中国発の新作アクションRPG『猿公剣(えんこうけん)』が、独特の世界観と革新的な戦闘システムで注目を集めています。Unreal Engine 5で描かれる壮麗な仙侠世界を舞台に、女剣士「袁三娘」が天災に立ち向かう本作は、中国の古代美学や怪談、そして四川文化が融合した奇想天外な冒険が待っています。特に伝統剣術から着想を得た「避青(回避)」と「入紅(反撃)」の戦闘メカニクスは、プレイヤーにこれまでにない爽快感と戦略性をもたらすでしょう。
道法自然、仙侠世界を舞う女剣士『猿公剣』
本作『猿公剣』は、中国・成都に拠点を置く「成都建猫熊(ジェンマオション)チーム」が開発を手がける、Unreal Engine 5採用の架空修仙アドベンチャーゲームです。2024年7月に初のゲームプレイ動画が公開されて以来、そのユニークな世界観が多くのプレイヤーの関心を集めてきました。2026年6月にはBilibiliのイベント「游先看」で最新情報が公開され、メディアや人気配信者による試遊も実施されています。
物語の主人公は、伝説の「猿公」の弟子である女剣士「袁三娘(ユエンサンニャン)」。彼女は、百年前の師匠・猿公による「天書」の漏洩によって引き起こされた問題を解決するため、民衆を率いて各地で発生する天災に立ち向かいます。古代中国の美学、妖怪物語や怪談(志怪故事)、そして四川省の豊かな文化が融合した、まさに奇観とも言える世界がプレイヤーを待ち受けています。
中国伝統剣術に着想を得た革新的な戦闘システム「避青入紅」
今回の試遊会では、ゲームの中核となる戦闘システム「避青(ピーチン)」と「入紅(ルーホン)」を体験することができました。これらの技は、中国の伝統的な剣術技法「乗虚蹈隙,避青入紅(虚に乗じて隙を突き、青を避けて紅に入る)」から着想を得ています。これは、敵の攻撃を真っ向から受け止めず、身をかわして武器を避け、その勢いを利用して反撃するという、流麗でしなやかな戦い方を意味します。
ゲーム内では、主人公・袁三娘の颯爽とした身のこなしと軽やかな剣技が融合し、独特の打撃感を生み出しています。敵にはそれぞれ特別な「避青入紅」のメカニズムが設定されており、プレイヤーは敵の動きやセリフから正確な反撃方向を見極める必要があります。方向が正しければ反撃技「入紅」が発動し、敵に大ダメージを与えられますが、失敗すれば「避青」で回避するに留まります。多様な敵の攻撃モーションにより戦闘の単調さが軽減されており、高難度の敵(例えば師匠の猿公)との戦いでは、プレイヤーも同様のメカニズムに対応する戦略性が求められます。
武器耐久と剣匣システムがもたらす戦略性
戦闘システムには、上記の中核要素に加え、「剣匣(けんこう)」と「耐久度」のシステムも組み込まれています。試遊版では12種類の武器を体験でき、それぞれに固有の「独門絶技」が備わっています。戦闘中に現在の武器の耐久度が尽きると、その武器は破損し、ガードや攻撃ができなくなります。しかし「剣匣」を使えば、素早く武器を再鋳造(熔鑄)し、別の武器に交換して戦闘を継続することが可能です。高難度バトルでは、戦闘前に武器の選択と「独門絶技」の構成を熟考することが、勝利への鍵となるでしょう。
四川文化と志怪物語が織りなす唯一無二の世界観
『猿公剣』の大きな魅力の一つは、魏晋南北朝時代から唐宋時代にかけての多様な志怪(怪談・奇譚)や民俗を融合させた、独自の修仙世界です。ゲームの重要な指導者である「猿公」は、東漢時代の歴史書『呉越春秋』に登場する白猿と越女の伝説を原型としています。ゲームの物語では、猿公が千年前、私的に「天書」を漏洩した罪で罰せられ、その結果として妖魔の災いや様々な自然災害が引き起こされたとされています。登場するキャラクターたちは、それぞれが個人的な力でこれらの天災に立ち向かい、自然災害や妖魔を恐れない「中式無畏精神」(中国式不屈の精神)が描かれています。
この世界観を表現するため、ゲームには四川省の現地要素が随所に盛り込まれています。四川方言のボイスアクターによる演出や、川渝(四川・重慶)地方の道教寺院を思わせる風景、そしてマスコットキャラクターのレッサーパンダなどが登場します。特にマスコットキャラクターの「緋頭子(フェイトウズ)」は四川方言を話し、ゲームプレイ中には思わず微笑んでしまうような四川方言のセリフも多く見られます。これらの要素は、プレイヤーが制作チームの作り上げた中国式怪談世界に深く没入するための、強力な触媒となるでしょう。
まとめ
『猿公剣』はまだ開発段階にありますが、その革新的な戦闘デザインと圧倒的なビジュアルは、中国ゲーム開発の進化を強く感じさせます。東洋武術の美学と独創的なゲームプレイが融合した本作は、今後のアクションRPGの新たな地平を切り拓く可能性を秘めています。日本のプレイヤーにとっても、これまでにない体験と中国文化への深い没入感を提供してくれることでしょう。正式リリースが今から楽しみです。
元記事: chuapp
Photo by Gioele Fazzeri on Pexels












