中国で大人気のスマートフォンゲーム『光・遇』(日本語版タイトル『Sky 星を紡ぐ子どもたち』)は、この夏、中国広州のランドマーク「広州タワー」周辺で6周年記念の大規模なオフラインイベントを開催し、多くのプレイヤーを魅了しました。その熱気の渦中で、本作のプロデューサーである陳星漢(チェン・シンハン)氏への独占インタビューが行われました。陳氏は「プレイヤーが私たちに夢を植え付けてくれた。それが今、ようやくゲームに実装できるようになった」と語り、プレイヤーの「善意」がゲームの重要なコンテンツになっている現状と、今後の展望を明かしています。
大規模な記念イベントと「星光奨」の舞台裏
今年の6周年記念イベントでは、広州タワー周辺が『Sky』の世界観で埋め尽くされました。清々しい「天空の王国」の雰囲気が現実世界に再現され、庭園にはゲーム内のキャラクター「光の子」のミニ像が、ショッピングモールには巨大な光の子像と水色の星の空間が設置され、人々は写真撮影や散策を楽しみました。
会場にはプレイヤーによる素晴らしい二次創作作品が展示され、『Sky』独自の「星光長廊」を形成していました。中でもハイライトとなったのは、広州タワースタジアムで開催された「Sky 星光奨」授賞式です。これは公式がゲームクリエイターのために開催する初の本格的なイベントであり、音楽、クリエイティブ、編集など多岐にわたる分野で活躍し、公式の注目を集めたクリエイターたちが招待されました。受賞者には「光の子」を模した重厚なミニ像が、thatgamecompanyのクリエイターチームとNetEaseの運営チームから直接手渡されました。
授賞式のフィナーレでは、大賞を受賞した2名のクリエイターとプロデューサーの陳星漢氏が、ゲーム内とオフラインの二つの舞台で同時に、数万人のプレイヤーが見守る中、全サーバーのプレイヤーとインタラクションする感動的な一幕もありました。
「ジェットコースター」から「テーマパーク」へ:ゲームが目指す姿
変化するプレイヤー層とコミュニティ
陳星漢氏は、今回の広大なオフラインイベントの背景には、昨年の5周年イベントの成功があったと語ります。「普段の生活で友人が少ないと感じている人々が、オンラインの安全な環境で絆を深められるように」というゲームの根底にある思いを、オフラインでも実現したいという意図がありました。
近年、『Sky』のプレイヤー層には変化が見られます。サービス開始当初は20~30代が中心でしたが、ソーシャルメディアを通じて、今では18~20代前半の若い世代がコミュニティに多く参加しています。若年層は流行に影響されやすいため、公式は「星光奨」を通じて、質の高い、創造的な作品をプレイヤーに提示し、コミュニティ全体の方向性を導くことを目指しています。
陳星漢氏自身も、プレイヤーの二次創作作品に心を打たれることが多いと言います。「私自身が監督として、良いゲームやストーリーアニメーションを作るのは、人々の心を動かしたいからです。まさか多くのプレイヤーの作品に私が涙させられるとは思いませんでした。彼らはプロのチームもツールもない中で、ゲームの録画だけでこれほど素晴らしい物語を語ることができる。本当に多くの人々にこれらの作品を見てほしいです」と語りました。
プレイヤーの「善意」が新たなコンテンツに
インタビューの中で陳星漢氏は、ゲームのデザインがプレイヤーの創作活動を促す「共生関係」にあると説明しました。当初はプレイヤー間の温かい交流を促すための表現機能が、予想外にも「役者」として使われることを発見したのが始まりでした。プレイヤーからの要望に応え、録画時にUIを隠す機能、広角だけでなく望遠カメラ機能、少人数から多人数でのコンサート開催機能などが追加されてきました。
例えば、人気アーティストAURORAとのコラボレーションコンサートでは、1万人ものプレイヤーが同時に参加しました。その後、「参加できなかった人も含め、コンサートを並行する宇宙の他の劇場にも配信してほしい」という声に応え、今年は全サーバーに受賞者のスピーチが届けられるようになりました。これにより、プレイヤーのメッセージ機能も音声入力対応にアップグレードされています。
陳星漢氏は、『Sky』のUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)のあり方について独特の見解を示しています。「業界では『なぜUGCを作らないのか』と言われることもありますが、私たちはすでに多くのユーザーが創造する『善意』(compassion)をコンテンツとして持っています。これらの善意こそが、プレイヤーがこの世界に留まり続けたいと思う理由になっているのです。必ずしも高自由度のサンドボックスやプレイヤーがステージを編集できるような機能だけがUGCではありません」と語りました。
まとめ
『Sky 星を紡ぐ子どもたち』は、リリース当初の「感情の起伏を体験するジェットコースター」のようなゲームから、「プレイヤーが長く滞在し、安全で楽しい交流を育むテーマパーク」へと進化を遂げつつあります。陳星漢氏が語る「プレイヤーの善意をコンテンツとして受け入れる」という姿勢は、今後のゲーム開発における新たなUGCのあり方を示唆していると言えるでしょう。公式とプレイヤーが共創するこのユニークな関係性は、今後も『Sky』の世界をさらに豊かにし、世界中のプレイヤーに感動を届け続けることでしょう。日本を含む世界中のファンも、この進化する「天空の王国」から目が離せません。
元記事: chuapp
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