伴いつつも、彼女の心に忘れがたい感動を残しました。さらに、公式が未公開設定の公開や、作中の人気キャラクター「黒鈴澪」を主人公としたスピンオフ漫画をリリースするなど、手厚い「アフターサービス」を提供している点も、本作への熱狂を裏付けています。
まとめ
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、日本のみならず中国のゲーマーをも熱狂させた傑作であることが改めて分かります。ホラーでありながら熱い物語とキャラクター、そしてプレイヤーの没入感を高める巧みな仕掛けが、国境を越えて多くのゲーマーに「ちょうどいい」感動体験を提供しました。今後も、このような和製ホラーアドベンチャーゲームが、グローバル市場で新たなファンを獲得していく可能性を強く示唆していると言えるでしょう。
元記事: chuapp
Photo by Yan Krukau on Pexels












