『ストリートファイター6』で、なぜか多くのゲーマーが美女キャラクターではなく、あの肉弾戦士「ザンギエフ」に夢中になっているのをご存知ですか?筆者もその一人で、昨年『ストリートファイター6』をプレイし始めて以来、すっかり彼に魅了されてしまいました。四六時中彼のことを考え、夜な夜な夢にまで見るほどです。競技シーンでは最高のパートナーとして、数々の刺激的な「赤きサイクロン」を共に繰り出し、オフラインではシンプルな、しかし最高の喜びを分かち合える相棒。今回は、そんなバーチャルキャラクターに人生の伴侶にも等しい愛情を注ぐ、熱狂的なゲーマーたちの心理と、ザンギエフの底知れぬ魅力に迫ります。
「美女より硬派」ゲーマーを虜にするザンギエフの魅力
「正直に告白します。私の好みは少し“変態的”になってしまいました……」
『ストリートファイター6』をプレイし始めてから、筆者はゲーム内のとあるキャラクターに深く魅了されています。そのキャラクターは完璧としか言いようがありません。実力と人気を兼ね備え、セクシーさと可愛さが同居し、シリーズで最も「タフ」なキャラクターであると同時に、数値的にも最強の部類に入ります。そう、彼こそがザンギエフです。
筆者を魅了した「赤きサイクロン」
ゲーム内のザンギエフは、見事に整えられたモヒカン、セクシーな髭面、熊のような体躯に隆々とした上腕二頭筋、そして白いレスリングシューズを履いています。もし彼が日本の流行の中心地に現れたら、どれほど「ホット」になるか想像できません。
『ストリートファイターII』から登場しているザンギエフは、シリーズ全体を貫く魂のキャラクターの一人と言えるでしょう。彼は常に投げ技を主軸とした戦闘スタイルを貫いています。
ザンギエフの原型は、ソビエト連邦の伝説的レスラーであり「投げの神」と称されたアレクサンドル・カレリンだと言われています。そのルーツからも、彼の投げ技へのこだわりが伺えます。
投げ技の神「ザンギエフ」の原点
性能的な理由から、ザンギエフが多くのプレイヤーのメインキャラクターになることは稀ですが、それでも低いランク帯やプレイヤーコミュニティでは絶大な人気を誇ります。プレイヤーたちにとって、ザンギエフはまさに「愛憎入り混じる」可愛らしいキャラクターなのです。
憎悪の感情は、彼がランクマッチのあらゆる環境で、誰もが認める「イライラの元凶」であることに由来します。
ザンギエフは動きが遅く、動作もぎこちないかもしれませんが、数値が全てを物語ります。性能が悪い、対策されやすいと言われようとも、彼にはとてつもない数値があるのです!
愛と憎悪が交錯!ザンギエフの「かわいさ」の正体
圧倒的数値を誇るパワーの源泉
ザンギエフは、ゲーム内で最高の基本ダメージと最高の基本体力を持っています。他のキャラクターが苦労して3連コンボを叩き込み、ようやく相手を倒すとき、ザンギエフはわずか3回の「スクリューパイルドライバー(ロシア語では「ロシアン・コマンドー・ホールド」と呼ばれます)」で簡単に勝利を収めることができます。
この操作難易度の差を人気のMOBAゲームに例えるなら、他のキャラが複雑なスキルコンボを駆使して一人を倒す中、ザンギエフはひたすら耐え忍び、シンプルなスキル一つでマルチキルを奪うようなものです。さらに言えば、ザンギエフがCA(クリティカルアーツ/スーパーアーツ)発動可能な体力の段階に入ると、それは神さえも恐れる存在と化します。
この超高数値のために、ランクマッチでは以下の光景が頻繁に見られます。
「全身全霊でコンボを決め、体力の3分の1を奪ってザンギエフを瀕死に追い込み、優勢だと感じたその次の瞬間、立て続けに2回の投げ技を食らい、悲惨な敗北を喫する……」
この大逆転劇を経験してなお、冷静さを保てる人は、もはや聖者の域に達していると言えるでしょう。そんな人たちに、「馬鹿め!私と数値の絆を甘く見るな!」とザンギエフは言い放ちそうです。
不器用さの中に見せるギャップ萌え
しかし、こうした憎悪を抜きにすれば、ザンギエフへの愛は、その情熱的で大柄な男の「可愛らしさ」にこそあります。
超強力なパワーの代償として、ザンギエフには知性が少し欠けているようです。それが彼の動きをゆっくりと、そしてどこか鈍く見せています。技が空振った後には、さらに間抜けに見えることも。しかし、彼がその比類なき数値で簡単に試合に勝利した後に見せる、太陽のような満面の笑顔は、試合全体にコミカルなギャップを生み出し、多くのプレイヤーを魅了しています。
ザンギエフを心から愛するプレイヤーたちは、彼のために特別な動画シリーズまで作ってしまうほどです。
まとめ:これからも愛され続ける「硬派な男」
ザンギエフは、その遅く不器用な動きとは裏腹に、一撃必殺の投げ技と圧倒的なパワーで対戦相手を翻弄します。そして、勝利の後に見せる無邪気な笑顔や、どこか憎めない愛嬌は、多くのプレイヤーの心を掴んで離しません。高性能なキャラクターが多数存在する中でも、ザンギエフのように「愛と憎悪」が入り混じる形で、長年コミュニティに愛され続けるキャラクターは稀有な存在です。
『ストリートファイター6』では、そんなザンギエフが今日も多くのゲーマーたちを熱狂させ、時に苛立たせながらも、彼らの心に深く刻み込まれています。今後も「赤きサイクロン」ザンギエフは、その硬派な魅力で格闘ゲーム界を盛り上げていくことでしょう。
元記事: gamersky
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